020ー4 巨鬼(トロール)
【始まりの部屋】
「翔。大丈夫?」
お馴染みの光景。彼女たちより先に目覚められない自分を情けなく思いながらも、翔は確かな手応えを感じていた。
第99層での死闘により、三人は劇的なレベルアップを果たす。アメリアは広範囲殲滅技『竜巻剣』を、メロはマグマを吐く巨大な『火炎大蜥蜴』の召喚を修得した。
ステータスを限界まで高めてきた蓄積が、ここに来て一気に花開いたのだ。
☆☆☆
【第九十九層。第二十八度目のチャレンジ】
大技の連発は、敵の策――「消耗戦」への誘いだった。
数万の軍勢を前に、翔たちは派手な魔法を捨て、闘気を纏った最小限の動作で敵を屠る戦術へと切り替える。
三人が一体となり、あるいは散り、優雅な演武のごとき動きで魔物の海を突き進む。非戦闘職のメロですら、その杖の一振りで魔物を紙のように切り裂いていく。
永遠に続くかと思われた軍勢を全滅させ、ついに最奥のフロアボスが姿を現した。
十本の角を持つ全長十五メートルの鋼の巨人――Lv48『巨鬼』。
これまでの魔物たちを使い捨てにしてなお、余裕の笑みを浮かべる巨鬼。その身から溢れる闘気は、ステータス上のレベルを遥かに凌駕する威圧感を放っていた。
翔たちがその前に立ちはだかった瞬間、黒い旋風が吹き荒れる。
次の瞬間、抗いようのない死の恐怖が三人の全身を包み込んだ。
お読みいただきありがとうございました!
数万の魔物を切り伏せ、ついに辿り着いた第99層の最奥。
そこに待っていたのは、圧倒的な質量と闘気を誇る十本角の巨鬼でした。
これまで培った全てをぶつけ、死を越えて強くなった三人。
しかし、ボスの放つ「黒い旋風」を前に、再び死の予感が襲いかかります。
迷宮試練、最終決戦!
翔たちがこの絶望をどう塗り替えるのか、ぜひ見届けてください!
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