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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第一章 レベルアップ編

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013 おのぼりさんは強いお灸を据えられる

2019年9月6日

文章を修正しました。

主人公等の思考に係る表記方法を以下の通り変更しました。


( 思 考 )

   ↓

────思 考。

 一角岩鬼ユニオーガ討伐クエストは難なく終わった。


「呆気なかったね。でもアメリア。凄かったね。剣豪みたい」


 メロが翔の背中で伸びをしながら言った。


「いや。あれは私の能力ではなく、剣の性能のおかげだ」


 そう言いながら、アメリアは少し嬉しそうだ。


 しかし翔は別の事を考えていた。


────アリス。今回はどうしてあれほど簡単に勝てたのだ?


《スピードが彼らよりも上だったからです。アメリアさんの素早さのステータスが翔様の創造されたメイルで35を越えたからだと思います》


────確かに、素早さは何よりも大事なステータスだな。それにしてもアメリアは凄かった。


《アメリアさんは、至高者オプティマスの力を解放しつつあります。しかし私には、メロさんの精霊魔法の方が凄いと思いました。一人の精霊魔法で四十五体の一角岩鬼ユニオーガを約十八秒で退治しましたから》


 確かにそうなのだ。


 みっともなく悲鳴をあげるから弱そうに見えるが、メロの精霊魔法は常軌を逸していた。一挙に五体の精霊を駆使していたのだ。伝説の魔法とは、よく言ったものだ。


 それに引き換え、と言うことになるのだろう。今回、翔は、全く出番が無かった。


《翔様はこれからです。めげずに頑張ってください。メロさん、アメリアさんは職業補正が大きかったのです》


 そう、アリスに慰められるのであった。



 山道から出ようとしたところで、かなり先の方に、何人かの人が立っているのが見えた。


 派手な格好からグアリテーロ達、“矢羽”のメンバー達だと、直ぐに分かった。


────アリス。逃げられるか?


 翔は、慌ててアリス尋ねた。なぜなら、グアリテーロ達から恐ろしいような威圧感が感じられるからだ。


《無理でしょう。彼らはレベル隠蔽をかけていたようです。少なくともレベル50を越しています。今の翔様達では、全くかなわないでしょう》


────アンジェリーナは、いない様だな。


《推測ですが、アンジェリーナは仲間はずれにされたのだと思われます》


────それで忠告か?


 翔は納得した。アリスの推測は、正しいだろう。グアリテーロ達とアンジェリーナは、翔達を襲うかどうかで、仲違いしたに違いない。


「メロ。背中から降りてくれるか。狼さんのお出ましだ」


 翔は、魔法を展開して防御壁を作った。高レベル者からの威圧感が辛かったからだ。


「メロ。少し危険なぐらい強い精霊を呼んでみろ」


「分かった」


 メロもグアリテーロから感じるただ事ではない威圧感を感じ取ったのだろう。メロは無駄口をきかず、素直に翔様の背中から降りて、精霊魔法を発動し始めた。


 精霊魔法は、直ぐに発動され、精霊大鬼(トロール)五匹を呼び出した。大鬼トロールは、オーガよりも上位種の鬼種だ。レベルは30前後はあるだろう。もし敵にしたら翔達では歯が立たない精霊だ。


 今のメロが呼べるのはせいぜいそんなところだろうが、グアリテーロ達には対抗できそうには思えなかった。


「アメリア。使える補助魔法を我々や精霊全員にかけてくれ」


「うむ」


 アメリアも言われた通りした。


 アーリ、ディフェンスフル、オフェンスフル、リパルシブマギカをそれぞれ八回かけて精霊も含めて全員のステータスアップを図った。


 翔もアメリアの魔法を補正したり、障壁の強化などを行った。




 そうしつつ、グアリテーロ達の前までやってきた。彼等は、どんな方法を使っていたのか。レベルの隠蔽を外して素のままのレベルを見せていた。脅しのつもりだろうが、充分に効果的だった。


