第25話 黄金勇者に任せて☆僕らはお茶会!
「ですか~、そのような武勇伝が~」
「おうよ、俺ひとりで北方のスタンピードを食い止めたようなもんだ!」
「素晴らしぃですぅ~、さすがはS級のぉ、ソロ冒険者さまですぅ~~!!」
喰ってるだけじゃなく口も達者だなこのデブ、
いや盛ってるにしても実力が伴っているならまあいいや、
そして相変わらずドーナツをバグバグ喰う、いやこれ魔石残るの?!
(僕だって今後の生活があるんだよう)
いや何もしていないけど!
あくまでもリーダーとしての意見ね、
頭脳労働中です、ということにしてしまおう。
「ていうかシルバーイーグルの皆さん、結局みんな座っちゃってますね」
「敵が居なくて暇になったので」「切り株を自力で作って運んできました」
「ナオミさん、魔石は足りてますか?」「まだある程度は余裕が、皆さんデザートのシェイクです、バニラ味とチョコ味を」
さんざん甘いドーナツを食べておいて、
何がデザートだって思うのだがみんな大喜びだ、
2種類あるな、ミリーナさんは両方、ブラザさんは、あっ4つ取っちゃった、2個ずつ。
「あーあ、誰の分が無いの」
「ZZZzzz……」「寝てるホーリィさんの分か」
「眠っていてもお茶会が続行している限りは、影は動いていますからご安心を」
つまり、黄金勇者7名は絶賛戦闘中って訳か。
「これ、終わったら戻ってくるんですか?」
「ですね、一応は本人に、影の意思が伝わるはずですが」
「えっ、僕の時は何も感じなかったけど」「伝えたい事が何も無かったのでしょう」
まあ、すぐ引っ込めたからね。
「そういえばミリーナさん」「うむ、なんだ」
「お見合いって、良い条件があれば受けるんですか?」
「よっぽど飛びつきたくなるようなのであれば、可能性は否定しない」
多分、ウチの近い兄は除外されてるな。
「本当に、最後に兄を振っても、領兵をクビにならないように手紙出しておきましょうか」
「さすがにそうなったら冒険者になる、その時はこのパーティーに」「ドーナツ目当てでしょう」
「そうだが何が悪い」「いや開き直られても、パーティー名は『ゆるゆる☆ふわふわ』ですよ?」「あまり気にしないが」
まあ前衛が足りないというか、
本当にちゃんと戦える人が居ないから、
テーブルを出す時間稼ぎ要因は欲しい所だが。
(めっちゃ喰うよな、この巨女お姉様)
いや、その分も魔石を稼げば良い話なのだが。
「俺もいつでも助っ人に入るぜ」
「ブラザさん……」「シルバーイーグルとして是非、友好パーティーに」
「か、考えておきます、これも確かに縁ですし」「嬉しいよ握手だ」「は、はい」
アンさんとベティちゃんを見る。
「お友達が~、出来ましたね~」
「何かあったときにぃ、頼れる方々がいるのはぁ、嬉しいですぅ~」
「ま、まあね、そのあたりは持ちつ持たれつという感じで」「……はっ!!」
急に頭を上げたホーリィさん!
「どうしました?!」「終わったそうよ」
「えっ、じゃあ」「一番下、最下層のボスを倒したみたい」
「ということは」「戻ってくるわね」「でしたらもう帰してしまいましょう、席を」
ということでホーリィさんを抱きかかえると、
主催席にはアンさんが座る、うん、間を置いて影が出てきた。
「お茶会です~」「では曲を戻しましょう」
「オクラホマミキサーってやつにですか」「はい、これが一番落ち着きます」
「……気配が消えたわ」「わかるんですかホーリィさん」「帰ってしまったのね、そして眠いわ」
ナオミさんが何かごそごそと出す、
それをテーブルの下へ設置した、これは……?!
「どうぞノベルティの一人用の簡易テントです、寝袋のようなものです」
「寒そうですが」「では毛布を敷きますね、これもノベルティです」「おお、温かそう!」
「寝かせてあげて下さい」「はい、では……」「その前にトイレに行きたいわ」「それはさすがに私が世話を」
と言ってくれたナオミさんにパス。
「あっ、ダンジョン内ってもう大丈夫ってことですか」
「そうですね、おそらくは全て倒してあると、あの7人でしたら」
「だったら我々『シルバーイーグル』が確認を」「俺も魔石を取ってくる」
立ち上がったブラザさん、
途中でつっかえなきゃ良いけど。
「では私も行こう、貴重なアイテム等をチョロまかす者が居ないようにな」
「ミリーナさんさすが」「監視役ですね~」「お願い致しますぅ~」「これをお持ち下さい」
「なんだこれは」「ノベルティの懐中電灯です、こちらを押すと」「光るな」「行ってらっしゃいませ」
ということで待っている間、
もう僕はお腹いっぱいなんだけど……
あっ、ホーリィお婆ちゃんはちゃんとナオミさんがトイレを世話して下のテントへ入れました。
「では皆さまには食後のコーヒーを」
「後は待つだけかあ」「敵がいないなら~、私たちも行っても~」
「いえ、罠が残っているかも知れませんから」「入って行ったみんなは」「あの人数なら大丈夫でしょう」「にがいですぅ」
ベティちゃんがコーヒーに、
余ったシェイクを混ぜている、
そうか、こういう方法もあるのか。
「それでしたら、ミルクティをどうぞ」
ということで、
お茶会は終盤戦に突入したのでした。




