第20話 巨女の召喚☆出てきたのも巨女!
「ええっと、僕が岩に座るのか、ってこれゴツいなあ」
「クッションをどうぞ」「あっナオミさん、ありがとう」
「いえ、ノベルティですから」「だからそれ何」「お店からのプレゼントです」
うん、座り心地が一気に変わった。
「ここへ座れば良いのだな?」
「はいミリーナさん、壊さないで下さいね?」
「大丈夫そうだが……変な影が引っ込んだな」「僕が呼んだんですから」「では、茶会を再開しよう」
そして出現した新たな影は、
えっ、濃いピンク?! しかも多数、
取り囲むように、しかもこれって、みんな巨女だ!!
「なんだか凄いのが出てきましたね」
「それよりそろそろデザートを、バニラシェイクです」
「あっ、冷たい」「熱めのコーヒーと一緒にどうぞ」「ミリーナさんにはちゃんと2個だ!」
スプーン付き、
これで掬って食べるのか、
うん、甘くておいちい、美味しい、ではなく、おいちい。
「あら~、桃色影の皆さんが~、そわそわしています~」
「あっ、移動しましたぁ~、これはぁ、隠れている魔物を掘り起こしてますねぇ~」
「沸いて来ないから、自分で行っちゃってるんだ!」「ふむ、私の分身らしいな」「えっ、そうなんですか?!」
軽く首を左右に振るナオミさん。
「いえ、例えばこちらのピンクの影、深夜アニメ『くノ一ハニートラッパー』に出てくる、
巨女忍者の『箱丸』です、ちなみに某CS333チャンネルでは湯気が取れます」「何の話ぃー?!」
「あとこちらはテレビゲーム『ドラゴンウォー・スカイラブ』の巨女ドラゴン騎士の……」「それぞれ違うんだ」
わざわざ引っ張り出して、
爬虫類系の魔物を倒してら。
「んっとミリーナさん、僕らの戦い方はこんな感じです」
「よーくわかった、これなら溢れてくる魔物には対応できるな」
「例の、スタンピードが起きるダンジョンの入口で待てば」「中へは入れないのか」「ナオミさん」
少し難しそうな表情だ。
「ダンジョンの中に、テーブルを広げられるスペースがあれば」
「そこから離れて奥へは、今のピンクの影のように」「距離に限界があるかと」
「深くは無理ということか」「これが魔力の強い聖女であれば、もしくは勇者クラスであれば」
二個目のバニラシェイクを食べ終え、
コーヒーを飲み干して両腕を組むミリーラさん。
「……待ち構えるのであれば、食欲旺盛な高レベル冒険者を集めよう、
騎士団で一番食欲のある同僚にも声はかけられる、だが奥へ手を打ちたいのであれば」
「聖女だとベティちゃんかな」「頑張りますぅ~」「勇者は」「それだがな、今ここで言うべき事では無いかも知れないが」
ミリーナさんがそう言って神妙な表情だ。
「何でしょうか」
「実は私に縁談が四件来ている」
「そんなにですか」「全て断るつもりだが、領兵をクビになるかも知れない」
それを聞いてピンと来た。
「あー、僕の近い兄がミリーナさんに熱心でしたからね」
「奴はお断りだ、可愛げが無い」「ま、まあ」「一件はそれだろう、でだ、もし解雇されたら」
「違う貴族の領兵に?」「いや、冒険者となって勇者を目指そうと思う」「それは凄い」「よって私であれば、何とか出来るかもな」
確かにミリーナさんなら、
ソロ勇者でもやっていけそうな気がする、
何より勇者になれる素質は間違いなくあるだろう。
「そのお話なのですが~」「アンさん?!」
「ど~しても、試してみたいことが~」「いったい何を」
「ダンジョンへはいつ~」「ミリーナさん」「私はこの後、午後でも夕方でも明日でも構わないが」
それを聞いて頷くアンさん。
「では~、先方にお伺いを~」「先方って」
「ジャック様にも~、お手伝いをしていただきたいです~」
「僕に出来ることであったら、まあ、何でも」「無理だったら~、すぐに引き返しましょ~」
いったい、何を企んでいるのだろうか……?!
「おお、ジャックよ、ピンクの影が巨大ワームを引っ張り出してきたぞ」
「ほんとだ、これは凄い」「この影は近未来アニメに出てきた巨女刑事ですね」
「だからアニメって」「こちらの世界、異世界の話です」「そうか、そのメイドは異世界人か」
今更だけど、
知られちゃってもまあいいか。
「どうか内密に」
「ドーナツを楽しみにしている」
「ナオミさん」「はい、12個入りを4パック」
魔石も十分稼いでるから、まあいっか。
「あのぉ~」「はいベティちゃん」
「眠くなちゃいましたぁ、戻って仮眠を取りたいですぅ」
マイペースだなあ、
このゆるゆるふわふわ聖女。
「じゃあ夕方、再集合で」
「では、ダンジョンまで露払いできる冒険者グループを探しておこう」
「でも依頼料は」「緊急事態だ、領主から出るだろう」「何なら父上に手紙でも」「間に合うか?」「あっ、ま、まあ形だけでも」
ということで、
テーブルを仕舞って冒険者ギルドへと戻るのであった。
(それにしても、アンさんの企みって何だろう?!)
まさか……主催席に、
あの黄金の椅子に、二人で座るとか???
まあいいや、すぐわかるだろう、僕はお願いされた通りの事をしようっと。