『グアリテーロ・デ・ミータ。24歳。魔法騎士。レベル57。ランクE“矢羽”』


『セレナ・ベッティー。22歳。召喚魔法師。レベル38。ランクE“矢羽”』


『アリナ・バンフィ。20歳。女司祭シビラ。レベル37。ランクE“矢羽”』


『アルタ・ボタッツオ。19歳。トドナ僧。レベル35。ランクE“矢羽”』


 皆、恐ろしいレベルだ。


「矢羽の皆さん。こんなところで誰かのお出迎えですか?」


 翔が、極普通の雰囲気で尋ねた。


「おお。期待のルーキー君。ユニオーガは退治したの?」


 グアリテーロが尋ねた。


「なんとかね」


 翔が答えた。


「大したもんだよ。君達は、みるみる強くなるね」


 グアリテーロが大袈裟に感嘆して見せた。


「いえいえ。若くしてレベルを極められたグアリテーロさん達には、足元にも及びませんよ。先輩達はこんなところで何の御用ですか?」


 翔が尋ねた。


「ルーキー君。僕は復活都市に、ある組織から派遣された潜入員なんだがね」


「先輩。生きて帰りたいので、あまり余計な話はご遠慮願えますか」


 翔がグアリテーロの話を遮る。


 グアリテーロが笑い出した。


「ルーキー君。君は本当に面白いね。こんな状況で生きて帰れると本気で思っているの?」


「グアリテーロさん。貴方がトロールをってる間に俺達は三人がかりでお嬢さんのうち一人を攻撃すると宣言させてもらきます。グアリテーロさんの博愛主義にかけさせてもらいます」


 翔はグアリテーロの日頃からの雰囲気からグアリテーロが女の子を大切にする人間だと見ていた。翔はグアリテーロのその性格にかけたのだ。


「あんた達。三人程度で私達のうち誰だろうと傷付けられると本気で思ってるの?」


 女の子の一人、召喚士のセレナ・ベッティーが嘲笑うように言った。


「全然思いません。しかし実戦では何があるか分かりません」


 翔が答えた。


 そう言いながらも翔は、複雑な魔術の術式を構築していった。これだけバカ話をさせてもらえたら今のショボい魔法能力の翔でもそれなりの魔術を発動する事が可能だ。


「ルーキー君は、本当に面白いね。その魔術はなかなか興味深いね。僕の博愛主義を試そうというのなら、ここは僕一人で相手をしようか?」


 グアリテーロが女性達を下がらせた。


 しかし、翔はグアリテーロ一人だけで戦ったとしても全く勝てる気がしない。


「グアリテーロさん。道すがら、お仲間のアンジェリーナさんに会ったんですけど」


 翔がカマをかけた。


「ほう。アンジェリーナたんが君達に接触してきたのかい? それで何と?」


「グアリテーロさん。カードは、うまく使わないとね」


 グアリテーロが、翔のハッタリに乗ってきたので翔は、うまく合わせておいた。明らかにグアリテーロは動揺しているようだ。


「グアリテーロさん。提案が有るんだが」


 次のカードだ。


「ほう。では、ルーキー君。面白い提案をしてくれよ」


 グアリテーロがからかう様に言った。


「俺達は、復活都市からこのまま旅に出る。暑いから装備一式はここに脱ぎ捨てようと思う。俺達は忘れっぽいのでグアリテーロさんとの短い思い出は綺麗サッパリ忘れるっぽい」


