ガーランド、魔人に会う
ガーランドは日課の鍛錬を行なっていた
素振りや自重を使った筋肉の鍛錬、実践形式の打ち合いも団員と行う。
先日デイジーから早馬がきて、騎士団がもうすぐ来るということだった。
武器や防具も届くという
非常にありがたいがなぜデイジーは鉱石のことだけでなく俺たちのことをここまで気遣ってくれるのか単純に気になった。
そんな時だった
空から一体、人らしきものが降ってきた
いや、翼が生えている
「ふむ。あなたがこの街の長ですか」
翼の生えた人間がそういう
ガーランドは言葉が出ない
この翼人間の威圧感はこの前の大巨人や蛇の比ではない。
全滅する未来が見える
みんな逃げろ!と叫ぼうした時だ
「おや。ランカスターの言葉では分かりませんか?ここはランカスター領だと思い込んでいたのですが。シェリの言葉でしょうか」
「いや。ランカスターでわかる。あんた何者だ。人なのか」
「私は人だと思ってるのですが、平たく言えば古から魔族と呼ばれる存在ですね。あなた達からすれば魔人です」
そう言ってニコッとしたこの男は、威圧感こそすごいが今のところ殺意は感じない。
「長ではないが、防衛団の団長だ。ガーランドという」
「ガーランドさん初めまして。私は親もおりませんので、誰かにつけて頂いた名などないのですがクシャと名乗っています」
「それで何の用だ」
少しでも自分を強く見せたいためか、恐怖を隠すためか、ぶっきらぼうな言い方になる。
「魔石。ありますね?この前反応を感じました。蛇を倒すところも見ていましたよ。見せていただけますか?魔石」
案内するべきか
こいつは何がしたいんだ?
思考を巡らせているとダガーがこちらに駆けてくる。
「おっとこれは。とんでもないことに。敵さんか?どうやらそんな雰囲気でもないようだが」
「ああ。坑道を見たいそうだ」
「それはまた、どうして」
ダガーがクシャに尋ねる
こういうところで怖気付かないところをガーランドは見習わなければと、こんな状況でも思った。
「あれはおそらく神と魔神が溶け合ったものです」
「人ではなく神の方の魔神です」
「それを確かめたく」
そんなようなことをクシャと名乗る翼人間はサラッと言った。
神なんておとぎ話だろ?魔人ですらまだ受け入れてないのに神?魔神?
ガーランドは突飛な話に目眩がした
結局クシャを坑道へ案内することになった
研究を続けていた調査団が目を見開く
「ああ。すまんが下がっていてくれ。害はないよ」
落ち着かせるためにそういうがガーランドは1秒たりとも油断してない。
クシャは敵意などないように飄々としているが、自称魔族だ。
いつ攻撃してくるかわからない。警戒を解くつもりはない。
それを気にすることなくクシャは鉱石を見ていった。
「おそらくここから地下2キロメル以上はこの塊があるでしょう」
「この前採掘した橙色の鉱石が一番品質が高いとお思いになっていることと思いますが、違います」
「もっと素晴らしい魔力が地下にあります、が神の力は私の手にも負えません」
「魔力ならシェリをつつけば出てきますし。困っていません」
「では私はこれで」
「あーそれと、魔族は基本単独行動ですので、気をつけてくださいね。私は争いを好みませんが、ここを見つけ、不遜にもこの力を奪おうとする不届きものが現れるかも知れません」
すらすらと流れるようにクシャが言うのでガーランドは呆気に取られてしまう。
「あ、ああ。でもあいつら群で来るぞ?」
「強者が弱者を従えているだけです。私達魔族に仲間意識は皆無です。個として生まれてくるだけですので」
さらっと有益なことも教えてくれるこいつは何がしたいんだ?
「なぁクシャ。あんた結局何しに来たんだ?」
「自分の御先祖様を一目見ておきたかっただけですよ。ただのお墓参りです。」
個だと言うのに先祖とは、とガーランドは思ったが突っ込まないでおいた。
クシャはそう言って翼を広げ、一振りするとあっという間に空へ去っていった。
ガーランドが夢でも見ていたような顔でダガーに言う。
「これが昔中央であった集団催眠てやつじゃあ、、」
「ないな」
「言葉が通じる魔族っていたのか」
「いたな」
「あいつ仲間にした方が良かったんじゃ、、」
「仲間意識皆無って言ってたろ」
「そうか。そうだな」




