019ー7 再びの繭(まゆ)化
【第十五層。始まりの部屋。第一回目のチャレンジ】
第十四層を死力で突破し、十五層の『始まりの部屋』で休息を取った一行。
目覚めると、アメリアが「繭」に包まれていた。
不安と期待が入り混じる中、孵化した彼女は以前にも増して美しく、エレガントな姿へと進化を遂げる。特にその青い妖精の羽は、より眩い輝きを放っていた。
☆
心機一転、十五層への挑戦を開始した一行だったが、眼前に広がるのは今までの通路とは比較にならない巨大な洞窟。
不穏な予感は的中し、Lv15の『大鬼』の群れが急襲する。
身長七メートル、鋼の筋肉を持ちながら、物理法則を無視した超スピードで迫る巨人たち。その圧倒的な暴力の前に、何重にも張り巡らした『魔法防護壁』も虚しく、一行は再び凄絶な死を経験することとなった。
☆☆☆
【始まりの部屋】
死の恐怖と嗚咽に震えながら、三人は抱き合って互いの存在を確かめ合った。
この救いのない迷宮で唯一分かってきたのは、善戦すれば死の恐怖がわずかに和らぐということ。だが今回の全滅はあまりに一方的で、復活障害もこれまでにないほど重い。
「一角岩鬼の時も思ったが、なぜあんな巨体がこれほど素早く動けるんだ?」
翔の疑問に、アメリアが「自分たちの飛空術と同じではないか」とヒントを出す。
さらにメロが、かつて母から聞いた『闘気』という言葉を思い出した。
ナビゲーター・アリスの解説によれば、それは魔力の鎧であり、肉体性能を飛躍的に高める「技」なのだという。
アメリアが無意識に、メロが天性の感覚で行っている「術式を展開しない魔法の行使」。
現代魔法の「術式」に固執していた翔は、己の盲点に気づかされる。
アメリアの飛空術を術式として再構築し、そこから徐々に「技」へとシフトしていく観察。
器用に空を舞うメロとアメリアを横目に、翔は一人、英雄たちの放っていたあの圧倒的な「威圧感」の正体を掴もうと、泥臭く試行錯誤を繰り返すのだった。
お読みいただきありがとうございました!
第15層、突如として立ちはだかるオーガの群れ。
その圧倒的なスピードとパワーの前に、一行はなす術なく蹂躙されてしまいます。
しかし、その絶望の中で見出した『闘気』という新たな力の種。
理屈の翔か、センスのメロか。
この試練を乗り越え、巨人たちを討つ術を掴み取れるのか!?
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