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ゆるふわ☆ぱ~てぃ~! どう見ても冒険者に見えないお嬢様が無双する!!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家


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第1話 婚約者☆に会いました!

「ええっと、確かこのあたりだよな……」


 草原の大きな五差路、

 いくつもの場所への分かれ道となっているこの場所で、

 僕ジャックは婚約者と会って王都で婚姻を結ぶ予定にある。


(十五歳になったので婿入りというやつです!)


 馬車が五差路の真ん中に止まる、

 降りると昼下がりの暖かい、春の匂いが……

 見回すが、どこに居るのやら、見ればわかるとの伝言だが。


「……居た!!」


 五差路から少しだけ外れた草原、

 そこになぜか大きく白いテーブルがあり、

 優雅に紅茶を飲むお嬢様が居た、隣に黒髪の眼鏡熟女メイドが立っている。


「あのー、すみません」

「あら~、貴方が私の婚約者ですの~?! どうぞお座り下さい~」

「あっはい、リーンダース辺境伯家四男、ジャックです、ど、どうも」


 メイドが椅子を引いてくれた。


「わたしく~、ジャック様の婚約者、ミットフォード公爵家五女、

 ジルアン=フォン=ミットフォードと申しますわ~、アンとお呼びになって~?」

「アンお嬢様ですか」「アンで良いですわ~」「じゃ、じゃあ、アン姫で」「アンで~」


 可愛い顔して圧しが強いなあ、

 でもほんと、金髪の可愛いお嬢様、

 なんだか全体的にのんびりというか、ゆるいというか。


「ジャック様、お紅茶を」

「ありがとう、うん、美味しい」

「姫、紅茶のお代わりは」「ナオミ~、お願いしますわ~」


 僕も暖かいお紅茶をいただいている間に、

 ここまで連れて来てくれた辺境伯家の馬車が帰って行く、

 合流するまでの約束だったからね、ていうか彼女の馬車はどこだろうか。


「ええっとそれで、僕は婿に出されたみたいなのですが」

「わたくしも~、ジャック様の所へ嫁入りにぃ~、と聞いております~」

「あれ? 僕は辺境家を出されて」「わたくしも~、公爵家を出されまして~」


 つまり、これってお互いやっかい払いされたってこと?!

 そりゃあ送ってくれた馬車も速攻で引き返して居なくなるはずだわ、

 婿入りとしか聞いていなかった僕、後は相手に、公爵家に任せろと。


(アン姫もウチの辺境伯家に身を任せろって言われてたりして)


 紅茶のおかわりをいただきつつ、

 一応は確認のためにアン姫に再度聞く。


「姫は公爵家に何と言われて来たんですか?」

「ジャック様に嫁入りして~、好きに生きろと~」

「好きに、ねえ」「同い年だそうで~」「あっ15歳なんだ」「はい~」


 ちなみに父上からは『お前の婚約者がようやく決まった』と、

 大まかな情報を教えて貰っただけだ、そういや増えるかもとも言われた記憶が、

 あれってどうなったんだろう、もう戻ってくるなって言われたから聞きようがないけど。


「それで、これからどうするんですか?」

「とりあずは~、もうひとりの婚約者を待ちます~」

「あっ、それって僕の?」「はいぃ~、『魔境の森』からいらっしゃるとか~」


 ちなみに魔境の森というのは、

 この五差路の道からも伸びている先にある、

 強く恐ろしい魔物が巣食う、人の立ち入れない森で、そこを封印する聖者一族が村を造っていて……


(ってあれ? その方向を見てたら、何かやってくるぞ?!)


 こっちに向かって凄い勢いで……

 何かと思ったらあれ、大きなトカゲ系の魔物、

 とはいえ上に誰か乗っている、あの白い装束は確か……!!


「ひょっとして、乗っているのは、聖女?!」

「ですね~、おそらくもうひとりの、ジャック様の婚約者かと~」

「それは良いんだけどトカゲ速っ! ってその後ろから何か来てるぞ?!」


 しかも大群で!

 あれってひょっとして、

 もしかしたら『魔境の森』の魔物じゃないか?!」


「ひゃあああああ、お助けくださぁ~~~いぃぃ~~!!」


 涙目でやってきた聖女様!


「あら~、貴女はもしかして~」

「ベティともうしますぅ~、そして魔物が来ちゃいますぅ~!」

「やっぱり! アン姫、どどどどどうしましょう」「とりあえず~、ベティ様も着席を~」


 いやそんな落ち着いている場合じゃ!

 ベティちゃんが乗ったトカゲはテーブルの下に隠れちゃうし!!

 いやこれ、どうしたらいいんだ、僕のへっぽこ剣じゃあの魔物相手じゃ一匹と相討ちが精々だ。


(とはいえ、何十、いや何百もの魔物が来ている!!)


 馬車の通り道としての要であるこの五差路、

 護らないとウチの辺境伯領だけの被害じゃ済まなくなる、

 いやもう追い出されたとはいえ、罪の無い住民や通行人は巻き込めない!!


「さあベティ様、早くお座りに」


 メイドのナオミさんも、

 三つ目の椅子を引いたまま強い口調に!

 ということは僕も座ったままが良さそうだ。


「で、でもぉ」

「逆にぃ~、座らないと危ないですよぉ~」

「そっ、それでしたらぁ~~、ふえええぇぇぇ~~~」


 半泣きな聖女様、

 うん、この服装は『守り聖者一族』ので間違いない、

 ごくごくまれにウチに挨拶へ来てたから……老人ばっかりだったけど。


(観念したのか座った、そして紅茶が注がれた)


 そしてこのテーブル目がけて突進してくる魔物の群れ!

 いやほんとにどうするのこれ、もうどうしようもないぞ?!


「ではナオミ~、おねがい~」

「かしこまりました姫様、では……」


 何か背を向けてゴソゴソしたのち……!!


「ミュージック、スタート!!」


 その直後、

 テーブルから音楽が聞こえてきた!!


 ♪~~


「な、なんですかこれは」

「オクラホマミキサーというやつです、これでとりあえずは」


 曲とともに、

 白く大きなテーブルの周囲から、

 地面から影がにょきにょき、無数に伸びあがってきた!!


(人型だ!!)


 そしてテーブルを取り囲んだと同時に、

 外向きで襲って来た魔物を次々と弾き始めた!!

 それはさながら、影で出来た真っ黒な戦士たちだ。


「さ~~、お茶会を、はじめましょ~~~!!!」


 えっ、今、ここでーーー?!?!?!

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