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果ての絶対防衛  作者: teddy
1章 神々の結晶
18/54

ランカスター国立魔法学校

エルダが魔法学校に入学してから月の満ち欠けが一周した頃だった

学校の雰囲気にもだいぶ慣れ、転入生でありながら座学、実践授業共に上位数名に数えられる成績を修め、ガーランドになんて自慢してやろうかと手紙に書く文章を考えているような時だった


エルダは医療魔法においてはつい先日実践試験で校内で首位の成績を修めている

エルダの魔法は他の生徒よりも数倍、いや数十倍の速度で発動する。あとは精度を高め、力を増幅をより効率的に出来ればとんでもない魔法使いになるというのが全ての教員に共通する見解だ


先日も教員との模擬戦ではエルダの炎魔法の速度が早すぎて教員が避けきれずに被弾した

エルダは平謝りだったが、威力こそ抑えられていたので怪我はなかったが教員は驚きのあまり気絶していた

生徒からは割れんばかりの拍手が起きた

教員を気絶させるなど子どもには格好のネタだ

変なあだ名がそろそろできる頃かもしれない


友達も何人か出来た

が、他の生徒よりは少し大人なため、どちらかというと突然つよいおねぇさんがどこからか急にやってきたような感覚だ

ほんとは教員なのでは?と疑う子もいる


寮でも寮母さんからの信頼をすでにがっちりと得ていて、小さい生徒をお風呂入れたり、ご飯を食べさせてあげたり、掃除、洗濯を手伝ってあげたりと縦横無尽に駆け回っている

しかし普段から村でやっていたことなのでエルダはまったくそれを負担に思ってはいない

ただの日常の動作だ


いつも通り座学の授業を受けていると、突如、校庭の方から大きな音がした

いや音というより声だ。魔法で声を拡散したような

「エルダさん。第7教室所属のエルダさん。至急、草の棟1階の執務室までお越しください」

私のことだ。急に呼ばれると心臓がざわつくのは自分だけだろうか

こう言う時だけは奇異な目で見られる

視線を避けながらそそくさと教室を出る


執務室のドアを開けるとデイジーがいた

「お久しぶりです。以前お会いした時からちょうど月が一周しましたね」

「デイジーさん!お久しぶりです!」

「優秀な成績を納められていると聞いていますよ。私も鼻が高いです」

「あはは。ありがとうございます。」

「それでどうしたんですか?何か緊急事態でも、、村のことですか?」


デイジーは身を少し屈めて内緒の話をしますよという雰囲気を出す

「魔人が出たそうです」

「ええっ!?」

「私も信じられません。ですが嘘をつく意味もありませんからそうなのでしょう。こちらです。ガーランドさんの手紙を持ってきました」


そう言って手紙を渡される

よく見たガーランドの文字だ

間違いない。私が一番よく見ていると言っても過言ではない。なぜなら私が読み書きを教えたのだから。


「なんですかこの追伸のところ。ちなみに鉱石は神と魔神が混ざったものらしいって」

「本当にそうなんです。そこなんです。追伸でさらっと書くようなことではないんですよ。ただそうなると色々仮説は立てることができます」


デイジーの仮説を要約するとこうだ

何千年、何万年前かに神々の戦争が本当にあった

そこで神と魔神が相打ちになり、辺境の村の地下で眠り結晶化した

戦いの時に周辺一体の魔力を全て使い果たしたのでランカスター領には今でも空気中に魔力がない

そしてその魔力は全てあの鉱石に封印されている


「ちょっと話が壮大すぎて信じられませんが、そうだとしたら私は何も知らずに20年ちょっとあそこに住んでいたと、、、」

「私も自分で仮説を立てておいてあり得ないと思いますが、魔力がない説明も、あの鉱石から出る異様な魔力も説明できます。神性と魔性が両方詰まっているのですから」


なるほど、とエルダは頷く

「あと魔人は帰ったんですね」

「ええ。本当にそんなことがあったのか。最初はガーランドさんが空想小説でも書き始めたのかと疑いました。いえ、今でも少し空想小説なのではないかと疑っています。彼にそういう趣味は?」

「ありませんね。物語は書けない部類の人間かと」

エルダはガーランドが空想小説を集会場でやいやい言いながら書いているところを想像した。いや正確には想像しようとして全く浮かばなかった

デイジーもおそらく今、似たような想像をしている気がした


一瞬変な空気が流れる


少し沈黙の後、テイジーが言う

「とりあえず村のことでしたので。内容が内容ですし、エルダさんにもお伝えしなければと思いまして」

「わざわざありがとうございます。デイジーさんはお仕事の方は大丈夫ですか?」


「あー、、、 こちらでも問題が起きていますがそれはまた別の機会にゆっくりと話しましょう。まだ何も解決していませんし、ありのままを話してもいたずらに不安にさせてしまうだけですので。せっかくエルダさんとこうしてお話しできるんです。楽しいお話をしましょう」

ニコッと笑いながら言うが相当心理的負担が大きい状況らしいということはすぐに伝わった

なんて声をかけようか悩んでいると逆にデイジーから質問返しを受けた

「学校はどうですか?」


「医療魔法は得意かもしれませんが、草と氷がどうしても苦手なんです。何かこうしたらいいとか助言はありますかデイジーさん」

「そうですねぇ。魔法は感覚によるものが大きいのでエルダさんに当てはまるかわかりませんが、お腹に力をふっと入れて体ごとバッと魔力を放出する感じでしょうか。想像と体の動きを一体にするというか、こう草が生えてくる感じを、こう」

デイジーはそう言って何かニョキニョキしたような動作をする

あ〜〜〜。デイジーさん魔法に関してはほんとに感覚派なんだ〜〜。と思ったエルダであった

お盆休みが今日で終わるので更新が少し緩やかになると思われます

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