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闇めくトレジャーハンター・ゼロ ~異能の原石で誰もが能力者になれる8つの世界が交差するとき、その架け橋を【盗む】冒険の旅が始まる~  作者: ちーかま
第1章 闘技場編

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7話

 ―――コン、コン。



 ガルバがドアをノックした。


 先程までとんでもない顔で恍惚の笑みを浮かべていた闘技場のオーナーはがらりと表情を変えた。

 その勢い、変面もかくや。


 一方で、オーナーと話していた青年は、突然の来客に驚いていた。

 というより、ダブルブッキングすんなよ―――と口に出さずに愚痴っていた。


 「ほぅ、入り給え」

 「失礼します。フィールド内にて未登録の少年を発見したため、連れて参りました」


 ガルバはそう告げて、部屋の中に入っていった。

 俺もそれに続いて入る。


 部屋の中には、俺とガルバ、オーナー、そして騎士風の青年の四人がいた。

 オーナーは、今この瞬間までその男と話していたようだ。


 すると、オーナーがこちらに意味ありげな視線を向ける。

 顔や身につけている制服を見ているようだ。

 俺はどうすればいいか分からず戸惑う。


 「まずはオーナーに自己紹介をしなさい」

 「あ、あぁ。カイといいます、よろしくお願いします―――ところで、そちらの方との用事は?」

 「いや、それは構わ―――」

 「ダブルブッキング。私はまったく詳細を知りません。まぁ、お構いなく」


 青年はオーナーの発言を遮って、冷淡に言った。

 食い気味に言った。


 ちょっと怖い。

 その言い方は、怒っているときにする言い方だ。

 だが、俺の話題を優先させてくれるらしい。


 というか、目の下にあるクマがヤバい。

 彼の気だるげそうな目の、実に二倍ほどの大きさをしている。

 かなりの重労働なのだろうか。

 現に今、こうしてオーナーと会話もとい営業をしに来ているのだから。



 「すまないねぇ、副団長殿。だがすぐに終わるだろうから、この部屋に居てもらって構わんよ」

 「そうですか。では隅の方で待機しておきます」


 副団長と呼ばれたその青年は、部屋に残る意思を示した。

 そして席から立ち、そこに座るようにと俺を諭した。


 「カイ君、事情を説明できるかね?」

 「―――はい。学校で居眠りをしていたはずが、フィールドの中で目が覚めて。そして目の前にはゴリラがいて、殺されかけたんです」

 「ゴリラってのは、グリーンピースのことかな?あいつは看板モンスターだったのに、またもサイキックボーイにやられちまったよ」

 「俺は彼に助けられました」

 「それは幸運だったな。だがあのガキ、客寄せにはなるが、身体が弱いもんだから回転率が悪い」


 少し憎たらしそうに、オーナーが言う。

 客寄せだの回転率だので人間を評価するオーナーの姿勢には違和感を覚えた。

 だがあの少年もまた、闘技場での戦いを望んでいるのだろう。

 彼が勝ちにこだわる理由を知りたい。


 「彼は、どうしてそこまでして戦うんでしょうか」

 「あぁ―――奴は闘技場で生まれたんだ。具体的には、戦士同士の子供ってわけだ。戦いを求める血が濃いんだろう」

 「そうなんですね―――」


 彼に、そんな出自があるとは思わなかった。

 生まれてから、視界に映ったものすべてが戦いだったのだろう。

 俺には想像できない人生だ。


 「ところでカイ君、君に帰る場所はあるのかい?あるのなら、ガルバに送り届けさせるが」

 「あるにはあるんですが―――こんな闘技場、見覚えなくて。もしかしたら、遠い所まで来てしまったのかもしれません」

 「そうかい。だがこちらとしても、君を無条件で預かろうとは思っていない。君の取れる選択肢は、ここで働くか、ここを出て帰る場所を探すか―――ここで戦うかだ」


 俺は与えられた選択肢を吟味する。


 そもそも、俺は別の世界に来てしまったのではないか。

 巨大なゴリラや超能力は、俺の世界には存在していなかった。

 じゃあここは、元いた世界―――現実世界とは別の世界だ。

 それなら、自宅を探そうとしたって無駄だろう。


 そして、戦うのもなしだ。

 俺があんな怪物を倒せるとは到底思えない。


 であれば、闘技場で働くべきなのか―――




 「―――その前に、質問よろしいでしょうか」

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