残された謎(2)
その後、グラナ城謁見の間にて。
「何と礼を言ったら良いのか、本当に感謝する」
グラナ国王が玉座から立ち上がり、その眼前に立つ俺達に向かって頭を下げた。
坑道から出た俺達は、報告すべき事を伝える為にグラナ国王と謁見していた。この国であった事、坑道の石碑について、有事の際にいつでも来れる様にと魔方陣の設置の進言、全部伝えた。
「この国でそんな事が…分かった、その石碑は此方で管理させよう。魔方陣の設置も許可しておく、いつでも来ると良い」
「ありがとうございます。エルーシャ王もご心配されておりました、ご連絡された方がよろしいかと…」
「そうであるな…よし、すぐに送るとしよう」
そうして俺達は、グラナ城にも緊急帰還魔術の魔方陣を設置して、グラナを後にした。
そして、拠点に戻ってくると、オーキが次の準備に必要な物を買いに道具屋に行ってくる、と言って出て行った。
俺はエルーシャ王にグラナの件を報告したいので、これから緊急帰還魔術でエルーシャに跳ぶつもりであった。
「…」
「…」
俺一人でも大丈夫であったが、険悪な雰囲気のディンとソニアだけを残すのはどうかと思い、俺はディンを連れて行く事にした。まだエルーシャ王にはディンに会わせていない為、その紹介も兼ねてだ。勿論、魔王である事は伏せるが。
「じゃあ、行ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃい…」
俺はソニアに伝えると、俺とディンはエルーシャに跳んだ。
エルーシャ城の魔方陣の設置された部屋にて、俺達が現れると、見張りの兵士達が俺達へと向き直る。
「おお!貴方は!」
その兵士の1人が此方に駆け寄ってきた。俺はその兵士に一礼する。
「お久し振りです。早速ですが、陛下にご報告があり謁見したいのですが宜しいですか?」
「グラナの件ですね…畏まりました、ご案内します」
そうして、兵士の案内により謁見の間へ向かった。
「成る程…グラナでそんな事が…」
エルーシャ王が俺の話を訊きながら呟く。そしてその隣には、騎士団長のギデオンが立っていた。
「近い内に、グラナ国王からも連絡が来ると思います」
「そうか…ありがとう。君には本当に感謝しているよ」
そう言って、エルーシャ王は笑みを浮かべた。
「ところで、其方の君は一体…」
エルーシャ王の視線が、ディンの方に向けられる。
「俺達の旅に同行してる新たな仲間です。今日はその…顔見せで連れて来ました」
「我はグラ…」
「ディンです!!以後お見知り置きを!!」
グランディンと言いそうになったディンを遮り、俺は慌てて伝えた。
「そ、そうかい。よろしくディン君…さてクウゴ君、突然話が変わるが、君は次はアイオーンに行くつもりかい?」
「はい、そのつもりです」
俺は頷いた。
エルーシャ、グラナと続いて魔族侵攻を阻止する為に国々を回っていた俺達だったが、エルーシャ王の言う通り次はアイオーンに飛ぶつもりでいた。
「それについてだが、実はアイオーンについて、君達にも伝えておきたい事があって…」
そうして、エルーシャ王が話し始めた。
「…は?」
その話を訊き、俺は愕然とした。




