力を求めて(1)
「クウゴ、それから皆さん、この度は本当にありがとうございました」
アイオーン城の大広間にて、リタ王女が俺達に頭を下げた。
アイオーン解放後、俺達はすぐにリタ王女をアイオーンに送り、こうして今は城の応接間へと通されていた。
「クウゴ…あの時、助けて貰っておきながら貴方に酷い事言ってしまって申し訳ありませんでした。貴方こそ真の勇者ですわ」
「いえ…俺はそんな…」
リタ王女が労ってくれているが、とてもじゃないが喜べる気分ではなかった。恐らく今、自分はとても酷い顔をしているのだろう。
それを察して見かねたのか、ソニアが話を切り出した。
「そ、それにしても、これから大変ですよね。アイオーンの城の人達も大分減ってしまったって聞きましたし…」
ソニアの言うとおり、今回の侵攻によりアイオーンは致命的なダメージを受けていた。
アイオーン王族はリタ王女を除いて全滅、家臣もかなりの数が戦死したと聞く。復興はかなり骨が折れるだろう。
「そうですわね…ですが、必ず復興してみせますわ。父上達に報いる為にも、必ず!」
リタ王女は決意する様に言った。そこでオーキが提案した。
「エルーシャやグラナに掛け合ってみようぜ、ルクスブルグが睨みを利かせてる恐れがあるから、表立っての支援ってのは出来ねぇかも知れねぇけどさ」
「まぁ…済みません、何から何まで。ところで、皆様はこれからどうなされるつもりですか?」
リタ王女が尋ねると、そこで俺が口を開いた。
「これ以上ルクスブルグを放置できない。このままルクスブルグへ…」
「それはまだ止めた方が良いんじゃないか?」
俺を遮るようにオーキが口を挟んだ。
「お前から聞いた話だと、ルクスブルグは魔族、それもあのグランディンと繋がっている可能性がある。もしルクスブルグに赴けば、戦闘するかも知れない」
「だから!!このまま…!!」
「勝てる確証はあんのか?向こうには本人かは分からないが、あの大魔術士ハマドウもいたんだろ?それに向こうには勇者召喚の儀がある、今回喚ばれたのはヘボだったみたいだが、次はこうはいかないかもしれない」
「う…」
「そこで提案だ。ここいらで、戦力増強と行こうじゃないか」
オーキがそう言って、俺に指を差し、こう続けた。
「クウゴがあのグランディンの魔剣と打ち合える剣を探す。当面はこれを目的としたい」
確かにそれは重要だろう。あのグランディンの魔剣の恐ろしさは、俺もよく知っている。偽グランディンがそれを振るえるとなると、対策は必須だろう。
しかし、今もこうして魔族の侵攻は各地で行われている。それを無視して剣探しとは些か悠長ではないだろうかと、俺は思った。
「この戦い、お前がグランディンを倒せればそこでゲームセットだ。それで早期終結を狙えるならお前が確実に勝てる様に戦力強化は優先するのは悪くないと思う。それに、俺達はこれでエルーシャ、グラナ、アイオーンに帰還魔術の魔方陣を設置できた。何かあればすぐに行けるさ」
「…確かに、そうだな。でも、当てはあるのか?」
「そこは…これから情報集めだな」
「あの…少しよろしいでしょうか?」
そこで、リタ王女が口を開いた。
「? もしかして、リタ王女は何か強い剣の情報が?」
「いえ、剣では無いんですけど、戦力増強という点で、少し提案がございまして…」




