020ー2 小悪魔は意外に強い
【第三十二層】
「翔。ここは、何だか薄気味が悪いよ」
メロが怯えてしがみつく。広域照明魔法『光沢』を展開しているにもかかわらず、通路はやけに薄暗い。
その違和感の正体は、物理無効かつ姿の見えない魔物――『幽霊』の大群だった。
一度は全滅を喫し、『始まりの部屋』で震えるメロをあやす翔。
ナビゲーター・アリスの助言により、闘気を「目」などの五感に集中させることで隠蔽を見抜く技を会得する。見えない恐怖を克服した一行は、さらに迷宮の深部へと歩を進めていった。
☆☆☆
【第七十二層。第三十一回目のチャレンジ】
層を重ね、一行はついに第七十二層に到達する。
そこに待ち受けていたのは、知能が高く、魔法障壁や多彩な第二グレイド魔法を操る『緑悪魔』の集団だった。
アメリアの『閃光剣』すら防ぐ悪魔たちの連携。
翔は余裕を持って魔法を捌いていたつもりだったが、背後からの狡猾な挟み撃ちに遭い、あえなく転送を余儀なくされる。
【始まりの部屋】
「奴らは、あそこで二手に分かれて我々を挟み撃ちにしたようだ」
アメリアの分析に、翔は魔物の悪知恵に驚きを隠せない。
だが、真の驚きはメロの口から語られた。
「悪魔の小さいのが、ずっとついて来てたよ。瞳が可愛かったんだもん」
敵であるはずの悪魔を見逃していたメロの告白に、翔とアメリアは絶句する。
エルフの天敵である悪魔を「可愛い」と言ってのけるメロの独特な感性。
翔は呆れつつも、その「可愛らしい瞳」を持つ魔物が、これからの攻略にどう影響するのか、静かに思考を巡らせるのだった。
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見えない恐怖を乗り越え、一行はついに第72層へ。
しかし、そこで待ち受けていたのは「知恵」を絞る悪魔たちの狡猾な罠でした。
そして、緊迫する攻略の中で判明したメロの驚愕のセンス。
「悪魔が可愛い……?」
敵を敵とも思わぬその天真爛漫さが、果たして吉と出るか蛇と出るか。
新展開に突入した第72層。
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