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果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
39/53

エルダ、鉱石イグアナに氷を突き刺す

エルダは焦っていた


目の前に立つ2人が思っていた以上に強すぎるのだ


エルダだって自分なりに出来る限りのことはして来たつもりだ


だが才能なのか経験なのか努力なのか分からないが、とにかく出鱈目に強い2人を一番近くで見ていたら、例え焦らなくていいと言われても無理なものは無理なのだ


そんなことを考えていても、敵は待ってはくれない

もう戦いは始まっている


「まずはこれですよね」

そう言ってデイジーは尖った岩を最速で鉱石を纏った爬虫類にぶつける


鉱石部分が硬すぎるのか、全く効かない

部分と言っても表面は全て鉱石なので、実質全面効かない


「ありゃイグアナだな」


デイジーの実験を横目に、ガーランドが顎をさすりながらまだ呑気なことを言っている


「鉱石イグアナだ」


「分かりました!それで行きますから!戦ってください!」

デイジーが持てる魔法を全て駆使して弱点を探る


だが、弱点実験は岩魔法が一番マシだったと言える結果になった

イグアナの鉱石が虹色に輝き出したかと思うと、炎や氷魔法を反射させる


「エルダさん!危ないっ!」


反射で一直線に飛んできた火球を間一髪でエルダが避けるが、何も貢献できていないどころか、いよいよ魔法が反射されだしたのを見て、焦りが加速する


足手纏いにならないようにしないと、だけど攻撃手段がない


そんなことばかり考えて、足が止まってしまう


と、鉱石イグアナは体を丸めて、回転し始める

始めはその場で回転しているだけだったが、回転が高速になると、回転しながら床を足で蹴ったのか、一瞬で距離を詰めてくる


狙われたのはまたもやエルダだ


「避けて!」

デイジーがそう言うが不意を突かれすぎて足が固まってしまった


「おらっ!」


ガーランドが全速力で駆けて、回転するイグアナを真横から体当たりして軌道を逸らした


「大丈夫か!エルダ!」


ガーランドが叫ぶが、大丈夫なのかと聞かれるべきなのは、どちらかというとガーランドの方だ

体当たりでぶつかった部分が、回転するイグアナの摩擦で研磨されて削られ、血だらけだ


エルダが急いで駆け寄って治療しようとするが、ガーランドが手でこっちにくるなと制止する


「治療はいい。あいつから目を離すな」


イグアナは不規則な挙動で回転し、こちらを狙ってくる


エルダは得意な回復もさせてもらえず、ガーランドにも怪我をさせてしまって、いよいよ呼吸が浅くなってくる


「エルダさん、落ち着いて。 私を見てください」


少し先にいるデイジーの顔を見ると、彼女は話を続ける

「目だけは鉱石じゃありません。つまりそこが弱点です。ただ回転していて当てづらいですから、私がなんとかして動きを止めますので、目を破壊してください」


静かに冷静にそういうと、動きを封じるべく、岩魔法でイグアナを囲うように壁を作る


しかし回転するイグアナは簡単に岩の壁を壊してしまう


「ではこれならどうですか!!!」


イグアナの足元から巨大な岩が突き出る


イグアナが宙に舞い、回転が強制的に終了する


「今です!!」


エルダは呼吸を止める

全神経を目の前に生成したばかりの氷の軌道に集中する


行け!

心の中でそう叫んで、イグアナの目に一直線に飛ぶようにイメージする


エルダの体感では放った瞬間、氷はイグアナの目に刺さっていた


だがそれでもイグアナは床に叩きつけられると、再び回転を始めようと丸まる


「いい加減にしろよなっ!」


ガーランドはイグアナに蹴りを入れて倒し、鉱石の体に剣を無理やり突き刺す


不快な金属音のような断末魔をあげて、イグアナは力尽きた


「エルダ!!!やるじゃねぇか! あそこからあそこだぞ!?」

ガーランドは、エルダがいた所からイグアナが舞っていたとこを指差す


「やりましたね!エルダさん! あの距離を正確に射抜くなんて!私なら一発では無理です!」


デイジーなら一発で当てれると思ったが、そうやって褒めてくれる優しさが嬉しかった

そして大事な役目を任せてくれたことも嬉しかった


エルダはさっきまでの焦りが嘘だったかのように、体に力が入るのを感じる


明日も頑張ろうと思った







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