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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第一章 レベルアップ編

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020ー2 小悪魔は意外に強い

【修正履歴】

2019年9月29日

○第20話を6分割しました。

○分りにくい表現を訂正しました。

○少し加筆しています。

○主人公等の思考を表す表記の方法を以下のように変更しました。


(主人公等の思考)

    ↓

────主人公等の思考。


なお、この変更は、順次行っています。

表記がしばらく混在しているので、お許しください。

【第三十二層】



「翔。ここは、何だか、薄気味が悪いよ」


 メロは、翔にしがみ付きながら嫌々そうに顔を顰めて言った。可愛らしい顔が台無しだった。


「おかしいな『光沢フルライト』の魔法がかかっているはずなんだがなぁ。やけに薄暗いな」


 翔も首をかしげながら呟いた。


「それよりメロ。ぶら下がったら重いぞ。ようやくお前は、飛べるようになったんだから、俺は、もうお前を運ばずに済むようになったって喜んでたんだぞ」


「怖いだもん」


 メロは頬をプックリと膨らます。


「おお?」


 その時、翔は、変な声を上げた。悲鳴を誤魔化したような声だ。


幽霊ファントム。レベル16。【弱点】魔法攻撃。【特徴】目には見えず、物理攻撃も効かない。魔法攻撃も十分の一軽減の特性を持つ厄介な魔物』

 と、何も無いところにアリスの説明が浮き出ていたからだ。


「気をつけろ。そこに幽霊ファントムがいるぞ」


 翔は、指差しながら電撃ソックをお見舞いした。


 一瞬、皆の目の前に、雷の光に照らされて、幽霊ファントムの大群がいるのが見えた。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




【始りの部屋】


「翔大丈夫?」


 お馴染みの風景だった。


 メロの少し子供っぽい端正な顔と、美しいアメリアの顔があった。。二人とも眉をしかめて、意識を取り戻した、翔を覗き込んでいた。


「ふー。また殺られたのか?」


 ため息とともに、翔は、聞いた。復活障害が酷い。


「幽霊さんだったね」


 メロは、翔と比べると復活障害が大分マシなようで、可愛い笑顔を翔に向けた。


 しかし、力尽きたかのように、翔の体にしがみ付いていて来た。


 メロの体が、小刻みに震えていた。その態度は、いつもとは少し違っていた。どうやら復活障害もあるだろうが、本当に怖かったようだ。


「アンデッドで慣れてるだろう?」


 と翔も口では叱りつけているが、手は、メロの柔らかい背中をスリスリ摩っていた。


 アメリアは、翔のエッチな行動に、寛大なので、翔のそんな行動を咎めない。こういう時は、役得とばかりにメロの柔らかい背中の感触を楽しんでおこうとニンマリする翔だった。


 メロは、普段から、翔の膝に登ってきたり、背中におぶさってきたりと好き放題だ。


 しかし、翔が少しでもエッチな感じで触わるのは、絶対に許さない。そんなメロが、翔のエッチな仕草や鼻の下を伸ばしきった、だらしない顔に、少しも気づかないのはよっぽど怖かったのだろう。


 可哀想になって、翔も次第に本気でメロの背中を優しく摩り出した。


「大丈夫だ。大丈夫だ」


 子供をあやすように耳元で優しく囁いた。


 幽霊ファントムは、たぶん特殊な技で身体を隠蔽しているのだろう。メロは、子供の時から精霊が見える体質だったため、見えない魔物が心底恐ろしかったのだ。


────これは、見えるようにしないとな。なんとかならないかアリス?


《翔様。トライアル中はあまり余計な口出しを控えさせておりましたが、メロさんのこのお姿を見ると、さすがに気の毒ですね。皆さんの闘気バトルオーラは魔力で身体能力を向上させるのに使うことができる技です。つまり、五感に闘気バトルオーラを集中させると五感が研ぎ澄まされて大抵の隠蔽を見抜く力が付きます。試してみてください》


────なるほど、目に闘気か。よく分かった。アリス。助かるよ。試してみよう。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




【第七十二層。第三十一回目のチャレンジ】


 第七十二層は、小悪魔達が出現する層だった。今は三十一回目のチャレンジだ。小悪魔達は今迄の魔物とはかなり勝手が違う魔物達だった。


「メロ。アメリア。俺の両脇にぴったり張り付け。こいつらはちょっとヤバイそうだ」


 翔は、その魔物の集団を一目見たときに、うなじの髪の毛が逆立つ程の寒気がした。


緑悪魔デリビスディアボロス。レベル23。【弱点】特になし。【特徴】頭が良く、人の夢に入り込み悪さをする厄介な魔物』


「こいつらは、相当強いぞ」


 翔達は、常に闘気バトルオーラを全開にして気配を察知していたが、この悪魔達は、その警戒を簡単に突破して現れたのだ。


「翔。こいつらは、私が相手しよう」


 アメリアが叫んだ。


 悪魔は、アメリアの天敵なのだ。見るだけで吐き気がした。翔の返事も聞かずに、攻撃に入った。


「『閃光剣スマッシュ!』」


 アメリアは、いきなり、攻撃スキルを仕掛けた。


 しかし、閃光は悪魔達の手前で四散してしまったではないか。


 魔法障壁マジックバリアーのようだ。


 次に悪魔達は、魔法の術式を展開させて、様々な魔法で攻撃してきた。


 『熱線オットビーム』、『弾丸バレット』、『刃水ブレイドウォーター』、『フレイア』、『洪水フラッド』などなどの第二グレイドの魔法が、翔達に一度に注がれたのだった。


 翔は、しかし、余裕で魔法障壁マジックバリアーを構築し、その攻撃を防御した。うまく全ての魔法を捌いていた。


────大丈夫だ。


 翔は、確信し、余裕の笑みを漏らした。


 しかし、それが油断だった。


 背後から、いきなり多数の魔法の発動を感知したが、すでに手遅れで、慌てて魔法障壁マジックバリアーを構築したが一歩遅かった。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



【始りの部屋】


「翔。大丈夫?」

 

「何が有ったんだ?」


 翔は死んだ事がよくわからない。


「奴等は、あそこで二手に分かれて我々を挟み撃ちにしたようだ」


 アメリアが説明した。


「不意打ちと言うやつか? 魔物如きにそんな悪知恵が働く奴がいると言うのが驚きだな」


「翔。魔物と言っても様々だ。中級以上の悪魔族は、なかなか手強い相手だぞ」


「しかし、奴等の智謀など知れているのだろう」


 翔は、歯牙にもかけなかった。


「でも、悪魔の小さいのが私達にずっと着いて来てたよ」


 メロが言った。


「なぜ言わなかった?」


 翔は、呆れて聞いた。


「だって、言ったら翔。殺すでしょ」


 驚きの発言だ。


「お前。何を考えてんだ? 奴等は敵なんだぞ」


「でも可愛かったんだもん」


 メロがプックリ頬を膨らませた。


「分かった。分かった。お前の好きなようにしろ」


 翔は、諦めて肩をすくめた。


「しかしあんな醜い魔物のどこが可愛いんだ?」


 アメリアも不思議そうにしている。


「瞳が可愛い」


 メロは、嬉々として言った。


「お前の趣味は理解できん」


 そう言いながら翔は、首を傾げて何かをしきりに考えているようだった。

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