表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
31/53

ホルム防衛戦

謎の乗り物が突然、突進してきたのだ

船着場のおじさんたちが目を見開き硬直しているのは当然の反応だ


ラスターはふと我に帰る

船着場にギリギリで入り込めた安堵と、無我夢中で飛び込んでいった自分を思い返し、ちょっと恥ずかしくなってくる


「す、すみません ミドガルディスから参りました。ラスターと申します。避難民の方を護送して参りました」

「お、おう」

おじさん達はまだ状況を受け入れられない


そんなことより魔物だ

押し寄せてくる魔物を追い払わなければ

戦えるものがどれほどいるだろうか


「皆さん!安全な場所に行きましょう!」

ラスターがそう叫ぶと放心状態だった乗客たちも我に帰りだす


「ほれ、これで降りてこい!」

船着場からソリの縁に、幅のある丈夫そうな木の板がかけられる


あの飛んでいる魔物に魔法は効くのだろうか

炎を打ってみるか

ラスター一等魔法使いは風魔法より炎魔法の方が、実は得意だ


避難が進んでいるので牽制するという意味でも一番近い魔物に標的を定める


ソリの上から魔物に向かって手を突き出すと、指先から南瓜程度の大きさの火球ができる


いけ!

そう心の中で念じると火球が空飛ぶ魔物に一直線に放たれた


火球は魔物に空中でぶつかり爆発する

煙がかかってどうなったか目視できない


魔物がいた方向を凝視していると、船着場の方からいくつもの声が重なった甲高い悲鳴が聞こえてくる

ラスターは風魔法の助力を得て、すぐに悲鳴のした方に駆ける


状況はすぐにわかった。

船着場から出るとすぐに大通りだった


遠くに大きな門が見える

そこから人型の魔物がいくつか侵入しようとしているのだ


「こりゃやべぇな、、、」

船着場のおじさんの一人がいう

おじさん達が立ち尽くしていると言うことは行き場がないのか?

避難する場所がないのか?

ラスターも次の最善手がわからないので動けずにいる


外と内で門を介した押し相撲のようになっている

少し門が開いては人型が顔を出すが、門を守っている兵士が槍で仕留める


だがラスターはあることに気づいた

兵士の数が圧倒的に少ないのだ

ここは今、この防衛戦において最大の要所だと思われるのに、20名もいない


兵は逃げ出したのか?


これではまずい

どうする

デイジーに助けを呼ぶか?

私だけでソリで行けば、安全を考えずに全速力を出せばどれくらいで首都につけるだろう

避難民を置いて行っても大丈夫なのか?


それとも私が防衛に参加するのは?

炎だと門が燃える

水魔法なら、いや風魔法で飛ばすと言うのは?


ラスターは考えつく限りの選択肢を頭に並べる

「こっちだ!こっち!」


高台にある一際大きな屋敷から人々が大声で呼んでいる

ここまで逃げてこいと言うことだ


避難民の安全はひとまずあそこにいれば良いかもしれない

皆に行くよう指示をする


ラスターの頭の中の残りの選択肢は参戦か救助要請に走るかの二択になっていた

だがラスターは自分の魔力と相談した

魔力が濃くなって体内で増幅できる力が大きくなったのは感じるが、もう体に限界が来ていた


街の周りにはまだ大勢いる

どれくらい長い戦いになるかわからない

助けを呼ぼう

首都まで走るのだ

最後の力を振り絞り首都に戻ってデイジー達の力を借りよう


「すみません。」

先ほど船着場にいたおじさんの一人に話しかける

「水門を開けてください。私一人、助けを呼びに行きます」


おじさんは戸惑っているが藁にもすがる思いだ

「ちょっとしか開けねぇぞ?ギリギリあの変な船が通れる分だけ開けてやる」


あの空飛ぶ魔物に炎が効いたかどうか確かめられなかったのを、今更悔やみながらラスターはソリに乗って風魔法を放った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