エルダ、首都へ行く
「ガーランドさん、私はエルダさんを首都へ届けそのあと研究の指示を行ってきます。また戻ってまいりますのでそれまで採掘はしないようお願いしますね。併せて首都の戦力もお借りできないか聞いてまいります。前回の戦いのようなことには二度とさせません」
「ああ。わかった」
「それと研究員は引き続き坑道の調査を続けてもよいでしょうか?」
「構わないよ」
デイジーに先日の天井ろうそく事件の後、坑道から帰る時に聞いたが我々の採掘していた淡い黄色の鉱石は、首都では最上級ポーションと同じ価格で売られていたそうだ。
あの鉱石から出る仄かな魔力が気になっていたデイジーは隣町まで来て出所を調査していたということだった。
俺らは木箱いっぱいに鉱石を詰めても、安いポーションも買えないような値段で売ってたんだ。
あの胡散臭い行商人め
あれでどんだけ儲けてたんだ?
にしても行商人も大して稼ぎがなさそうで嫌々買い取っていたようにも見えた。
何にしても次会ったら一言言ってやる
村が一変しているのを見たら引き返してしまうかもしれないが。
「デイジーさん、首都まではどれくらいなんですか」
「そうですね、うまくいけば日が7回昇った時くらいでしょうか」
「長い道のりですね。改めてありがとうございます。魔法学校のこと」
「いいんです。むしろこちらが謝らなくてはいけません。ガーランドさん達が命懸けで魔物と戦っていたことを知りませんでした。あの方達がずっと抑えてくれてたから後方の街が全て無事だったんです」
「そんなことないです。それに今までは強い魔物は来なかったんです。」
「それも気になっています。あの色の濃い鉱石が全ての鍵ですね」
山を越えて草原を越え街を越えて何回か日が昇ったら懐かしいホルムが見えてきた。
「デイジーさん!ホルムが見えて来ました!」
「本当ですね。では首都まであともう少しですよ。今日はホルムに泊まりましょう」
久しぶりのふかふかな布団とお湯の出るお風呂だ。
デイジーさんの魔法で川の水をお湯に変えて湯浴みもしたがやはり魔力を使わせてしまう申し訳なさが勝ってしまっていた。
宿屋のお風呂がなぜお湯が出るかは知らないが魔力を石にこめて暖かくする方法もあるので、おそらくそれらを使っているのだろう。
ホルムの食堂でも久しぶり柔らかいパンを食べることができた。
ここは魔法学校に通っていた時からの行きつけで、デイジーさんにおすすめしたら是非というので一緒に来たのだ。
「ここの羊肉のスープが美味しいんですよ 羊の乳も使っててまろやかなんです。塩味も効いてて」
「ではそれも頼みましょう。楽しみです ところでエルダさん。ガーランドさんとはどういうご関係なんですか」
「えっ、そうですねぇ関係と言われても、昔から村にいる兄のような存在としか」
「恋仲になるような関係ではないと」
「えええっ なんでそうなるんですか」
「ふふ 聞いてみただけです」
エルダは顔が赤くなるのを感じていた
あの村ではその日を食べていくことに必死で、村を立て直すことばかり考えていた。
恋なんてこと考えたことなかったのは本当だ。
ただガーランドのことは頼もしく思っているとしか自分は認識していなかったことに気づいた。
デイジーが意味があるのかなんなのかわからないが指でグラスをチーンと鳴らした。




