6話
闘技場のドアが開いた。
そして、そこからタキシードのような服を着た人々がフィールド内に入ってきた。
見た目からしておそらく、闘技場のスタッフだろう。
「1班はグリーンピースの移送、2班は死体の確認、そして3班は私とともに生存者の確認だ!ついて来い」
リーダーらしき男が周囲のスタッフに指示を出した。
すると、大きな台車や担架を持った人々が、仕事を始めた。
また、ゴリラに縄をかけているスタッフもいる。
その縄で巨体を引っ張り、フィールドの外に出すのだろう。
すると、そのリーダーと目が合った。
そして、こちらに駆け寄ってくる。
「サイキックボーイの生存確認。それと―――君はここの戦士ではないな。名前は?」
「カイです。目を覚ましたら、なぜかこの中にいて―――」
「なるほど。なにかが起きたのだな。まぁ話は後だ。ついて来なさい」
「俺も途中まで一緒に行くよ」
その男は「カイの生存を確認」と報告すると、俺を連れてフィールドの外へと向かった。
少年も俺の後ろをついて来る。
フィールドを出てすぐの所に、闘技場の運営本部があった。
といっても、お祭りの運営本部のテントとは訳が違う。
なかなかに巨大な建物だった。
闘技場のデザインが、そのまま屋敷になったような見た目をしている。
その男―――ガルバという名の闘技場スタッフは、俺たちを運営本部内のとある部屋に連れていくらしい。
すると、すれ違ったスタッフに声をかけられた。
「おいガルバぁ、変なファッションのガキを連れてるじゃないか」
「ルディ、話は後だ」
「そうごまかすなって。そいつ、俺たちが働き始めてから一度も見たことないぞ?おまけに隣にはサイキックボーイと来た」
そのスタッフはルディという名前らしい。
陽気そうな性格の男だ。
ちなみに、変なファッションというのは俺の学校の制服を指しているのだろう。
すると、ルディは急に表情を強張らせた。
そして俺たちの前に立って、行く手を阻む。
「ルディ、邪魔をするな」
「そいつは明らかにノーマンの住民じゃない。危険だ」
「あぁ分かったルディ、3秒数えるうちに失せろ。これからオーナーの元へ向かうんだ」
「それならなおさらだ。オーナーを危険に晒すことになる」
すると、ガルバが左手首を握る動作を取った。
「これ以上止めるなら、こっちもマジで行くぞ」
「ちぇ、そうムキになんなって。行け行け。―――だがどうなっても知らんぞ」
ルディは俺たちに道を譲った。
だが彼の目は、鋭く俺に向けられていた―――
俺たちは運営本部の廊下を歩く。
ちなみに、少年とは途中で別れた。
彼は今日の試合の賞金を受け取りにいくらしい。
そして、ついに目的の部屋へとたどり着いた。
どうやら、ここはオーナーの部屋のようだ。
すると、中から声が聞こえてきた。
「―――ですから、その件は以前にもお断りしたはずです」
「そうだったな。だが、うちも商売なのでね。金になりそうな企画を行いたいのだよ」
「そう言われましても―――せめて団長の許諾がなくては、行えません」
「いいじゃあないか、副団長殿。そちらの団員と、こちらのモンスターを戦わせる興行。そちらは強さを誇示し、こちらはガッポリ大儲け。いや、金はエエナァ」
「鼻の下がすっごい伸びてますよ。珍技とかいってそれ見せた方が金になるんじゃないんですか。というか、そろそろ本題に―――」
―――コン、コン。
ガルバがドアをノックした。
ガルバ&ルディ
というかガルバ、空気読めないのでは?




