決戦(1)
「魔王十字衝…!!」
グランディンが魔剣を振るい、十字の斬撃波が俺達に襲い掛かる。
俺とディンはそれを横っ跳びに身を躱した。
「七星以外も使える様に…!!」
「馬鹿の一つ覚えに星を落とすだけでは無くなったか」
ディンが皮肉を吐き捨てると、グランディンに右手を翳した。魔王権能を使うつもりの様だ。
グランディンは魔剣を振るい権能の力をかき消そうととする。しかし、
「!!」
その自由は既に失われていた。
この部屋に入る前に、ディンが既に幻召魔身でアルケーを呼び出して、操身の結界の準備をしていた。そしてその準備が今、完了した。
操身の糸がグランディンの動きを縛り、これでもうグランディンはまともに動けない。俺はグランディン目掛け斬り込まんとし、イリスを振り上げた。
「ディバイド…!!」
「魔王権能、爆ぜ…!!」
俺達二人は技を叩き込もうとした。しかし、
「…それはもう懲りたよ」
グランディンが右腕の糸を引き千切り、魔剣を床に突き立てた。
「魔王烈震!!」
すると、グランディンの周囲から衝撃波が迸り、俺達二人は技を出す前に吹っ飛ばされた。同時にアルケーも、操身の結界ごと破壊される。
「ぐおぁっ!!」
「ちぃっ!!」
俺とディンは床に転がされる。そして、身体の自由を取り戻したグランディンは、ディンに向けて走り出した。
「ディン!!」
俺はグランディンの方へ走りながら鞘に魔力を込め、イリスを鞘に収めた。そして、鞘に込められた魔力を上乗せして抜剣した。
繰り出された斬撃波が空を奔り、グランディンに襲い掛かる。
「!!」
グランディンが俺の斬撃波を魔剣で受ける。そして、その隙にディンが、
「魔王の爪撃!!」
その爪をグランディン目掛け振り下ろした。
「フン!!」
グランディンは後ろ回し蹴りを放ち、ディンの爪が届く前にその左脚はディンの腹部に突き刺さる。
「ぐふぁっ…!!」
ディンは血反吐を吐き、そのまま遠くへ蹴り飛ばされた。
そして、俺は間髪入れずにグランディンへ斬り掛かかる。グランディンはその魔剣で俺の一撃を受けた。
「うおおおおおお!!!」
「おおおおおおお!!!」
お互い繰り出される剣戟がぶつかり合い荒れ狂い、辺りに破壊を撒き散らした。その斬撃は互いの血肉を削っていき、双方の身体に傷が刻まれていく。
しかし、次第に俺は力負けしていき、その勢いに押し込められていく。やがて、
「ぐわっ!!」
俺はグランディンの剣圧に吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「無駄だ…お前等では今の俺に勝てない、大人しく死ね!!」
グランディンが言い放つ。しかし俺はそれを聞かずに壁を蹴り、イリスを構えてグランディンへ突っ込んだ。
「ダウンバースト・エア!!」
斜め下へ突き下ろす形で放つ渾身の突き。俺はグランディン目掛けてイリスを突き出した。
しかし、その突きは魔剣の一振りで軽々といなされ、俺は床に転がされた。
「くっ…!!」
気づけば俺は、今立ち上がろうとするディンの傍まで来ていた。そして、
「これで終わりだ…魔王墜剣!!」
グランディンが魔剣を振り上げると、その刀身から黒い光が立ち上り、巨大な刃を成した。
(…流石に、強いな)
グランディンはそのまま、俺達向けて魔剣を振り下ろした。




