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28/32

28、海物語




ここはスナック。美香のいるスナックだ。美香とアキラと修人、三人で飲む。



「で?で?どうなったの?それから?」


カランとグラスの氷が鳴る。


「で?清美ちゃんて可愛いの?」


「今じゃないでしょ!そこは!」


「今じゃないでしょ!って○先生の逆行ってんなー・・・」


隣の席のカラオケがうるさい。



「もーう!皆んなバラバラに喋んないでよ!海生君よ!どうなったの!それから?」


「あぁ、ヤツは始め、信じなかった。碧海の幽霊の事を・・・」


「でしょうねー」

「だよなー、普通、」


「でも、碧海が話す内容がさ、あまりに詳しいモンだからさ、いろいろ質問とかして来てさ、で、碧海が詳しく答えると、だんだん信じ始めたんだよ。碧海の存在をさ・・・」




「マジで、碧海なのか?」



…うん…



「こんなことって・・・」



…私も始め、ビックリした…



「そうか・・・」



…海生君、…



「ん?」



…私のお父さんの想い、継いでくれたんだね…



「あぁ・・・」



…ありがとう、…






「何なに?お父さんの想いってなに?」


美香は修人の胸ぐらを掴んで離さない。


「オイオイ、落ち着けよ。あのな、実はな、碧海のお父さんは、ライフセーバーだったんだよ。実は碧海が海で溺れた時、お父さんはそのビーチのライフセーバーで、碧海が溺れる直前に、別の場所でも救助を必要としている人がいて、お父さんはそこに向かった。救助活動を終え戻ってきた時にはもう、碧海は・・・」


「え?・・・そんな・・・」

「マジかよ・・・」


「まだ続きがある。碧海ん家と海生ん家は近所でさ、家族ぐるみの付き合いでさ、その日のビーチも二家族一緒に行ってた」


「え?って事は?」

「マジかよ・・・」


「あぁ、碧海と海生は、一緒に、泳いで、たんだ。碧海は、海生の、目の前で、・・・溺死した」

美香は思わず口を抑える。

アキラも俯き首を振った。



「碧海のお父さんは悔し涙を流しながら、海生に言った。『ライフセーバーになってくれ。海難事故なんて、絶対に起きてはならないんだ!』海生は泣きながら誓った。『はい』と、」


美香の瞳から涙が・・・。

アキラも項垂れている。





…海生君、あの木、覚えてる?…



「あぁ、忘れる、もんか、」



…木の陰で、キス、したよね、嬉しかったよ…



「あぁ、・・・俺も、」



…本当?…



碧海は意地悪く海生を見た。



「本当さ。・・・あの木、もう、ないんだ」



…え?…



「新校舎に建て替えられてさ、あの木も撤去された」



…そう・・・…



「見に行ったんだよ。撤去工事。枝も切られてさ、行かなきゃ良かったよ。アレ思い出すたび、泣けてくる」






「海生は碧海のお父さんの想いを継いだんだよ。ライフセーバーになった。俺見たけど、スゲー数の資格だった。あの資格見たとき、皆んなの、想いが、スゲー、伝わってきたよ」


「すごい人ね、海生君て」

「あぁ」



「最後に碧海はこう言った」







…もう、誰も、死なないで、…







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