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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第六章 逾槫ョちゃんは誰かに祈りたい
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第406話 コンボ

「アゼラ、相手の強さは?」

「あー、そんなんでもない? まぁ、俺には倒せないけど」


 アレッサの質問にアゼラは少し悔しげに報告します。この一か月の間、トレーニングを続けてアゼラも成長はしていますがそれでも一人で魔物を倒せるほどではありません。しかし、危険察知系のスキルで相手の力量がわかるようになったのは褒められるべきでしょう。


「どうする? さくっと倒してこようか?」

「……いえ、これぐらいの魔物ならグレイクさんの矢で一撃です」


 アレッサが面倒臭そうにそう言いながら立ち上がった時、ノンがそれを止めました。魔力の大きさ、アゼラの分析からわざわざ森の中に突入して倒す必要がないと判断したのです。


「グレイクさん、道を作ります」

「ああ、わかった」


 ノンは頼れる弓使いに声をかけた後、包帯を森の方へ伸ばしました。森の奥は何も見えませんが木にも僅かに魔力が宿っています。そのおかげである程度の地形を把握できるため、その包帯はこちらに近づいてくる魔物の傍まで伸ばすことができました。


「お願いします」

「≪沿え(アロング)≫」


 準備を終えたノンがグレイクの前に伸ばした包帯を移動させると『弓矢作成』のスキルで弓と強化(エンチャント)が施された矢を作ります。そして、その矢を番え、包帯に沿うように放ちました。


 通常であれば矢は直線的な軌道でしか飛ばず、魔物に当たる前に木などの障害物に当たって止まってしまうでしょう。しかし、グレイクが作り出した≪沿え(アロング)≫の強化(エンチャント)が施された矢は放たれた時に指定した物体に沿うように進みます。つまり、今回の場合、ノンが伸ばした包帯をレール代わりにして近づいてくる魔物へと命中させることが可能。


「……ッ!」


 矢に施された強化(エンチャント)の魔力を探りながらノンはタイミングを合わせて包帯の先端を魔物の眉間に合わせます。そして、魔物はそれを知覚すると同時にグレイクの矢に眉間を射抜かれました。


「お、死んだ」


 危険察知の反応が消えたのでしょう、アゼラがボソリと呟きます。ノンの魔力感知から魔物の魔力反応が消失したため、予想していた通り、グレイクの矢が一撃で魔物を倒したのでしょう。


「最初は思いつきで試したコンボだが、使い勝手はいいな」

「そうですね。色々な盤面で使えそうです」


 弓を消したグレイクは僅かに笑いながらノンへ視線を向け、彼もそれに同意します。魔族バンデルとの戦いではノンがやられてしまったり、アレッサが暴走してしまったり、と仲間同士で連携が上手く取れず、ほぼ個人プレイになってしまいました。


 そのため、この一か月の間、ノンたちは連携を取れるように何度か訓練したのです。先ほどのノンの包帯を使った矢の誘導もその一つでした。


「魔石、回収しちゃいますね」

「やっと飯が食えるぜ! 先、盛っちゃっていいか?」

「駄目よ、大槌を掴んだんだからもう一回、手を洗いなさい」

「えー、もう腹減って死にそうなんだけど」


 そう言いながらもアレッサが作った水球に大人しく手を突っ込むアゼラ。その間に魔物の魔石を回収したノンはマジックバックに放り込みました。


「じゃあ、改めて……いただきます」


 それからノンは猪鍋をお椀に盛り、全員に配膳したのを確認して食膳の挨拶をします。もちろん、内臓が傷ついている彼はお肉などの消化の悪い物は食べられないため、お椀の中は柔らかい麺を中心とした食材となっていました。


「いただきまーす! うめー!」

「もー、アゼラ、落ち着いて。こぼしちゃうよ」

「あー、見張り前にお鍋を食べると眠くなるわぁ」

「今日も美味いな」

「ふふっ」


 それでもわいわいと騒ぎながら自分の作った料理を食べてくれる仲間たちの笑顔を見て自然とノンも笑みを浮かべました。

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