↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/87

宝剣イリス(5)

昼食後、俺達はお茶を頂いていたところで、ウィンリッヒが話を始めた。


「そういえばオーキ、お前宛にルクスブルグから手紙が来てたぞ」


「手紙?」


「ほら、これだ」


そう言ってウィンリッヒは、オーキにその手紙を差し出した。


オーキがそれを開封し中を確認する。すると、露骨にその表情は嫌悪を剥き出したものに変わった。


「げ…また研究員の勧誘かよ…」


「そういえば、前にもルクスブルグから勧誘があったっていってたな」


俺がそう言うと、ウィンリッヒがその事について補足してくれた。


「ウチのラピスはこういった研究の類は不得手でね、代わりにその息子のオーキにお呼びが掛かるんだ」


「ちょっとウィン!!私は別に研究が出来ない訳では無いのです!! ただ、性に合わないというだけで…!!」


「苦手なのには変わりないんだろ?」


「う…むぅ…」


ウィンリッヒの言葉に、ラピスは言い淀む。


「面倒くせぇ、さっさと断…いや、待てよ?」


「?」


「これ…ちょっと受けてみようかなって思ってさ…」


「は?」


「だってさ、これチャンスじゃね?ルクスブルグの懐に潜り込めるんだぜ?そこでいろいろやりたい放題だぜ?」


「詳しく」


俺がそう言うと、オーキが説明を始めた。


誘いを受けたオーキが研究員としてルクスブルグに潜入し、そうすれば中で色々と情報を集めたり、俺達を中から手引きしたり出来るとの事だ。


「な?悪くねぇだろ? そうすれば出来ることがいくつかある」


・一つ、勇者召喚の儀の資料の奪還。


これを奪い、何かしらのバックアップ諸共抹消出来れば、ルクスブルグは勇者を召喚する術を失い、勇者召喚で戦力の増強するのを防げる。


・二つ、ルクスブルグの魔族との繋がりを調べること。


ルクスブルグはアイオーンが魔族との繋がりがあったとして侵略を開始した。もしルクスブルグに魔族との繋がりがあり、それを広める事が出来れば、その大義名分を失い、ルクスブルグはその事を各国から非難されるだろう。


そうなれば、現状魔族との繋がりがあると吹聴されているアイオーンの立場の回復に繋がり、他国からアイオーンへの支援がやりやすくなるかも知れない。


・三つ、それはグランディンの暗殺である。


現状ルクスブルグと繋がりがある可能性があるグランディンは、ルクスブルグ城にいる可能性がある。研究員として潜入したオーキが手引きすれば、容易に暗殺する事が可能かもしれないのだ。


「もしこれでグランディンを暗殺出来れば、それでこの戦いはジエンドだ。どう、良くね?」


そのプランを聞いたディンが、腕を組みながら鼻で嗤う。


「ふん、それであの偽物を倒せても、次は我が次の魔王に返り咲くだけだがな」


「…お前今、クウゴに生殺与奪の権握られてるの忘れてね?力封じられて、瞬殺よ」


「煩い!! くそっ、力さえ戻れば…!!」


忌忌しげにディンが唸った。


確かにそうなれば、悪くない話だ。しかしそれでは、


「もし失敗したら、お前の実家(セレスワイズ)にかなり迷惑が掛かるんじゃ…最悪ルクスブルグに潰される可能性も…」


「その点は心配しなくて大丈夫です」


俺の懸念に返してきたのは、ラピス夫人だ。


「仮に失敗してウチに攻めて来ようとも、私一人で返り討ちよ。ふふふ…久し振りに腕か鳴るわ」


「ええ…」


邪悪な笑みを浮かべるラピス夫人を見て、俺は絶句した。


「…お前の母親、どうなってんだ?」


俺は小さくオーキに耳打ちすると、オーキは肩を竦めた。


「まぁ、歴代セレスワイズ当主の中でも、特に血の気の多い問題児だったそうだし? この分じゃ親父が貰わなかったら、今頃嫁の貰い手なんって痛だだだだだだだ!!!!?」


オーキが言い終わる前に、ラピス夫人が後頭部をアイアンクローで掴みそのまま吊り上げた。


「誰が!!何だってぇ!!?」


「そういうとこだろうがクソババア!!」


こうして、俺達の次の目的は、ルクスブルグ潜入に決定した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。