ガーランド、最新技術に触れる
魔人が去った後の村は異様な雰囲気に包まれた
もちろん全員魔人を見るのは初めてだったし、攻撃をしてこないどころか忠告を残して去っていったのもかえって不気味さを残していった
「ガーランドさん、どうするんですか」
集会場に戻ってくるとおそらく魔人の話を気聞かされてほやほやであろう医療団の責任者のマーカスが頭を抱えていた
「どうって、人間の言葉を話す魔族って居るんだな。」
「そこじゃないでしょう」
マーカスの鋭い突っ込みに構わずガーランドが続ける
「大発見だよな。あとで早馬を出してデイジーに報告しないとな」
すまない早い馬さん。ずっと使いっ走りさせてしまって
「マーカスはあいつが次はこの村を襲いに来るって思ってるのか?」
ダガーが聞いた
「わかりませんが、どんどん強い魔物が現れるので流石に緊張が爆発しそうです。ついに人語を話す者まで」
「俺はあいつは襲ってこないと思ってる。墓参りだそうだ」
ガーランドがさらっと言う
「そんな、信じるんですか?得体の知れない初対面の魔人を?」
「あいつは来ないにしても別の魔人は来るかもな。ここがバレたらな。マーカス一度中央に戻ってもいいんだぞ。心の休息も必要だ」
マーカスはハッとした顔をして静かに立ちガーランドと向き合う
「すみません取り乱しました。私は覚悟してここに来ました。逃げはしません。ここで奮闘する貴方たちを支えます」
「ありがとうマーカス。助かるよ。それに俺らがお前らを守るんだからそんな心配するなよ」
マーカスの肩をぽんっとガーランドは叩く
叩かれた肩に今までにない温かさを感じた
「ここが辺境の村か? おーい!誰かいるか!」
村の南口の方から何やら声がした
「おっ騎士団か? おー!!ここだ!ようこそ我が村へ!」
ガーランドが南へ駆け出す
「貴方が村長か?いや、にしてはやたらガタイがいいな。戦闘員か?」
「俺はガーランド。防衛団の団長だ。わざわざ中央からこんな村のために来てくれてありがとう」
「何、大した旅ではなかったよ。それに命令だからな。私はギルハート。騎士団副団長だ」
俺より年は少し若そうだ。
線は細いが鎧の隙間から見える筋肉は見事に浮き出ている
姿勢も良く、無意識だろうがいつでも反応できるように常に剣の近くに腕を置いている
相当鍛えていそうだ
ガーランドは素早く観察しながら、それを勘付かれまいとわざと大袈裟におどけて言う
「副団長様!こりゃ大物だ。そんなすごい方が来て下さるなんてデイジーもすごいなぁ」
おそらくよせよという意味で手を軽く上げてギルハートは続ける
「武器と防具も持ってきた。ここには強い魔物が出るんだろう?」
「ああ。さっき魔人も来た」
「魔人!?おとぎ話でしか聞いたことないぞ。本当に言っているのか?襲われたのか?」
「いや、墓参りだそうだ。いつか会えるかもなギルハートも」
「????」
ギルハートは頭を傾げながらガーランドの冗談として処理したのか深くは追及せず、騎士団員が持ってきた
武器と防具が入った木箱を受け取る
「ほら。一級品を持ってきたつもりだ。後ろには機械式の投擲機や大弓なんかもある。組み立てないといけないがな」
日に照らされて鋭く輝く鋼色の防具や武器の数々がそこにはあった
「合金製だ。鉄より固く刃こぼれしにくい。防具も軽さを追求してあるが丈夫だ」
おお〜といいながらガーランドは片手剣を一本掴んでそのまま空を切る
「軽い!これはすごいな!!!ありがとう!助かるよ」
またギルハートはよせよの手の動かし方をした
この動作が癖なのだろう
設置型の投擲機や大弓は砦につけることとなった
その砦だが前回の戦いの反省を生かし、改善をすることとなった
まずは配置だ
今までは森を伐採して円状に開けた空間の中央にどんと構えているだけだった まさに最終防衛地点だ
だがここを壊されてしまうと、もうすぐ後ろは村だ
試してみないとわからないが、今の砦を主軸にして補助的な砦をもっと前方や東西に増設する必要があった
後方、つまり南側にも大きな砦が必要だろう
森にも櫓のような塔が必要だ
弓兵がいろんな箇所から迎撃できるようにしたい
森の中から魔物がそのまま通過して村に来る可能性もある
今までは直線的な知性の低い魔物しかいなかったからガーランド達めがけて襲いかかってくるだけだったが
人語を話す知性のある個体もいるとなる話は別だ
防壁を作る必要もあるだろう
が、資材も人手も足りなかった
特に石切だ
もうデイジーがいないので水の魔法でスパッと切ってもらうことは出来ない
専用の建築道具で人の手で石を整形しなければならない
まずは石を切る作業に大半の人間を持っていかれ、砦構築までには至っていない
魔人が出現して以来、危機感が高まり早急に砦を増強せねば次いつ魔物が来るのかという不安が村を包んでいた
すみません今ある砦は円状に開けた平地の中央でした!南側じゃないです!修正しました!




