第19話 喰えば喰う程☆魔物が倒される!
「続きまして期間限定、カレーパイです」
周囲の魔物残骸を回収し終えたナオミさんが、
新たな食べ物を出してくれた、香ばしい良い匂い、
一風変わったパイだな、恐る恐る食べてみると……!!
「ちょっと刺激的で美味しい、新しい味だ」
「カレーというのは異世界では、私の知る世界では定番の料理でして」
「目が覚めますわ~」「聖女がぁ、食べたら怒られる部類のぉ、強い味ですぅ~」
みんなの感想が流れる中、
あっという間に食べきったミリーナさん。
「済まないが私は2つで頼む」
「わかりました、以後そうさせて頂きます」
皿におかわり追加っと……
敵が、魔物が増えてきたが相変わらず鉄壁の守り、
そして素早い攻撃で倒されていく、それを手際よく回収するミリーナさん。
(普通の魔石だろうけど、大量だ)
そして次のメニューへ。
「オールドドーナツです、少し硬いので」
「うん、なんていうか、オーソドックス?!」
「でも~、美味しいですね~」「こういうのもぉ、普通で良いですぅ~」
でもこれ、
喉が渇くな。
「普通の水はないのか」
「あります、あと冷たい紅茶も」
「何でも良い」「では、アップルジュースをどうぞ」
そんなのあるんだ!
みんなにも透明なコップに注がれる、
飲むと……甘くて美味しい! すごいの出てきたなこれ。
「ふむ、これは毒だ、いやそれくらい美味いということだ」
ミリーナさんのよくわからない褒め言葉きたこれ。
「あらぁ~、大きな蛇の魔物がぁ~」
「Bクラス案件だぞ、匂いに釣られて来たか」
「大丈夫です~、ほら~」「あーあー、簡単に倒しちゃった」
魔石も普通のより大きそうだ。
「では次のドーナツを、チョコなどいかがでしょうか」
「うわ、あきらかに美味しそう!」「リングチョコドーナツとWチョコドーナツです」
「Wチョコとは」「二種類のチョコをかけてあります、濃厚です、ミリーナ様には2つずつ」
うん、濃い!
そして、あんまぁーい!!
いやこれ美味しいけど、お腹に溜まるなあ。
(昼食は、遅い目にしなくちゃ)
いや、むしろこれが早めの昼食でも良いくらいだ。
「……ようやく、おやつらしい量になってきたな」
「えっそうなんですか」「まだまだ入るぞ」「だそうです」
「では黄金チョコドーナツとココナツチョコドーナツを、どうぞどうぞ」
さすがにハイペースだ、
それでも倍食べるミリーナさん、
そっと僕のを半分に割ってミリーナさんのお皿へ。
「済まないな」「いえ、どうぞ」
「それでは皆様、ここで清涼感を、メロンソーダです」
なんか緑色だ、
泡がしゅわしゅわしている!
「……これもこれで、甘い!」
「いや皆が平然と食べているが、いまAクラス案件のコカトリスが突っ込んで来ていたぞ」
「でも~、もう倒してしまいました~」「そんなことよりもぉ、お茶会を楽しみましょ~」「そうか」
あっ、ミリーナさん納得しちゃった!
いや消化したとでも言うべきか、ちなみにコカトリスの屍骸も仕舞われる、
闇魔石が期待できないとはいえ、普通に大きい魔石でそこそこ稼げそうだな。
「良いんですかミリーナさん、色々と突っ込まなくて」
「ジャックよ、今はドーナツが最優先だ」「そ、そうですか」
「今、私はジャックに嫁入りするのも悪くないと考えてしまったぞ」「やめて下さい怒られます」
あと僕が怖い。
「みなさん、まだまだ食べられますか?」
「んー、僕はそろそろ」「大丈夫です~」
「行けますわぁ」「もっと遠慮なく出してくれ」
少し考えたのち、
大きなバケツみたいなのを中央に出したナオミさん、
その籠の中には沢山の、例の小さく丸っこいドーナツが山盛りに!!
「ポップドーナツ80個です、食べたい分だけどうぞ」
女性陣が次々と手を伸ばす、
僕もおつきあいで2個くらい頂こうかな、
ミリーナさんはむんずと手づかみ、男前だなあ。
「あっそうだ、お茶会なんだから、ちゃんと会話もしないと」
「そうだな、ジャック、辺境伯領を出ても、きちんとやって行けそうか」
「この召喚魔法があれば、テーブルを出す手間は必要ですが」「理解して貰う必要があるな」
この見た目だと、
まず門前払いの心配からだ。
「やっぱり嘘でも冒険者っぽい服装は必要でしょうか」
「だな、剣士装備、魔法使い装備、聖女装備、ポーターバッグ」
「今回ので~、買えそうです~」「やはり聖女の杖はぁ、お高いのでしょうかぁ~」「これならすぐだろう」
今も取り囲んできたトカゲ型の魔物をガスガス倒している。
「じゃあ街を出る前に、ここで買って行こうかな」
「王都へ急ぐのであれば、到着してからでも良いとは思うが」
「ゆっくり~、参りましょ~」「ですねぇ、のんびりぃ、旅を楽しんでぇ~」
ゆるふわだなあ、
アンさん&ベティちゃん。
「ナオミさんの意見は」
「姫に、いえお嬢様に従います」
「まあ、最低限の冒険者装備は後で買いましょう」
そうこうしているうちに、
周囲を騒がせていた魔物の猛攻が終わった、
これでもう安心かな、とここでアンさんが僕を見る。
「では~、そろそろジャック様と~。交代を~」
「あっ、僕が主催席に」「どんなのが~、出るのでしょうね~」
ということでチェンジ、
大丈夫かな、あたりは静かだけど。
「ミリーナさん、ガードが交代するので警備を」
「そうかわかった、周囲に気を配ろう」「お願いします」
僕が主催席に座ると、
影兵が一気に引っ込んで、
代わりに出現したのは薄い影、って一体、いや一人?!
「なんですか、このクネクネしたやつは」
「はい、異世界のテレビアニメに登場した主人公の男の子ですね」
「テレビ……アニメ?」「タイトルは『セクシーカポエイラ・がんばれオサムくん』です」
誰ええええええ?!?!
「あっ、手に何か持ってる」
「海藻を投げて攻撃します」
「強いの?」「敵を煽るだけですね」
僕がドーナツを食べると、随分と遅れてやってきたウサギの魔物に、
ぺしっ、とその海藻、いや海藻の影だが、それを投げぶつけた!
あっ、ウサギの目が赤くなって突進してきた、それをミリーナさんが……!!
「はあっ!!」
「ピギーーッッ!!!」
軽く倒しちゃった。
「ええっと、僕じゃ駄目ですね、交代を」
「では私が座ろう」「ミリーナさんが?!」
「何が出るか楽しみだな」「怖くもあります」
さあ、一体何が飛び出すのやら……?!?!




