↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/94

2度目の召喚(1)

月日は流れ、俺は高校3年になっていた。


あれからは特に何事も無く、平穏な日々を送っていた。学校で勉強したり、友達と駄弁ったり、退屈だが穏やかな日常を。今もこうして、いつもの時間に家を出て、通学路を歩いていた。


だが、今でもたまに思い出す。あの、夢みたいだが、夢にしては酷く鮮明な、異世界での冒険の記憶。


あの時病院で目覚めてから、俺は向こうで使えていた魔術等の異能が全く使えなくなっていた。


それもその筈、俺の胸に刻まれていた、勇者紋(ブレイヴサイン)が消えているからである。


勇者紋(ブレイヴサイン)。勇者召喚の儀により召喚された勇者に刻まれる加護の証、文字通り勇者の紋章だ。


通常俺の様な、こちら側から召喚された人間には、魔術みたいな魔力を必要とする技能は使えない。魔力を生成する器官、魔臓(ブースター)が存在しないからだ。


勇者紋(ブレイヴサイン)は、その魔臓(ブースター)の代わりとなり、異界の人間である俺に魔力を行使する力を与えてくれる。言わば、外付けの魔臓(ブースター)だ。


その勇者紋(ブレイヴサイン)が失われてしまった以上、俺に魔力は扱えない。だが、その事自体は大した問題ではない。


仲間達と作ってきた大事な思い出が、無かったことになったような気がして、それが、酷く哀しく、悔しかった。


(やっぱ、夢だったのかな…?)


そう思いたくは無かったが、今となってはもう、確かめる術はない。


俺は考えるのをやめ、学校へ歩を進めた。


だがそこで、異変が起きた。


世界が、静止した。


行き交う通行人や自動車が、突然その動きを止め、俺の周りは沈黙が支配した。


「うぁっ!!?」


戸惑う俺の足下が急に沈み、落下する様な浮遊感が、俺の身体を襲う。


俺の身体が落ちていく。この感覚は、前にも体験していた。


(まさか…また!?)


行羽空吾(ユクバネクウゴ)、人生2度目の異世界転移である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。