坑道へ
エルダが首都ミドガルディスへ魔法の勉強に行くので、デイジーも帯同することとなった
「魔物が出ないとはいえ野盗や獣は出ますので安全にエルダさんを首都までお届けするのも私達の仕事です。それに向こうの研究の指示も出しておきたいので」
デイジーはそう言って笑っていた
「出発を前にガーランドさん。一度坑道を見にいってもよいでしょうか」
「ああ。俺も行こう。」
あれこれ目まぐるしい日々を送って来たのでずっと気になっていたことを聞き忘れていた
「そういえばデイジー、君はお偉いさんなのか?」
「お偉いさんというか、魔法研究の最高責任者ですね。」
「ええっ。デイジーの意見を聞きに来る調査団の人がやたら多いなぁと思っていたが、まさかトップとは その若さで」
「私は体質もあって魔力の扱いが得意みたいなんです。それを買われただけでまだまだ修行中の身ですよ」
体質か
これはどこまで突っ込んで聞いていいんだ?気になるが、年頃の女性だ
繊細な部分だろう
どこまで突っ込んで聞こうかガーランドが迷っているといつも間にか坑道の入り口に来ていた
鉱夫がひとり見えてくる
坑道は村の南側にあり、広さはうちの村の集会場がすっぽりと入るくらいの円蓋状の洞窟だ
松明が何本も壁に固定され、今日も火が灯っている
祖父の親父の世代から掘っていたと言われ、その時はなぜ掘り始めたの不明だが、淡い黄色の鉱石がちょっとした値段で売れるので小遣い稼ぎに代々採掘していたという
「やぁバルド。まだ今日は採掘しないだろ?なんでいるんだ?」
「おお。それがなぁこの前色の濃い鉱石が出ただろ?あれからなんか雰囲気が変わった気がしてな。それが気になって毎日見に来てるんだ。何か起こるんじゃないかって思ってな」
「雰囲気か。具体的にはどう変わったと思うんだ?」
「なんか背筋が冷えるような気がするんだよなぁ。ひんやりしてるっていうか寒いんだ」
「そうか?俺にはわかんねぇな」
坑道の入り口でキョロキョロしながら中を見回していたデイジーがバルドの前にスッと出て言った
「魔力の濃さが全然違います。ここはすごいです。首都にもこんな場所はありません!」
「デイジー濃さってなんだ?濃いとどうなるんだ?」
「魔力は空気中に漂うもので、私たちはそれを無意識に肌や呼吸から吸収して体内に溜め込み、それを増幅させて魔法を放ちます。簡単にいえばおそらくですがこの場所では他と比べ物にならないくらい魔法の威力が上がります。ちょっと見ていてください」
そう言ってデイジーは人差し指を立てた
途端にぼうっと指先から炎が上がった。それが天井まで届いていた
「!!!!!」
「これ、、 ろうそく程度の3センメルくらいの高さになるよう調整したつもりなんですが、、」
いつの前にかガーランドの目の前まできていたデイジーがぬぅっと顔を近づけてくる
「ガーランドさん 私の推測はあっていました。やはりあの石には魔力を増幅する力があります。これは革命が起きますよ。この力を上手く応用できればありとあらゆるものが恩恵を受けます。世界が変わります」
デイジーは目を輝かせている




