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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第一章 レベルアップ編

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015ー1 牙豚鬼(デンデオーク)

2019年9月6日 あまりにも一話が長いので、八話に分割しました。


思考の表現方法を以下の通り変更しました。


 ( 思 考 )

    ↓

────思 考。


015ー8話まで同じように変更しています。


「翔。私に白魔法を教えてくれ」


 突然、アメリアが意を決したよな真面目な顔をして言った。彼女は、魔法剣士だったから黒魔法系の魔法はたくさん知っているが、白魔法はまだ数えるほどしか使えないのだ。


 魔法を使えるようになるには、幾つかの方法がある。一番ポピュラーなのは、魔術職に就き、そのままレベルを上げる方法だ。そうすれば神々の恩恵で自然に使えるようになる。


 しかし、神々の恩恵だけでは、基本的な魔法しか使えないのも事実だ。


 それゆえに、高価な魔法書を購入して修得する者や、誰かの弟子になって魔法を教えてもらったり、職業ギルドで魔法の修得をするのが普通だ。


 メロは、育ての親のカロンが熟練の魔女だったため、様々な魔法を使う事ができる。もちろん翔に言わせれば児戯に等しい下手くそな魔法だが、ユグドラシル世界の基準では、メロは高度な魔法を修得している魔術師に入る。


 それに比してアメリアは、至高者オプティマスの宮殿で魔術師から黒魔法を少し習っただけだった。


 正式に習っていたので翔からも、なかなかの腕前だと褒めてもらっている。


 至高者オプティマスの職業になってからは、黒魔法よりも白魔法に適性があることが自然に分かるようになったため改めて習いたいと思ったのだ。


「良いが俺のは、ユグドラシルとは少し違う魔法になるかもしれんぞ」


 翔が答えた。


「ああ。それでいい。頼む」


「分かった。それじゃ、ユグドラシルの初心者から中級者ぐらいまでの魔法を俺なりに解釈して教えてやる。まず、魔法には、ナマというエネルギーの受容体がある……」


 翔はアメリアに白魔法の講義を始めた。



 翔が意外ほど教えるのが上手な事に、アメリアは驚いていた。


「翔。前々から思っていたが、お前は教え方が上手い。それで飯が食えるぞ。たった一日で五つも白魔法を覚えられるとは思わなかった。翔の使う近代魔法とやらの発動要件はなかなか俊逸だな。発動時間が何十分の一にも短縮できるような気がする。それに消費MPの話は参考になった。それを気にかけて今後魔法の術式のスリム化に励むよ」


「ああ。アメリアは、なかなか筋が良い。ん?.......アメリア。メロ。どうやらお客さんのようだぞ」


 翔は話の途中で、魔物の騒がしい鳴き声が聞こえたので、そちらの方を見た。


 魔物達が雑木林から街道に出てきていた。


 翔は、街道に現れた魔物のレベルなどを確認した。


「レベル11。牙豚鬼デンテオーク、体は小さいがその分素早い。牙に注意しろ」


 翔は、そう言いながら、マジックバックから、ミスリルとアダマンタイトの合金でできた六角棒『神の手』を出した。もちろんイングベルトから貰った本物では無い。本物は“矢羽”のグアリテーロに進呈してしまったので手元には無い。


 そこで翔は、この六角棒を『金棒かなぼう』と呼んでいた。翔が創造魔法で創ったイミテーションだ。


 見るとアメリアも、翔が作り直してやった魔法の剣をマジックバックから取り出した。


 アメリアの出した魔法の剣は、グアリテーロに持って行かれた剣にくらべ性能も見た目もかなり劣った。翔がわざとそのようにしたのだ。


 周りに誰もいない事を確認して、翔は付与魔法と創造魔法を使いアメリアの魔法の剣の性能を強化してやった。


 使う前だけ、性能を上げ、使い終わったら性能を落とすとともにマジックバックにしまうようにさせたのだ。そうすれば目立たないだろうとの配慮だ。


 もちろん、人目がある時は魔法強化もしない。翔も人前では、ミスリルとアダマンタイトの合金では無く、チタン合金の六角棒を取り出す事にしていた。


 メロのローブも同様に少しランクを下げたローブにしていた。翔はそのローブに防御と魔力強化の付与魔法をかけてやった。


 とっさに翔はそれだけして、牙豚鬼デンテオーク達の前に立った。


 牙豚鬼デンテオークは、全部で七匹だった。牙が大きく口からはみ出た見るからに醜い魔物だった。大きさは、翔と同じほどだ。頭に小さい角が二つ付いていた。肌色は、人よりもかなり赤い。


────赤鬼君だな。


 翔は、魔物に心の中で、あだ名をつけた。


 素早さのステータスが一番高いアメリアが先頭に立ち、白魔法の術式を構築し始めた。


破魔光セイクリットオーラ!」


 アメリアが覚えたばかりの初級白魔法『破魔光セイクリットオーラ』を発動した。


 アメリアの右手から閃光が閃き先頭の牙豚鬼デンテオークに直撃した。


 牙豚鬼デンテオークは、「ぎゃー」と叫んで倒れた。


「ファアーボール!」


 一番後衛のメロは、黒魔法を唱えた。


 背後の見えない位置で術式展開したファアーボールだったが、翔には、見なくても見事な術式だと、手に取るようわかった。


 振り向いてメロの方に視線を向けると、メロの横に馬ほどもある巨大な魔犬のクーシーが出現していた。


 メロは、魔犬クーシーを呼び寄せた上にファアーボールまで出していたようだ。


────いいセンスだ。


 翔は!心の中で褒めていた。


 巨大なファアーボールが牙豚鬼デンテオークを三体同時に飲み込んだ。


 牙豚鬼デンテオーク達が、メロの放ったファアーボールの爆発で倒れた。


 翔は、六角棒『金棒』に、付与魔法と創造魔法を駆使して、長く伸ばすとともに、先を槍のように尖らせた。


 その尖った先がかなりの速度で一匹の牙豚鬼デンテオークの胸に突き刺さった。


 翔は、直ぐに『金棒』を縮めると上に振り上げた。頭上に振り上げられた『金棒』の先を巨大な金槌かなづちに変化せて振り下ろした。


 イングベルト・ザイフリートがよく使っていたと想像できる、『金棒』の攻撃形態だ。


 翔には、イングベルトのように金槌型の『金棒』を振り回すような膂力りょりょくは、無いが『金棒』のの部分を長く伸ばし、重さを利用して、振り下ろすことで威力を付けたのだ。


 そのまま、牙豚鬼デンテオークの脳天に叩き込んだ。


 さらに『金棒』の先端を大きな鎌に変えると、今度は、重力では無く、付与魔法で『金棒』に左回転の力場を発生させた。


 創造魔法は物理法則までも創造で変えることができる。『金棒』をその力場に乗せて、大きく旋回させた。


 さらに一匹の牙豚鬼デンテオークをなぎ倒した。


 その時、翔の耳に、たたた!と獣の走る足音が背後から聞こえた。


 メロの呼び寄せた魔犬クーシーの足音だった。


 クーシーは、翔達を通り越して、最後に生き残った牙豚鬼デンテオークの首筋目掛けて飛びついた。


 こうして、翔達は、見事な連携で、全ての牙豚鬼デンテオークを退治したのだった。

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― 新着の感想 ―
ファアーボールになってますね。
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