第11話 パーティー名☆決定!
辺境伯領の玄関口、
まあ僕からしたら出口というか、
領地沿い最後の大きな街グラナスの冒険者ギルドで絶賛、登録中である。
「では皆さんの身分証明書を」
「あっはい、まずは僕の、あとは」
「わたくしと~、メイドのナオミのですわ~」
確かメイドも上位貴族だとメイド身分証がある、
ウチだとメイド長クラスだけだったけれどもね。
「あのっ、私は村長のお手紙がぁ~」
「読ませていただきますね、ふむふむ」
「ここの町長が、男爵が」「聞いておりますわ」
色々と書き写している。
(ということは、大丈夫そうだな)
しばらく待つとみんなに紙が配られる。
「ではフルネームと冒険者名、あとクラスを、
それとリーダーの方はリーダーに、サブリーダーの方はサブリーダーにチェックして下さい」
「ええっとリーダーは」「ジャック様で~」「ジャックさまでっ」「だそうです」「わっかりました」
思わず『わっかり』とか言っちゃった、
□リーダー のところにチェックを入れて、っと……
見るとアンさんが □サブリーダー にチェックしてる、ベティちゃんも見て確認した。
「あっ、ベティちゃんってフルネームあるの?」
「はいぃ~、『ベティ=マザー=ブルーグース』ですぅ~」
「そんなフォンの位置に、よりにもよってマザーって」「聖女限定ですぅ~」
冒険者名はまあジャック、アン、ベティ、ナオミで、
問題はクラス、冒険者としての職業だ、まあ僕は剣士でいいや。
「受付さん、確か『聖女』ってクラスは無いんでしたっけ」
「そうですね、その場合は『賢者』とお書きいただければ」
「だってベティちゃん」「書きましたわぁ~」「それて『召喚士』というクラスは」
奥から分厚い本を出してくる受付嬢さん。
「……ありますが登録は二百年以上ありませんね」
「えええ」「審査がまずありまして、登録すると王都に呼ばれるかと」
「どうしようアンさん」「ポーターにぃ~、いたしましょ~」「はいお嬢様」
厄介事は回避か、
まあ荷物持ちなのは変わりないからね。
「そんなアンさんのクラスは」
「魔法~、使いで~、行きましょ~」
「ま、まあある意味であれも魔法みたいなものか」
ということで、
剣士・魔法使い・賢者・ポーターのパーティー爆誕である。
「はい、では皆さんのを回収しますが、
最後におパーティー名の方を」「おパーティーって!」
「ジャック様~」「じゃっくさま~」「つまり、リーダーに決めていただいたいそうです」
僕がかぁ。
「う~~~ん、客観的に見てこのパーティー……」
公爵令嬢の美人かわいいゆるふわ魔法使い、
聖女であるやさしいかわいい系ゆるふわ賢者、
黒髪眼鏡熟女メイド(38)はキリッとしているものの……
(これ、完全に『ゆるふわ×2』だぁ)
と、いうことでぇ……
「この別の紙に書けば良いんですね?」
「はい、さあどうぞ、どうぞどうぞどうぞ」
……よし、これでいっか。
「できました、パーティー名は……『ゆるゆる☆ふわふわ』でっす!」
「素晴らしいです~」「良い名前ですねぇ~」「とても冒険者とは思えませんが」
「ナオミさん、何を今更」「はい受け取りました、訂正があるなら今ですよ?」「みんなミスとか無いよね」
無事提出、っと。
「はい、では冒険者カードを造らせていただきますが、お急ぎでしょうか」
「急いでないならいつ」「ちなみに現時点では最低のGクラスからスタートとなります」
「あっ冒険者のランクね」「何もなければGクラス、明日夕方発行です、何もなければですが」
……あっそうか、
このタイミングで渡すのか。
「少ないですが」
スッと銀貨四枚を出す。
「これはこれはありがとうございます、
ではFランクスタートですが依頼をひとつでもこなせばEランクに上がります」
「やっす!」「冒険者カードは本日の夕方には、すぐ依頼をこなしたいのであれば仮の証明書を」「一応ください」
冒険者ランクって、
お金で買えちゃうんだ……
まあ貴族限定、男爵の口利きもあったからね。
(何はともあれ、これで晴れて冒険者だ)
手書きの証明書をさらさらと書いて貰って受け取る、
って一枚かよ、見ると四人分まとめてくれてあるらしい。
「では、裏口からこっそり帰られますか?」
「なんでそんな」「ロビーは少々、殺気立っておりますから」
「あー、確かに変なのに絡まれたら、へっぽこ剣士な僕じゃあ無理か」
ナオミさんに、
いちいちテーブル出して貰うの面倒だし。
「いっそ護衛の冒険者を雇うというのは、いかがでしょう」
「ごめんなさい、そこまで『貴族の道楽』みたいなパーティーではないので」
「では」「一応、今回のその、一番最優先となるクエストを教えて下さい」「わかりました」
説明だけでも、
きちんと聞いて把握していこう。
「あとついでにFクラス、
いえ『ゆるゆる☆ふわふわ』の皆さんに適したクエストも」
「ええっと、まあいいや、お願いします」「では、お時間を頂戴致しますね」
仕方ない、
狭いけど待たせて貰おうっと。
(ゆるゆる☆ふわふわ、の皆さんかあ)
うん、もうこれ以上、
パーティーメンバーが増える気がしないねっ!!
一応は僕らも、本気で冒険者をやっていくつもりなんだけどなぁ。




