019ー1 水晶迷宮のクリア条件とは?
【修正履歴】
2019年9月24日
○第19話を7分割しました。
○分りにくい表現を訂正しました。
○少し加筆しています。
○主人公等の思考を表す表記の方法を以下のように変更しました。
(主人公等の思考)
↓
────主人公等の思考。
なお、この変更は、順次行っています。
表記がしばらく混在しているので、お許しください。
ようやく試練をクリアした翔たちは、次なるステージへの進行を許された。
「この『試練の間』を抜けると、水晶迷宮・第一階層の『始まりの部屋』です。迷宮内でも、皆さんは何度も死ぬことになるでしょう」
レイラは丁寧に説明を続けた。
迷宮内では誰か一人が死ねば全員がその階層の『始まりの部屋』へ強制送還されること。装備は身体ごと転送されるため、今度は裸で復活する心配はないこと。
そして、部屋に出入りすることで食料や水を補充できるという「裏技」のような仕様まで、レイラはウインク混じりに教えてくれた。
「クリア条件は、第九十九階層までを三往復すること。これは第百階層のボスが守る『魔精結晶』を、皆さんの戦績に反応させてより強力に育てるためです。三度の摂取を終えてここへ戻ることで、ようやく一周。それを計三セット完遂して、初めてトライアル終了となります」
そのあまりに厳しい条件に、メロとアメリアは顔を青くし絶句する。しかし、翔だけは違った。
「本当によく考えられたルートだよ。これだけの補助があれば、確実に強くなれる。至れり尽くせりじゃないか」
悲壮感の欠片もない翔の言葉に、レイラは驚きつつも微笑んだ。
「レイラ、これは些細だが俺からの贈り物だ。受け取ってくれ」
翔はレイラの胴鎧に【創造魔法】をかけ、精緻な彼女自身の肖像レリーフを浮かび上がらせた。さらに剣にも美しい彫刻を施していく。
それだけではない。解呪され解放された魔法能力を使い、考えうる限りの【付与魔法】を重ねがけしたのだ。
「これは……見事な。工匠ドベルクたちでも、これほどの芸術品を易々とは作れないでしょう。付与魔法の重ねがけなど、聞いたこともありません」
光り輝く宝具へと変貌した武具を手に、レイラは目を丸くして見惚れていた。
「今の俺ではこれが精一杯だ。もっと偉大な魔術師になったら、想像もできないような業物にしてやるから期待して待っててくれ」
尊大に、しかし爽やかに言い放つ翔。
レイラは心からの礼を述べ、三人の手を取って、迷宮の奥へと送り出した。
021 了




