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果ての絶対防衛  作者: teddy
2章 二カ国協定
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ガーランド、初めての首都

巨大歯ミミズ討伐後、シェリ王国守備隊の協力もあって瓦礫の撤去作業はあっという間に終わった

守備隊のおかげで瓦礫の中にいた、まだ息のある人々の命が助かったと言っても過言ではない

総勢100名を超える王直属の精鋭部隊で来てくれたらしい


守備隊の魔法の扱いが丁寧でエルダなどわずかな休憩時間に気に入った魔法使いを見つけては齧り付くように観察していた

「今のどうやってやったんですか!?」

真っ直ぐな目でエルダに迫られた男性隊員はたじたじだ


「なぁずっと気になってたんだが、なんだあの黒くくり抜かれてるのは?魔法で暗闇になってるのか?空の色がなくなったのか」

サラマンドがデイジーに聞く

「あそこに村で取れた鉱石を置いていました。鉱石を囮にして街を守ろうとしていました。それを竜が破壊したんです」


自分のせいで起きたことなのでデイジーはあまり言いたくなかった

「鉱石?」

「色々あって、今は神と魔神の結晶になったものだと推測されています」

「な、 正気で言ってるのか?」

「はい。魔人も出たそうです」

「!!!」


サラマンドは頭をふってこれ以上は無理だとでも言うように手を払う仕草をしてどこかへと歩いていった


と、思いきや少し離れたところからサラマンドが聞こえるか聞こえないかくらいの大きさで言う

「魔人のことなら俺たちも少し知っている」



瓦礫は一箇所にまとめられ炎魔法で跡形もなく焼き払われている

こんな殺風景な街など初めてみる

デイジーは燃え盛る瓦礫を見ながらふとこんなことになる前の街の姿を思い浮かべていた

「あそこの公園でよく遊んだんだけどなぁ」

遊具が吹き飛んでしまって更地になった場所を見ながらそう呟く


ランカスター共和国首都ミドガルディスには元々おおよそ5万人の人々が暮らしていた

今回の竜の襲撃で避難できたのは約半数といったところだ

それでもあの短時間で半数が逃げれたのは魔法学校の職員のおかげだ

とにかく物理的に門の方へと風を送り、竜が来た時など威力を最大にして強引に市民を門外に追い出していた


しかし、街の外に逃げても竜が鉱石を破壊した衝撃波で多くの人が亡くなった

そしてまだ街の中にいた人は言うまでもないだろう

瓦礫の中から見つかった命があるものが数百人


死者、行方不明者は推定約4万名にのぼる

それでもあの被害で1万人は生き残ったのだ


次の日にはホルムの代表が来た

「これは、なんという、、、」

代表は目の前に広がる街の惨状にしばらくその場を動けずにいた

光が気になって馬を走らせ見に来たのだという


代表が少し落ち着いたのを見てデイジーが切り込む

「それですみませんが避難民を受け入れていただけませんか?」

ボロボロな姿で身を寄せ合って道のあちこちにそれぞれ小さい塊を作って不安そうな顔を浮かべる人々を見てダメだと言える人間はおそらくいないだろう


「受け入れよう」

目を瞑りながら代表は頷く

彼は彼なりに色々責任ああるのだろう。大きな決断だったようだ


「それとホルムにも魔物が襲撃する可能性が高いので、防衛もよろしくお願いしますね」

デイジーがさらっとそう言うと言葉も発せず血相を変えてホルムへと引き返していった

大丈夫だろうか

ホルムへの移住希望者は次の日に魔法学校教員の先導で行くこととなった


当然こんなことになってしまったが首都に残りたいと希望する者も大勢いる

デイジーは首都を再建すべきか迷っていた


数日が過ぎたが魔物は巨大歯ミミズ以降は弱いものしか現れずそれほど苦戦はしなかった

そんな時あの男が北の方からとんでもない速さで馬を走らせてやってきた


「エルダーーーーー!!! デイジー!!!!!!!!」

ガーランドだ

デイジーは気付けば手を振っていた

久しぶりの再会に何故か異様に嬉しくなる

涙が出そうだった


エルダはガーランドの方へと駆け出していった

ガーランドはエルダを少しの間何も言わずに抱きしめた後、エルダの肩を掴んで揺らす

「無事か!どうなってんだこれ?何があった!」

エルダは自分が見た限りのことを端的に話す


デイジーもやってくる

ガーランドと目が合うがデイジーはもしかして自分も抱きしめられるのかと恥ずかしくなり、ガーランドも距離感がわからないので抱きしめるか否か迷っている。気まずい空気が一瞬流れる


ガーランドと一緒に旅をしてきた騎士団副団長はサラマンドと話しているようだ

「その鎧、シェリの守備隊ですか」

「お、知ってるのか そっちはランカスターの騎士団だな?」


「でもよぉ、初めて首都に来たんだが、まさかこんな時とはなぁ」

エルダとデイジーの無事を確認して気が抜けたガーランドがボソッと呟く


「ガーランド、村で避難民を受け入れよう?」

エルダが言った


「ああ。構わないが、村は手狭だからな もっと大きくしないといけないな」

辺境の村は開拓しようと思えば土地はいっぱいある

石造り建築の技術はデイジーのおかげで村にもたらされている

「デイジーありがとな!デイジーのおかげで石造りの家をみんなが作れるようになったんだよ。人が来るならどんどん作らないとな!!」


デイジーの緊張が一気に緩む

急にそんなこと言われたら泣きそうになる

デイジーは気づくとガーランドに抱きついていた

ガーランドはそっと受け止めて頭を撫でた

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