力を求めて(5)
ヴォルカの街に入ると、俺達は早速腕利きの鍛冶士を探す事にした。
鍛冶の街というだけあり、街中は金属を打つ様な音があちこちで聞こえ、街中の建物は鍛冶屋らしき物が多く見られ、それらしき家々からいずれも煙が立ち上っていた。
「じゃあまず、ギデオンさんが言ってたマグヌス・バルカンさんとやらを探してみるか」
俺がそう言って、街の人に訊いてみると、何とマグヌス氏は数日前に謎の奇病によって倒れているとの事だ。
マグヌス氏だけではない。この街でその正体不明の奇病が流行っていて、何人もの職人達が病に苦しんでいるのだと言う。
「おい!!道を空けてくれ!!」
そう言って、病人らしき人を抱えた者が診療所らしき場所へ駆け込んだ。
「これは、剣の製作を頼むどころじゃないな…」
俺がその様子を見てそう言うと、オーキは目を見開き先程の病人を凝視していた。
「あれは…」
「? オーキ、どうした?」
俺がそう言うと、オーキが神妙な顔で話し始めた。
オーキ曰く、あれは誰かの魔術による呪いであり、誰かが悪意を以てこの街にばら撒いているのだという。オーキは先程担ぎ込まれた病人の容体を見て、それを看破したとの事。
「どこかに術者がいる筈だ。すぐに探すぞ」
そう言ってオーキは、すぐさま街の中を駆け出した。
「お、おい!オーキ!」
俺達もその後に続いていて駆けていった。
(この辺りで感じるな…)
俺はヴォルカの近くにある、海岸に来ていた。感知した結果、この海岸の辺りで何やら妙な魔力を感知したからだ。
「おい!オーキ、待てよ!」
そこに、クウゴが駆けつけて来た。それに送れてディンとソニアも駆けつけて来る。
「オーキ、どうしたんだ?何かお前らしくないぞ?」
「…すまねぇ、魔術の呪いによって死んだ人間をよく知っててな、それでつい、な…」
「それって…」
「…俺だよ」
「は?」
「!! こっちだ!!」
「お、おい!!」
俺は魔力を感知した場所へ駆け出し、それに続いてクウゴ達も追従した。
(このあたり…あれか!!)
俺は海岸を走っていくと、波打ち際にあった『何か』に目が止まった。それが、俺が感じた魔力の正体だった。
それは、うつ伏せの状態で波打ち際に倒れ伏した、少女だった。
「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
俺が直ぐさま駆け寄り肩を揺する。が、返事は無かった。どうやら脈はある様だが、意識を取り戻す気配は無い。
「くそっ…!!」
俺はその子を担ぎ、こちらに向かってくるクウゴ達と合流して、一旦この街の診療所に駆け込んだのだった。




