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果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
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魔石の威力

デイジーは魔法学校の教員と共にソリで人々を運ぶ為、カル側の山の麓とホルムを1日に何往復としている


山の麓の拠点には、ダガー達がダンジョンから運び出してくれた鉱石イグアナが目立つところに置かれていて、それが今や名物となっており、訪れる人を驚かせ、楽しませている


解体して素材にしようと思っていたが、この拠点の象徴になっているため、かなりの反対意見が出そうな予感がしている


もうホルム-山の麓駅間の運転手を始めて何日経ったかわからないが、デイジーはその象徴を見ながら一息ついていた


「おお、デイジー!ここにいたか」

ガーランドだ


「どうしたんですか?こっち側に用なんて珍しいですね」


「いやデイジーを探してたんだよ。エルダは今、魔法使える奴らと一緒に、土魔法と魔石使って石の家作ってて忙しいんだ。なんか他の奴らは相手してくれねぇしよ。」


「それで、なんですか?」

デイジーは笑いそうになるのを堪えながら、わざと意地悪な言い方をする

よからぬことを企んでいる時のガーランドだとすぐに察したからだ


もう言い方と雰囲気で大体わかるのだ


「お、流石デイジー、俺の話を聞いてくれるのか。俺は魔石でみんなのメシを取ってくるって言ってるんだが、誰も相手にしてくれなくてな」


「そこで私のところに来たと」


「ああ」


「魔石でどうやって食料を取って来るおつもりですか?まさか魔物を狩って食料にするとかではありませんよね?」


「魔物を狩って食料にする」


デイジーはあはっと笑った


笑いながら続ける

「歯ミミズも雷蛙も、鉱石イグアナも結局食べませんでしたね。あれ食べれたんでしょうか」


「わからん。だがもし食べれるなら、でかいのを捕まえれば一気にみんなの腹を満たせる」


「そうですね。やってみなければわかりません。で、魔石の元はあるんですか?」


「ああ。これだ」


そう言っていつから背中に背負っていたのか全く気づかなかったが、大きな布の袋に淡い黄色い鉱石が山ほど入っている


「デイジー、いろんな属性で魔力込めてくれ。水の魔石なら魚の魔物が来るかもしれねぇし、岩ならなんか岩イノシシとか来るんじゃねか?バカでかい」


「、、、、まぁやってみましょう。私もソリの運転は一旦交代の時間なのでこれから村に行きますから、そこでやりましょう」



2人で足に風魔法を付与して、移民の行列を横目にすいすいっと山を登り降りすると、村が少しずつ見えてくるが、見慣れた村とは全く違っていた


ガーランドはほんのちょっと目を離しただけで村が様変わりしていくのを、なんと言い表せばいいかわからなかった


今までは、なんとなく村の輪郭みたいなものが、家や歪んだ木の柵で表されていたが、その輪郭に沿って外側にずらっと立派な4階建ての石材建築が綺麗に並んでいる


ふとデイジーが気づく


屋根部分が斜めになっているのは日当たりを考えてのことだろうか


誰の案だろう、エルダだろうか


新しい建物が村の輪郭とも一定の距離を取っていることにも気づく


これならここに水路だって引けるし、歩道も作れるだろう


こんな移民が大量に押し寄せてくる状況であれば、とにかく数を作りたいので焦ってギチギチに詰めてしまいがちだが、住んだ後のことがよく考えられている


そして等間隔で黄色に輝く岩の魔石が地面に嵌め込まれている


「すげぇな、、」


ガーランドは驚き固まっている


「魔石をそのまま地面に嵌め込むのは改良の余地がありますね。雨で流されてしまいます」


デイジーは冷静に分析する



「建築の邪魔をしてもよくありませんし、早速魔石を作りましょう」


そう言って2人で村に入り、適当なところを見つけてデイジーが魔石に力を込める


「こんなところでしょうか」


できたのは各属性ごとに2つずつの魔石だ


「ありがとう!じゃあ俺はこれを砦に置いてくるな!」


そう言って砦に駆けていった


「では私は作物の研究ですかね」


そう言ってデイジーはまた村の外に出る


この辺境の村は山に囲まれているものの、山までの平地部分は意外と広い


人口5万人と言われていた首都ミドガルディスが南部だけでもすっぽり収まるどころか、北に広がる平原を入れればミドガルディスがいくつ収まるかわからない


東西にもずっと進めば山にぶつかるが、それまでは森と平原だ

当然山があれば川もあるので、水も汲む手段さえ確立できれば困らないとデイジーは思っている


魔物を恐れて動物も寄り付かないが、ホルムから羊と馬は運んできている

カルの領主からも牛をもらって育てよう 


デイジーはそう考えながら草の魔力を魔石に込めて適当な場所に適当に投げた


その場で草魔法を放つと投げた魔石が緑に光って位置を知らせる


「なるほど、なるほど。いいですね じゃああとは何か苗をもらってきますか」



次の日だった


朝ごはんを食べようと集会場にいくとデイジーがパンを片手にスープを飲んでいた。


「ガーランドさん、魔物は出ましたか?」


「いや、全然だ。全く何もこねぇ。倒しまくってたのがよくなかったのか?」


「こちらは芽が出ましたよ」


「なんだぁ!?」


「にんじんもナスもトマトもきゅうりも芽が出ました。1日で」


「おい待てデイジー、よくわかんねぇ麦しか育たない土地だったんだぞ?」


「魔石の威力、とんでもないですね」



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