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果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
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ガーランド、黒光りを切る

首都に充満していた暗い雰囲気がガーランドが来たことで和らいでいくのをエルダは肌で感じていた

長年戦ってきた男の余裕なのか?とガーランドの顔を見るが、ただのいつもの見慣れたおじさんが目に映るだけで特に何も感じなかった

逆にこの脱力感がいいのかもしれない


「どうしたエルダ。俺の顔見て エルダもどうすればいいか考えてくれよ」

そうだ。今、目の前では大人たちが地図を囲んで険しい顔をしながら睨めっこしているのだ

避難民の辺境の村への移住計画が練られている

「そもそも何人くらいうちの村に来るって言ってるんだ?」

「まだ正確な人数はわからないけど、少なくともホルムよりも人気みたい」


エルダが続ける

「デイジーさんが辺境の村だけずっと魔物と戦ってきたってこと言っちゃったのよ。だからそれならそっちの方がいいって」

「まぁ事実だしな」

「だけど、村に住むところないじゃない」

「それなんだよなぁ。でもな砦は結構デカくなったんだぞ?北からの侵攻はだいぶ防げてる。竜が来たらわかんねぇけどな」

「砦になんか住めないでしょ」


移動するにしても何回かに分けて移動しようことになった

そもそも一気に何千人も移動できるだけの食料がない 

水は最悪魔法でなんとかなるが、魔法の水は苦いのだ 

苦いとなんとなく体に悪い気もしてくる


デイジーはサラマンドと話をしている

簡潔に言えばどこまで協力してくれるのか、と言うことだ

「飛空艇に移住する方達を載せていただくのは可能でしょうか」

「出来るが、乗せれて100人だ。1万人以上いるんだろう?全員がお行気よく素直に並ぶとは思えないな。こうなったときの人間は喧嘩じゃ済まない。命の取り合いになる」

「子供であれば優先して乗ることに誰も異論はないでしょう。」

「まぁそうだ。だがそれで一緒に親も乗るだろう?そうなるとそれはずるいと言い出すものが出る」


デイジーが綺麗に磨きがれられた鋼鉄製のひんやりした机を指でトントンする

少し時間を空けて

「親は陸路を行きましょう。子供達だけまずは優先して乗せるというのはいかがでしょう」

「それでいいなら、協力しよう」


デイジーは礼を言うと急いで今の話をガーランドたちに伝えるべく飛空艇の甲板から飛び降りる

風魔法の補助を受けて着地すると、北門を目指すがその時あるものに気づく

この前倒した巨大歯ミミズだ


漆黒の亡骸は倒したあの場所にまだ綺麗に残っている

口内を攻撃した為、外側の固そうな甲羅みたいな皮膚の部分は無傷だ

あれは魔法も効かなかった


これを加工できれば何か作れるかもしれない

加工できればの話だが


「ガーランドさん!あれ切れますか!?」

風のように現れたデイジーがそう言って目を輝かせている

なんだぁ?と思う隙もなくガーランドは風魔法の恩恵を受けて北門まで強制的に運ばれる


「あれです」

「おぅあれか。あれなんだ?」

「巨大歯ミミズです」

デイジーは自分の中だけで読んでいたあの魔物の名前をついに世間に公開した


ガーランドの腰には騎士団からもらった鋼鉄製の片手剣が携えられている

デイジーが手配したものだから覚えていたのだ

これなら切れるかもしれない


「この辺のミミズは黒光りしてんのか?なんかやたらでけぇしよ」

「このミミズがなんなのかはわかりませんがとにかくお願いします。ザクっと」

そう言ってデイジーは空の手で、空想の剣を歯ミミズに突き刺してそのまま下に流すように切る動作をする

おう!そう言ってガーランドは片手剣を黒光りする甲羅のような皮膚に突き立てる


するするっと剣が入っていく

ガーランドは想定よりも剣の進みが早かったので体制を崩してしまう

「うおっ」

「ガーランドさん!すごいですよ!するするじゃないですか!」

こうしてガーランドは人生で初めて訪れた自国の首都で訳もわからず黒光りするミミズを切ってこけて褒められたのだった

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