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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第六章 逾槫ョちゃんは誰かに祈りたい
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第404話 金級

(そもそもアレッサさんもグレイクさんもどうしてまだ金級なんだろ……)


 冒険者ランクである金級は中堅程度の実力を持つ冒険者の証。しかし、アレッサは喧嘩殺法(ステゴロ)魔法を操り、バンデルをほぼ一方的に痛めつけるほど火力を持っています。


 また、グレイクも『弓矢作成』による汎用性の高いスキルを持ち、獣人特有の身体能力で敵に距離を詰められても回避してその隙を突くことが可能。更に獣人の猛者が集まる大会で優勝した経験があります。そんな彼らの実力は金級以上なのは間違いなく、白金級――いえ、更に上の紅玉級や蒼玉級でもおかしくありません。


 なお、冒険者ランクは全部で十種類あり、石級、鉄級、銅級、銀級、金級、白金級。そして、上位ランクとして紅玉級、蒼玉級、翠玉級、金剛級が存在しています。つまり、アレッサもグレイクも冒険者ランクで言えば真ん中辺りではありますが、白金級と紅玉級には大きな隔たりがありました。


 通常、冒険者ランクを上げるためには冒険者ギルドで何度も依頼を受け、一定数を超えたら次のランクに昇格。しかし、白金級以降はそれだけでは足らず、目に見えた功績は必要となります。


 例えば、凶悪な魔物を討伐した。巨大な犯罪組織を潰した、などなど。それは多岐に渡りますがそのどれもが冒険者ギルドの情報誌に載るレベルなのは間違いありません。そう、どれだけ強くても功績を残すチャンスが巡って来なければその冒険者は一生、白金級のままなのです。


「グレイクさん」

「なんだ?」

「どうして、金級なんですか? グレイクさんの実力なら少なくとも白金級にはなれると思うんですが」

「確かに。私も気になるわ」


 これまで聞く機会がなかったため、ノンは思い切って本人に聞いてみることにしました。アレッサも聞き耳を立てていたのか、荷台から御者台に顔を出して話に参加します。


「別に白金級に上がれるほど依頼を受けてないだけだ」

「え?」

「オレの目的は冒険者ランクを上げることじゃないからな」


 グレイクは誘拐された幼馴染を探しています。あくまで冒険者業はその路銀を稼ぐ手段に過ぎません。また、誘拐された幼馴染に関する情報を集める時間も確保しなければならず、必要以上に依頼を受けていなかったのでしょう。


「へぇ、もったいない。白金級になれば依頼料とかも増えるし、損はないのに。どんだけ一途なのよ」

「そういうお前だって金級だろう。白金級どころか蒼玉級にだってなれる」

「うっ」


 呆れたように言葉を零したアレッサですが、グレイクからの反撃に顔を歪めます。もちろん、ノンも気になるため、彼女へと視線を向けました。


「……私は単純に拠点にしてた街が初心者向けだったせいね。街の周囲にいる魔物が弱すぎてランクを上げきれなかったの。金級になれたのだってあいつと一緒に何度か遠征したからだし」


 冒険者ランクを上げるために一定数の依頼を受ける必要がありますがその依頼ランクも現在と同格かその一つ上のランク、という条件があります。アレッサが住んでいたレニックスは初心者御用達の街ということもあり、高くて銅級程度の依頼しかないため、せいぜい銀級にしかなれません。


「だから、私もグレイクも当分は金級のままね。旅をしながらランクを上げるのは難しいし」

「ああ、冒険者ランクが上がったら招集義務も発生する。オレとしては金級ぐらいがちょうどいい」

「でも、今回の魔族打倒が冒険者ギルドに伝わったら例外的に昇格もあり得るんじゃないですか? 下手したら紅玉級まで飛び級する可能性だってありますよね?」

「……」


 ノンの指摘にアレッサとグレイクは顔を合わせます。否定しきれない、という表情を浮かべており、二人は考えないようにしたのでしょうか。グレイクは視線を前に向け、アレッサはそっと荷台に引っ込みました。

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