デイジー、共和国議会へ行く
主人公はデイジーなんでしょうか
共和国議会は首都の中央にある
庭園付きの真四角で箱型の巨大で重厚な石造りの建物だ
入り口の柱には他の建物にはない豪華な装飾もされているし庭には噴水もある
こんな豪華にする金と労力があるならもっと辺境の村の支援をしてくださいよとデイジーは思いながら通り過ぎる
まぁ辺境の村は誰にも知られてないんですけどね
「さて諸君。今日の通常議会は終了したが、今日はお客が来ている。入りたまえ。デイジー・ホワイト」
「失礼致します。この度はこのようなお時間をいただき誠にありがとうございます」
議会の入り口で挨拶をすると、議長らしき男が腕を伸ばしある一点を指し示す
あちらまで行けということだろう
デイジーは背筋を伸ばし真っ直ぐ歩き、議会中央にある円状に小さくひらけた場所まで来た
それをぐるっと囲むように段々とすり鉢状になった席に議員達が座っている
椅子が置いてあるが座る気はない
そもそもなぜこんな威圧的な配置になるように中央に円状に開けた場所があるのでしょう
普段からこうして尋問でもしているのでしょうか
それともただのデザインでしょうか
とにかく趣味が悪いことは分かりましたがこんなところで私は動揺したりはしません
「ではデイジー・ホワイト、今回の要件を述べなさい。君が大変優秀というのは聞いている。」
議長と思わしき髭の蓄えた男が静かに言った。
「ありがとうございます。それでは単刀直入に申します。北に位置するカルからさらに3日ほど馬車で行ったところに辺境の村があります。そこに魔物が出ました。いえ、ずっと前から出ていました。」
「ほう」
「つきましては、共和国直属の騎士団のお力をお借りしたく。」
「あそこには雑魚しか出んだろう」
!!!!!!!
デイジーは耳を疑った
その声はデイジーの左前の方から聞こえた
「なぜ!それを知っているんでしょうか!」
「私はカルの領主だ。私が旅人、行商人をあそこから北へは行かせぬようにしている。どうせ雑魚しか出ないんだ。あの村で狩ればいいだろう」
デイジーははらわたが煮えくりかえりそうだった
デイジーがカルの街で魔力源を探している時、この街より先はないと言われた
どの地図にもカルより北には何もない
国が地図から村を消しているのだ 消しているというより、これまでずっと描いた事がないのだ
だが感情に身を任せて自分を見失ってはおしまいだ
必死に心を落ち着かせる
「今まで村の方たちがどんな生活をしていたか知らないからそんなことを言えるんでしょう」
「いや知っているよ。月が半分に欠ける頃に現れる村の行商人は私だ。ずっと監視していた。重要な場所だというのは私の家で代々語り継がれている。代々こうして来た。私は役目をまっとうしているだけだよ。」
「今までとは違う鉱石が出ました。濃い色をした魔力を大量に含んでると思われる鉱石です。それ以降、村を襲撃する魔物が強くなっていってるそうです。」
「何!」
先ほどまで淡々と話していたカルの領主の表情が変わる。
その反応を見てデイジーが尋ねる
「何かご存知なのでしょうか」
「いや。何も知らん。私の一族はあの村を監視するという責務をずっと果たして来ただけだ。」
「皆様、魔物が強くなっているんです。共和国の騎士団のお力を貸していただけませんでしょうか」
「そうか」
議長と思われる男が続ける
「だが、それほどなのか?もう何百年と魔物は出ておらん。騎士団も魔物と戦ったことはないだろう」
「そこで止まってしまえば、一生強くなれないままです」
「確かにそうだ。だが共和国戦力を易々と投入は出来ん」
「あの村の鉱石を解析できればこの国にも魔力を動力としたあらゆるものが生産できるかもしれないんです」
議長らしき男は髭を撫でで逡巡する
長い沈黙の後
「わかった。いくつか騎士団を派遣しよう。その代わりこちらも条件がある」
「なんでしょうか」
「急ぎ研究を完成させよ。その魔力を動力としたあらゆるものとやらを生産して見せるのだ」
「研究施設は首都にしかありません。魔力を嗅ぎつけ魔物が首都を魔物が襲うかもしれません。」
「構わん。 首都には防壁も機械式の投擲機もある。どんな魔物でも払えるだろう。お前がやらぬのならこちらも騎士団の派遣は取りやめる」
デイジーは議会全体を包む危機感のなさに危うさを感じるがこの男が期待する返事は1つしかないこともわかっていた
「分かりました」
少し間をあけてデイジーが続ける
「ですが、村から出た鉱石は爆弾のようなものです。取り扱いを間違えれば首都をも吹き飛ばす力を持っています。私達だけで研究させてください」
『私達』というのは信頼できる部下達のことだ
誰だと深く追求されるのを警戒してあえて私達とぼかした
「ならん。急ぎと言ったはずだ。最速で成果を上げろ。こちらからも人を送ろう。安全管理もお前なら出来るだろう」
ここでこんな宣言せずにこっそり一人で研究することもできた
だがしかしここで議会に直談判しなければ、騎士団を送らなければ、ガーランド達が疲弊して潰れるところを想像してしまった
こうなることもある程度想定はしていた
私がしっかり管理すればいいのだ
ガーランド達の力になるのだ
デイジーはそう自分を納得させ返事をする
「分かりました。それともう一つ。シェリ王国とバージュ王国が魔物と戦っているかご存知ですか?」
議長らしき男が髭を触った




