白導対大魔術士(5)
炎が消えると、僅かに灰を残すだけで、ハマドウの身体は焼き尽くされていた。
俺は、そんなハマドウの残りカスを見下ろしながら、こう言った。
「ハマドウ…アンタは人を平気で呪う外道なのかも知れないが、これだけは言える…
俺は…アンタのお陰で強くなれた。アンタのお陰で呪いが解けた。人を呪う奴のお陰で解ける呪いっつうのも、おかしな話だけどな…」
俺は言うと、思わず苦笑した。
そして、ハマドウの残りカスも、どこかから吹いた風に乗り、吹き飛んでいった。
(…行こう、クウゴ達のとこへ)
俺はそう思うと、城の奥へ向かった。
城の最奥部、俺とディンはその扉をぶち破ると、大きな広間に出た。
そして、その奥には、玉座に座るグランディンが居た。
「グランディン!!」
俺は叫ぶと、グランディンは玉座から立ち上がり、玉座に立て掛けてた魔剣を手に取った。
「一人足りない様だな…」
「生憎、貴様の所の腹黒魔術士の相手をして手が離せないそうだ」
ディンが軽口を叩くと、それをグランディンは鼻で嗤った。
「そうか、それじゃあもう会う事は無いだろうな」
「ほう…貴様がこれから死ぬからか? 遺言くらいは残してやるぞ?」
「抜かせ…死ぬのはあの小僧の方だ。そして、お前等二人もこれから死ぬ」
グランディンは仮面と上着を脱ぎ捨てる。そして、
「な…何だと!!?」
ディンはそんなグランディンを見て驚愕した。
なぜなら、グランディンの胸には良く見覚えのある紋章が刻まれていたからだ。
「何でお前に勇者紋が…!!?」
「前にハマドウが回収した勇者…そいつの勇者紋を複製して組み込んだのだ。これで俺は、勇者と魔王、お前等二人の両方の力を併せ持つ存在となった…お前等如き、最早俺の敵ではない」
そう言って、グランディンは剣を構えた。そして、その身体から果てしない力を感じた。
確信した。奴は、前よりもまた強くなっていた。
だが関係無い。俺は奴を倒す、それだけだ。
「お前を倒し、この戦いを終わらせる…行くぞ、グランディン!!」
俺は床を蹴り、グランディンに向かって飛び出す。
「行くぞ偽者!! 今度こそけりをつけてやる!!」
ディンも俺に続いて、グランディンに向かって行った。
最後の戦いの火蓋は、たった今切って落とされた。




