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果ての絶対防衛  作者: teddy
1章 神々の結晶
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例外強襲

「魔物だ!みんな!調査団の人達も聞いてくれ!!!魔物が出た!!!」


ガットが大声で集会場のあたりから叫ぶ


言葉が耳に入った瞬間、村人も調査団の面々も驚愕の顔を浮かべ、次第に恐怖の顔に変わる

調査団員は全員、魔物など生まれてから一度も見たことがない


恐怖に駆られるのは当然の反応だ


魔物が出るかもしれない最前線の調査だと散々言われて覚悟してこの村に来ただろうが、いざ本当にその場に立てばやはり恐怖が勝った


村人も前回の大巨人のことがある

みな、固まってしまった


「私は医療魔法なら使えます。後方でなら支援できます」


医療団の責任者のマーカスが冷静にガットに言った


「マーカスさん!ありがとう!」


「マーカスさんダメですよ。あなたは責任者なんですから。怪我どころじゃ済まないかもしれないんですよ!?」

医療団員が言う


「皆さん覚悟してきたはずです。本当に魔物が出ると。今まさに防衛団の方が戦ってるんですよ。知ってしまったからには私には見て見ぬ振りはもうできません。それに私の代わりは首都にならいっぱいいますよ。優秀な医療魔法の術者は」


「そんな!!」


医療団は半々に割れていた

勇気を振り絞って戦いに志願するもの、未だに状況を信じれずに立ち尽くすもの、拒絶するもの


「防衛団を助けたいと思う者のみ一緒に来てください。例え来なくても一切責めはしません。それも生存本能としておそらく正解なのですから。それに万が一、医療団が全滅しても良くありませんから」


マーカスはそういうと志願した医療団員を引き連れて砦に駆けていく


残された医療団員は居心地悪くその場に立ち尽くすのみだった


他にもデイジーが連れてきた調査団の団員の中には戦える者がいた

普段は重職者の日雇いの護衛をするような冒険者のようなものだ


ただ首都近辺は魔物が出ない


デイジーが連れてきた戦闘員達は対人間には強いかもしれないが、対魔物となるとどうだろうか

逃げ出さないといいけど


ガットはそう思いながら砦に向かった


砦ではもう戦いが始まっていた

「ガット!やるじゃねぇか!めちゃくちゃ連れてきたな!」

ダガーがそう言った


「首を狙え!あの飛んでるのは首だ!マーカスありがとう!医療団は一旦下がって様子を見ててくれ!まだ怪我人はいない!」


「飛んでるのは火を吹くぞ!だが直線的だ!よく見ろ!!!!」

ガーランドがモヤのかかった狼のような魔物を倒しながらそう言う


ゴイルは数こそ多かったが冒険者の弓兵もいたので被害も出すことなく討伐できている

モヤの狼も首都近辺の野生の狼とそこまで変わらなかったようで、順応して倒していく


「本当に魔物がいやがる、、、」


そんなようなことを初見組は口々に言っている


「おかしいな。今日はデカ巨人枠はいないのか?雑魚しかいねぇ」

ダガーがガーランドに近寄ってボソッという


「まだこれからかもしれない」


「待て」

ダガーが何かに気づく


「口を塞げ!!!息をするな!離れろ!」


「毒か?これ まいったなこりゃ初めて見たぞ」


あたりに紫の煙のような気体が僅かに漂ってきていた

と、何か巨大なものが周りを何か這うような音が遠くから聞こえた


全員に緊張感が走る


這う音は近づいては来るが姿が見えない


砦付近は戦いやすくするために森を切り開いて平地にしてある

が、全部を切り開けた訳ではなく砦を中心に大体300メルくらいの円状に平地になっていて、あとは森だ


そして平地部分に毒の霧が立ち込めているため、森に避難している

村に避難すれば村が襲われる


またもや前例のない戦いになりガーランドは焦る


「あそこだ!」


ダガーが指をさす方向を見ると、蛇だ

数十メルほどになる大蛇がいた


口から毒の息が漏れ出している

毒の正体も敵の正体も分かったが、さてどう戦えばいいか


毒を吸い込んでしまったものの手当てを後方で医療団が行っている


「弓兵!!!!!放て!!」


まずは矢が刺さるかどうか

あまり期待はできないよなぁ強そうだし、と思いながらガーランドは矢の行く先を見つめていたが大蛇は

易々と尾で弾く


そもそもあそこが胴体なのか尾なのかわからないくらいでかいが

やはりダメか、、そう簡単にはいかないよな


どうする

眼は効くだろう

眼に矢をぶち込むためには動きを止めないといけない


「ダガー 動きを止めるぞ 息を吸うなよ?いくぞ」

「おぅ」


ダガーは低い声で答えた


「弓兵!!!!!俺たちが動きを止める!眼を狙え!!!」

ダガーとガーランドが大蛇の方へと最短距離で駆け出す


すると大蛇は毒の息をガーランド達めがけて放ってきた


「うっ」


口を閉じていたが、油断した

油断というかそこに考えが至っていなかった


目だ。目がやられてしまった

一旦森に身を隠す

弓兵達は牽制のために絶え間なく矢を放ってくれているためすぐに大蛇がこちらに来ることはない


「ダガー」

「目は聞いてないよな?」


間抜けな会話になってしまう


「ガーランドさん!」


マーカスがやってくる


「これを。」


マーカスからもらったポーションをもらう


「即効性はやはりポーションです。後で私が治療をしますがまずはあいつを倒してからでないと」

「ああ。ありがとう」


目の痛みが引いて、ぼんやりだが再び視界が開ける


「ダガー行けるか」


「ああ。これくらい見えればなんとかな」


今度は正面からではなく森を縫って大蛇まで駆ける


大蛇もこちらに向かってくる


大蛇まで後数メルというところ


他の防衛団の剣士も何も言わなくても後方からついてきてくれているため、音が混ざり合ってうまく蛇のターゲットを分散できている


「お前ら!目も瞑れ!あの息は目もダメになる!」


弓兵に射ってもらうためには森の中ではダメだ

開けた平地に大蛇を引きづり込む必要がある


戦いは一瞬だった


ガーランドが森から平地に飛び出す

それを狙って大蛇が毒息を吐きながらガーランドに食いかかる


ガーランドが目を見開いて応戦する


すぐそばの木に伏せていたダガーが大蛇の後を追って片手剣を突き立てる

片手剣は刺さらずにダガーもろとも吹き飛ばされる


次の瞬間、ダガーが顔を上げた時にはガーランドが大蛇に丸呑みにされていた

だがガーランドもただ食われた訳ではない


よく見ると大蛇の口に剣を突き立てている

大蛇も刺さった剣が効いているのか、頭を振っているがそれでもそのままガーランドを噛みちぎろうとする


ガーランドは左手で大蛇の口を押さえるがすごい力だ

ダガーが再度起きあがり、目を閉じて剣を突き立てながら大蛇の上に登り、大蛇の頭に剣を突き刺す


一瞬大蛇の動きが鈍った

「今だ!!!お前ら!俺は気にするな!ダガー離れろ!」

何十本という矢が大蛇の目めがけて放たれる


「ガーランド!!!大丈夫か!」


動かなくなった大蛇の口からガーランドを引きづりだしてダガーが叫ぶ

「マーカス!診てくれ!!」


マーカスが全速力でやってくる

「あなた達はなんて戦いするんでしょう」


「目ぇ見えねぇや」


ガーランドは笑っていた



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