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果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
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辺境の村、街になる

「ようこそ!辺境の村へ!」


ガットがニコニコしながら手を振って避難民を歓迎する


無邪気な笑顔を自然に作れる彼は、まさに適任だろう

なんで私もこの役目なのと言う顔を全開にして、隣でエルザも嫌々手を振っている


手を振り返すもの

遠くにそびえ立つ砦に歓声をあげるもの

意外に村が発展していることに驚くもの


皆、それぞれいろんな感情を抱えながら山を越えてやって来るのだった



--時は少し遡り数日前


これまでもガーランド達にとっては怒涛の日々だったが、村に帰省してからはさらに怒涛の日々だった


デイジーはダガー達がカルの防衛の手伝いに来てくれたのを見るや否や、あとはお願いしますねと言って、ホルムまでソリに乗って、すっ飛んでいった


久しぶりに会えたデイジーと話をしたかった団員が大勢いたのだが、それは叶わなかった

団員の間ではデイジーは密かに大人気だ


デイジーがホルムに向かった時から、すでに移民の大移動が始まっていた


「ほれ、ガット」

ガーランドはエルダが風魔法で切った大木を軽々と運んで団員達に渡す


渡すと言っても、団員3人がかりでも持てないので結局、足元に落とす


カル側の山の麓に、これからこの山を登ろうとするすべての者達のために、拠点を作っているのだ


「エルダ!すごいなぁ 風魔法も使えるようになって」


ガットが目をキラキラさせて続ける

「他にはどんな魔法が使えるんだい?回復魔法が得意だろ?じゃあどんな傷ももう治せちゃうんじゃないのかい?」


エルダは近くで街道を整備しているデイジーと目を合わせる


デイジーを蘇生したことを、エルダは未だに誰にも話していない

ガーランドにも秘密にしている


何か禁忌に触れている気がしたからだ

デイジーがあのあと、意識がはっきりしてきて、泣きながら『ありがとうございます』と言った時の顔を昨日のことのように思い出せる


ガットにはまぁね、とだけ返しておく


デイジーはカルから拠点へと続く道を、土魔法で硬度な石を生成して綺麗に並べている

その脇に幅15メルほどのソリ用の道路もふかふかな土を敷き詰めて確保する


つまり、歩道とソリ用道路を作っていくにはおおよそ、幅20メル程、必要と言うことだ


ダガー達が発見した村の鉱石の魔石化の威力は凄まじかった


普通なら土魔法で何かを生成しても、魔力が足らずに、あっという間に霧散してしまう


だが、魔石は疲れ知らずで、魔力を放ち続けている


まだ詳しい実験はしていないが、ダガーが言うには、少なくとも村で作った魔石は月が一周してもまだ魔力を放ち続けているという


土魔法が霧散せずに、半永久的にその場に残り続けるかもしれないとなると、まさに大革命だ


魔石の能力を知った時のデイジーの喜び方はすごかった

嬉しさのあまり、ダガーに殴る蹴るわの暴行を行っていたのだ


と同時に、デイジーは魔力研究していた時になぜ自分はこの魔石化に気づかなかったんだ、なぜあの色の濃い鉱石ばかりにこだわってしまったのかと、一瞬自分を責めそうになるが、すぐそこにガーランドがいるのに気づく


暗い顔をしているとまたガーランドに何か言われるのが目に見えてるので、反省は落ち着いた時に思う存分しようと切り替えて、再びダガーを殴った


魔石には魔力を込めると言う工程が必要だし、街道には等間隔に配置しないといけないと言う手間はあるが、それでも魔石のおかげでとんでもない速度で幾何学模様に並べられた見た目にもデイジーのこだわりが詰まった石畳の道は出来上がっていった


ソリ用のふかふか土は、魔力でふかふかにさせただけで、維持するも何もないので、おそらくそのままでいいだろう


デイジーは魔石から出る魔力の量を、石畳を維持できる最低限にまで制御すれば魔物を誘き寄せることなく街道を維持できるのでは、と思いついたが、今はそんな研究している時間がないのがもどかしかった



そして今だ

ガット達に出迎えられ、遂に移民第一号が村に到着したのだ


これから、首都の移民、ホルムの移民、合わせて3万人が山を越えてやってくる手筈だ


村から街へ昇格する条件の1つである『人口』はもうすぐ達成される


が、そんな条件達成を喜んでいる暇はなかった


とにかく家を、水を、食料を集めなければならない

圧倒的に足りていない


移民が自ら持っているものもあるがすぐに尽きてしまうだろう


今まで400人の村だったのだ


一気に3万人など養えるわけがない


このままでは皆、餓死してしまう


皆が食料問題をどうしようか、村の入り口で移民を出迎えながら考えていると、ガーランドがわかった!とでかい声で叫んだ


「魔石ででっかい魔物おびき出してよぉ 倒して食っちまおう。強いやつなら消滅しないんだ。な?いい考えだろ?」


皆、また変なこと言い出した、相手にしないでおこうと言う顔をするか、怪訝な顔をしているが、ガーランドは本気のようだった


「それより流石にそろそろ村に名前付けねぇか?」


ダガーが言った

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