 そこまで聞いてグアリテーロは殺気で目を光らせた。


「まてまてまて。もう一つグアリテーロさんに贈り物がある」


「なんだ?」


 グアリテーロの殺気が消えた。


 翔は心の中で大きくため息を付いた。冷や汗が背中を流れた。


 翔は、何でもなさそうに振る舞いながら懐から袋を取り出した。


「これには一万枚の金貨が入ってる」


 グアリテーロは、やはり金の亡者のようだ。金の話をすると顔色が変わった。


 翔は、袋の口を開けて、手を突っ込み。金貨を鷲掴みしてグアリテーロの足元にばら撒いた。


 金貨一万枚の効果は、てきめんだ。


「俺は、この袋を燃やしたくないんだ」


 最後の切り札だった。


 袋を燃やせば金貨は永遠に次元の狭間に置き去りにされるだろう。どの様な魔法を使ってもそれを取り出す事は不可能となるだろう。


「ははは。本当に面白いルーキー君だな。度胸の据わり方は本物だ。お前は大物になるな。将来が楽しみだ」


「いやいや。俺は、二度とグアリテーロさんには会いたくないね。俺達の装備はグアリテーロさんに贈り物として捧げさせてくれ。それから、この袋はあそこ辺りに置かさせてもらう。できたら俺達があそこに袋を置くまでここで見ていてくれないか」


 翔が提案した。


「メロ。召喚したトロールを消せ」


 そう言いながら、翔は構築した大魔術の術式を解放した。


 何をしても叶わないことは明らかだ。そう感じている事を知らしめたいのだ。


「お前達、装備を脱いでここにおけ。グアリテーロさん。この子達の服は勘弁してやってくれ」


「僕は博愛主義だよ」


 グアリテーロが答えた。


「すまない。グアリテーロさんで良かった。いい勉強になった」


 翔は心底から礼を言った。


「アンジェリーナさんは、俺達の装備に気を付けろと言っていた」


「アンジェリーナたんは真面目だからね。うまく誤魔化したつもりだったんだけどな」


 グアリテーロが笑いながら言った。


「いや。教えてくれてありがとう。アンジェリーナたんとは、本当に残念だけどお別れだな。僕達は、君のおかげで、ひと財産できたから姿を消してしばらく豪遊でもするよ。君は僕達とは再会したく無さそうだが、今回のお礼は必ずさせて貰うよ。それと、せっかくプレゼントを貰うほどに仲良しになったんだから、君に、忠告しといてやろう。アンジェリーナたんには関わらない事だ」


 グアリテーロが何を思ったのか、そんな忠告をしてきた。アンジェリーナは、どれほど危険な存在なのだろうと、翔は、一瞬、興味が湧きそうなるのを堪えて、メロとアメリアに装備を脱ぐように身振りで示した。


 翔達は、装備一式を脱ぎ捨てると、慌てて、その場を離れて行った。


 考えてみると、翔は、創造魔法と現代魔法の複合技で貴金属や魔法アイテムを好きなだけ創れるようになって、少しばかりいい気に成っていた。一挙に奈落に転落するような気分になった。


 振り返るとグアリテーロが笑いながら手を振っていた。バカにしているのではない事はグアリテーロの顔から分かった。


 ここに置いて行くのが翔達の命の値段なのだ。


 しょんぼりとするメロとアメリアを見ていて翔の心は、張り裂けそうだった。レベルが低いとは、本当に惨めなもんだ。


 翔は、こんな形で、意志を無理やり曲げられるような事は、二度と起こら無いように細心の注意を払うと心で誓った。そして、誰も、逆らえないほどの強者になってやると決心したのだった。


 翔は、グアリテーロに対する腹立ちなど微塵も感じなかった。派手に着飾った自分の愚かさに穴が有ったら入りたい気分だった。


「メロ。クーシーを三匹出してくれ」


 翔が命じた。


 メロは、言われた通り直ぐに、冥界の番犬クーシー三匹を召喚した。


「これに乗って、このまま旅に出る」


 三人はクーシーに乗って走り去った。



【グアリテーロとの戦いの成果】


○実力が付くまで目立ち過ぎるな。

○絶対に強者になると言う決意を持てたこと。

2020.4.1

誤字報告の訂正

ルーキー君に→君に

グアリテーロが翔に忠告しています。表現が分かりにくかったかもです。すみません。誤字報告、本当にありがとうございます。少しでも稚拙な文章が直ると思うとありがた過ぎて(涙)


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