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果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
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七藍剣

「わりぃデイジー 俺いいところでエバンスを置いてきたんだよ ちょっと戻るな とにかく今は安静にしてろよ!」


ガーランドは特に詮索することなくエバンスの工房に戻って行った。


「デイジーさん、成功ってなんの話です?」


「魔属性の抽出におそらく成功しました」


「えっ?」

エルダは何を言われたのか全くわからなかった


頭の中で再度、再生しようとしても文字列が浮かべられない。


「同じ要領でおそらく聖属性も抽出できます」


エルダは固まった。

そもそもそんな属性を聞いたことがない。


「えっとー。あーデイジーさん、無茶だけはしないでくださいね。それでは私も開通工事の続きを」


工事のことで頭がいっぱいだったエルダは、さらによくわからない新属性二つの登場にさらに混乱し、無難なことを言って退出した。


デイジーはそんなエルダの反応がおかしくてニヤニヤが止まらなかった。



「すまんエバンス!戻ったぞ!デイジーは意識が戻った 多分大丈夫だろう」


「そうですか! それは何よりです では戻ってきてすぐですみませんがまた、ここ折り返していただけますか」

エバンスもほっとしたようだ。


「おう」


そう言って藍色鉱石にタガネで切れ込みを入れ、鉄槌で打って折り返す。

もう何層になっているかわからないが、相当折り返したはずだ。


「ガーランドさん これで大丈夫です おそらくですが、これ以上は強度が落ちます」


「おお!じゃあ次はなにするんだ?」


「あとは私が形を整えます。そのあと一定時間火を入れて、冷ますだけですね」


「じゃあ俺にはもう出来ることはないってことか?」


「そうですね。あとは任せてください!」


「おう!頼んだ!エバンス!」


ガーランドはエバンスの背中をドンっと叩き去っていった


「ここからだぞ〜 頑張れウィル」

エバンスは自分を励ましながら、炉に藍色鉱石を入れた。



それから1日経った早朝、

集会場で寝ていたガーランドは肩を叩かれた


「ガーランドさん 出来ました」


エバンスが剣を携えて立っている


「お、おお お、、 エバンス!」


ガーランドは寝ぼけたまま起き上がるが、鞘に入った一振りからは異様な力が流れているのを感じて一気に目が覚める


「すみません まだ自分の力ではこの大きさを打つので精一杯ですが、」


「何言ってんだ!エバンス! とんでもないものを作ったな!俺でもわかるぞ!こいつがなんかすごそうな剣だって」


「ガーランドさんならもっと大きい剣の方がお似合いだと思うんですが、まずはこれを受け取ってください」


「ありがとな!!エバンス!!! こいつは久しぶりに最高に興奮するなぁ!というか軽いなこれ!?」


「ガーランドうるさいぞぉ〜」


ダガーが起きてきたようだ。


「なんだこのえげつない剣は すげぇ魔力垂れ流してないか?」


「自分には魔力はあまりわかりませんが、納得できるまで叩きました」


「俺にも頼んだぞエバンス 俺のはもうちっと小さいのでいいからよ」


「流石に休憩してからにさせてください〜」


「もちろんだ その顔は一睡もしてないな? ほら さっさと寝ろ そこで寝ろ」


エバンスは言われるままダガーに寝床に連れて行かれた。


「どうすっかなぁ とりあえずデイジーに自慢しに行くかな」


ガーランドはまだ鞘を見ただけで、剣を見ていない。

デイジーに見せるまでは鞘から抜くまいと決めた。



と思ったが、早朝行くのもデイジーに悪いと思い、ガーランドは村を散歩する。

ずいぶん変わってしまった村を見て、そしてそれが自分の中で馴染んでしまって、昔の姿が思い出せなくなっていることに気づいた。


「ここなんだったっけな、道具屋だったところか?」


ガーランドは独り言ではない声の大きさで独り言を言う。


用水路も石造りの家でさえ村にはなかった。

デイジーとエルダが中心となって村を発展してくれたのだ。


「、、 許せねぇよなぁ」


「あいつだけは まだ会ったことねぇけどよ」


ガーランドは剣の柄を握りしめてつぶやいた



「デイジー! 剣だ」


病室を訪れたのは昼頃だ。


美味しいご飯屋さんが増えたので、ガーランドは散歩しながら、店が開き始めるのに気づいて、買い食いを開始して気づいたら昼になっていたのだ。

ガーランドは気づいていないが、腰に携えた異様な雰囲気を放つ剣はこの時、村に相当知れ渡り、1日中話題になった。


「あとほれ パン全種類だ」


デイジーは言葉が出ない


流石に、魔法使いでこの剣の異様な魔力を前に言葉は出る者はいないんじゃないかと思った。


「ガーランドさん、あの竜でも倒すおつもりですか」


「ああ」


「え?」

デイジーは冗談で聞いたつもりだった


「思ったんだがよ、いつまでもあの竜にビクビクしててもみんな体に良くねぇだろ 倒しちまおう」


「ガーランドさん 本当にあの竜は強いですよ!?」


「だろうな」


「街の防衛だってまだ全然です!」


「でも、今すぐ襲ってくることもあり得るんだろ?もうこの村自体魔力で満ちてるんだろ」


「それはそうですが」


「もうよ バーンと呼んじまおう んで、倒そう」


デイジーは言葉が出ない


でもガーランドなら、倒せるかもしれない。

淡い期待が大きくなるのを感じる。


「わかりました。でもあと少し時間をください 坑道の外側に魔法で強化した防御壁を作ります 坑道の奥に皆さんを避難させる場所はもう出来てます」


「わかった んでよ、まだ俺も剣見てねぇんだ 鞘だけでな 一緒に見るか」


「ぜひ」


ガーランドが鞘から剣を抜くと、目が吸い込まれるように深い藍色の刀身が現れる。

ガーランドが少し剣を揺らすと、光が当たって一瞬淡い青色になる。

以前使っていた片手剣よりも身幅は細くなったが細剣と言うほどう華奢ではないし、長さがあるので決して小さくは見えない。


「持ってみろ」


「なんですかこれ! 重さを感じないくらい軽いんですが」


「だろ 俺もびっくりだ」


「で、武器の名前は決めたんですか? 名付けると魂が宿って、より信頼関係が生まれて強くなるって言いますよ」


「ナナちゃん剣か大長老剣だな」


「七色背中剣竜大長老の藍色鉱石の剣ですから、七藍剣ですね」


「まぁデイジーはそう呼んでもいいぞ 俺はナナちゃん剣で行くけどな それか大長老剣」


「とにかく、変なところで試し切りはしないでくださいよ 大爆発でも起きたら竜が来ますからね?」


「おう んじゃ素振りでもしてくるかな またなデイジー」


「はい」


デイジーは確信していた。


おそらくあの剣を何にぶつけても大爆発が起きて、竜が来る


あの剣は橙色に輝く鉱石と同等かそれ以上の魔力を放っている


もう戦うしかないのだと覚悟した。

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