第24話 いよいよ勇者☆本物か偽物か?!
(最後の四つ、味わって食ってるよ……)
デブ待ちのこの隙におさらいすると、
ナオミさんという眼鏡メイド異世界人女性(38歳)が、
お茶会を開くとテーブルの周囲に異世界戦士の影を召喚してくれるという。
(音楽必須、いまな流れているのは『マイムマイム』って曲ですって)
そして金色の主催席に座った人が開始もしくは再開を宣言すると、
影が攻撃を始めるのだが、その影は主催の強さが反映されて召喚されるらしい、
ちなみに色も違って公爵令嬢アンさんが黒、聖女ベティちゃんが眩しい光、あれ影じゃないよね?
(ちなみに僕は薄い灰色かな、しかもクネクネした変なのが1人だけ来ました)
魔法が使えないけど魔力はあるというベティちゃんは凄まじかった、
そして今のデブもといS級戦士様はデブがデブを呼び魔物を弾き倒してくれている、
さて、これから座る80歳の自称元勇者様、その武勇伝が本当か嘘かがこれでわかるってことかな。
「ブラザ様」「なんだメイド、もう少しじっくり食いたいぞ」
「次はホイップクリーム、カスタードクリーム、ハニークリームのドーナツが控えて」「代わろう」
一気に呑み込んで、
あっさりどきやがった!
さて、女勇者さまを座らせてっと。
「はじめましょうかね」
その宣言の直後、
素早く出現したのは影というよりは、
きらきら輝く黄金の戦士たちだった!!
(勇者は、本物だったーーー!!)
しかし人数は、ええっと……7人か。
「ではどうぞ」「穴が空いてないのだな」「中にクリームが入っていますから」
いかにも甘そうだ、
ブラザさん3×3で9個なのにもう手に3個持って喰い始めた、
ホーリィお婆ちゃんは……あっ、中のクリームをちゅうちゅう吸っている!
(ちゃんと皮も、いやパンの部分も食って貰わないと)
では僕も……うん、
こういうパンは大好物だ!
とくに周りにかけてある砂糖かな、これが良い具合だ。
「……ふむ、これだけ12個、持ち帰りは出来るか」
「ミリーナ様、魔石と引き換えでよろしければ」「周囲がどんどん倒しているぞ」
「あっほんとだ、黄金の戦士たち凄い凄い、強くてかっこいい! 輪郭だけだけど」
でもあきらかに手練れの動きだ。
「そうですね、召喚された七体も勇者ですから」
「勇者が勇者を呼んだと」「あちらはアニメ『この世界で最後のエルフ』に登場する勇者エネルです、小柄ですが強いですよ」
「あっちにはもっと小さいのが」「子供ですから、アニメ『孤島勇者の大冒険』主人公で12歳です」「うわ、魔物を束にして斬り裂いた!」
あまりの強さに、
シルバーイーグルの皆さんも出番ないな、
いや魔石回収があるか、余裕があるから軽く魔物解体までしてくれている。
「でかい勇者もいますね、ってあれ髪が長くて胸が大きいから女性かあ」
「ダークファンタジーアニメ『サイレントシャドウズ』に登場する『揉み殺しのセツナ』です」「こわっ」
「勇者ですよ一応」「一応って」「残念ながら彼女はDVDもしくはブルーレイを買わないと湯気は」「湯気の話はもういいから」
もういいからと言ったからか、
新しいお茶を注ぎ始めた、温かいのを……
「それは」「ホットジャスミンティです」
「さわやかな匂いですね」「あの~、周囲の魔物が~、全滅したよ~です~」
「えっ?! ほんとだ静かになったね」「この強さなら自動遠隔攻撃も可能かと」「ナオミさん、つまり」「ダンジョンに突っ込ませられます」
ダンジョン攻略かあ。
「方法は」「主催席の方が念じれば」
「だそうですホーリィさん」「私の若い頃を見ているようだわ」
「えっ、あの爆乳の影がですか、黄金の、セツナとかいう」「冗談よ」
今度はパンの皮をちゅーちゅー吸ってる。
「あの黄金勇者たちをダンジョンに突っ込ませるイメージをして下さい」
「はいはい、行ってらっしゃいな」「……あっ、行った行った、はいいけどテーブルの周囲が、影が誰も居ない」
「こういう時のために俺達が」「シルバーイーグルの皆さん、無理しないで下さいね」「大量に来たら俺の出番だ、だからドーナツのおかわりをくれ!」
ブラザさんほんとによく食うなあ。
「ではアップルパイとホワイトソースパイを」
「すまないが、シェイクとかいうのはまだか」「ミリーナ様がお急ぎでしたら」
「私もぉ、いただいたく思っていますぅ」「じゃあ僕もベティちゃんに乗っかって」
というお茶会の間に、
七人の黄金勇者その影は、
ダンジョンを恐ろしいスピードで攻略していたのであった。
「あっ、シルバーイーグルの席も作ったんだ、ふたつ」
「交代で座ります」「失礼します、でもこれ、本当に美味しいですね」
「魔石で購入しておりますので、冒険者ギルドでの清算時、少ないとか思わないで下さいね」
と釘を刺すナオミさんであった。
(ホーリィさん、口の周囲がべったべただぁ)
拭いてあげようっと。
「ナオミさん、タオルか何か」
「豊富にありますよ、ノベルティが」
「なんでも良いから」「では普通のハンドタオルを」
それにしても、
変な模様のタオルだなあ、
人が溺れているのか、いやこれ、大きな顔?!?!
(まあいいや)
後で僕の分も貰おうっと。




