第2話 お茶会☆で敵が倒れて行く?!
「ジャック様~、昼食はもうお済ですよね~」
「ええっと、朝食を遅く多めに食べて来て、昼食は馬車内で簡単なパンを」
「では~、ベティ様は~」「聖女は小食と決められていたのでぇ、いくらでも食べられますぅ~~!!」
ようやく息を落ちつかせたベティちゃん、
テーブルの下のトカゲ型魔物、これティムされているのか、
それも熟女メイドのナオミさんからお水を貰って落ち着いている。
(それにしてもこの周囲の『影』凄く強いな)
あきらかにこんな所に来ちゃいけないレベルの敵、
ベティちゃんがこんなに連れて来てしまい迷惑だ、
こっちはきっちり防御できているが、早く処理しないと他の馬車がいつ来てもおかしくない。
「では~、軽いスープから~、ナオミ~」
「はい姫」「あっ、も~公爵家から出たので姫では無いですね~」
「わかりましたお嬢様、それでは早速、コーンスープから」「ちょ、それどこから出してるの?!」
空中に手を突っ込んで、
そこからカップに入ったスープを取り出した、
これ伝説の亜空間魔法か何かだろうか、そして湯気が立っている。
(僕ら三人の前に、それぞれ置かれた)
うん、黄金色のスープ、良い匂いだ。
「では~、いただきましょ~」
三人で同時にスープを飲む、
いやこれ美味しい、濃厚すぎる!
このようなスープ、やはり公爵家レベルとなるとこれほどまでのものが……!!
(と同時に周囲が騒がしくなった?!)
見ると黒い影が魔物を攻撃している!
それまでは防御一辺倒で壁役のようになっていたのが、
黒い剣や杖で物理攻撃、魔法攻撃で敵を倒し続けていた!!
(強い、この影の集団、とんでもないレベルで強い!!)
続いて小さなパイが配られる。
「グラタンパイです、中にとある具材が」
ナオミさんに促されて食べると……!!
「あっ、このプリプリした感じは!」
「エビです、マカロニとコーンも入っております」
「美味しいでしょ~?」「美味しいですわぁ~~!!」
いやほんとこの姫、もといお嬢様か、
あと聖女様はなんというかこう、ゆるゆるふわふわ、
そんな感じだな、聖女様が帽子を脱ぐと綺麗な銀髪が。
(このパイ、紅茶にも合うな)
テーブルの下の魔物にもあげているナオミさん、
食べていると影が更に活性化して襲ってきている魔物はあっという間に半分以下に。
「アン姫、いえアン……様」「アンで~」
「じゃあアン……さん、この影っていったい」「お茶会すると攻撃します~」
「なら食べていれば」「ナオミ~、次を~」「かしこまりました、こういうのはいかがでしょう」
そう言ってまた空中から皿を出す、
量は少ないものの香ばしくて良い匂いだ。
「ええっと、これ、穀物?」
「ハーフサイズのチャーハンです、スプーンでどうぞ」
「これもこれで黄金色だね」「たまごチャーハンですから」
いただくと……
うお、刺激があって美味しい!
でもこれ、ちょっと喉が渇くな。
「ううううぅぅぅ」
「あら~ベティ様~、どうなさいました~?」
「こんなに美味しいものぉ、初めて食べましたぁ~!!」
美味し過ぎて感動してるんだ!
この聖女様、森でどれだけ質素な生活を強いられていたんだろう、
教会の世界、上位の聖職者ってそういう所あるよね、我慢が仕事みたいな。
(そしてあっという間に食べきってしまった)
ハーフサイズと言っていたが、
フルサイズでも良かったくらいだな、
現にテーブル下の魔物は大きいサイズを口にドカドカ放り込まれていたし。
「では~、いよいよお楽しみの~、ドーナツタイムです~~」
「それは良いけどアンさん、たった今、最後の魔物が倒されましたよ」
「あらあら~、でもお茶会はお茶会で~」「ま、まってくださぁい、まだ新しい敵が来ますぅ~~!!」
ベティちゃんの見る方向、
魔境の森へ通じる道から新たな敵がやってきた、
しかもあれ、森に封印されているはずの『シャドウ』というやっかいな敵だ!!
(そう、このテーブルを守っている『影』と、同系統……!!)
今ここに居るベティちゃんの村が、
魔法で抑えつけて防波堤となっていたはずだが。
「あれはやっかいですね~」
「アンさん、大丈夫でしょうか」
「今のままだと防げても、攻撃できませんね~、主催を交代しましょ~」
主催?!
と思っていると椅子から降りるアンさん、
見ると僕の座っているのと違って豪華な金色の椅子。
「ベティ様~、こちらへお座りくださ~~~い」
「はっ、はいいぃぃ……これでよろしいでしょうかぁ~~」
「では進行をお願いしますぅ~」「わ、わかりましたぁ、お茶会を、続行しまぁす!!」
そして配られる甘い匂いのお菓子。
「フレンチクルーラーで御座います、まずはこちらのドーナツからどうぞ」
真っ先にパクついたベティちゃん!
すると周囲の『影兵』が一旦地面に引っ込み、
続いて出てきたのは白い、少し眩しい戦士たちだ!!
(これ、光の影というか、白い光の兵士たちだ!!)
そして杖を持った魔法使いが多めだ。
「って『シャドウ』が突っ込んできた!!」
僕のその声を同時に、
光魔法や光の剣で敵を倒す『光兵』たち!
いやはや、凄い数の敵が流れ込んで来てるのに平気で倒している。
(いったいこれ、どういう仕組みなんだ……)
とりあえず僕も『フレンチクルーラー』とかいうのをいただく。
「うっ、こ、これは、う、うっ、うんまああああああい!!!」
すげえ美味しい!
ほっぺたが落ちそうだよ。
「あら~、まだもっと甘いドーナツがありますよ~」
「えええ、ほ、本当に?!」「それはともかく~、ベティ様~」
「あっはいぃ、主催でしたよねぇ~、では改めてみんなで自己紹介しましょ~」
周囲で『シャドウ』と『光兵』が戦っている中央で、
呑気にお茶会は続くのであった、メイドのナオミさんも忙しく紅茶を注いでいる、
なにはともあれ、それぞれについて、きちんと詳しく情報交換をしないとね、知っている部分も、知らない部分も。




