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やはり敵など何人いようが問題ではない

俺はすぐさまユリ達の前に立った。


「鳳凰…結界…」


俺の使った魔法を言い当てるルーク。


「どんな攻撃も弾き返すという、風属性最強の魔法であり、最高峰の防御魔法…それを…こいつら全員に付与したというのか?今の一瞬で?しかも完璧な状態のこれを無詠唱で?!ありえない!歴代の魔王ですらこんなことなし得なかった!風属性を極めた人間ですらこんなことできるわけが無い!」


「この程度でそう喚くな。底が見えるぞ?」


指を振りユリ達の傷を全回復させる。


「今度は…回復…魔法…しかも無詠唱で完治させるだと…?」


もう一度指を振った。

瞬間この一体を包み込む炎の壁とその内部に隙間なく湧き上がる炎。逃げ場など存在しない。


「今度は…灼熱…地獄…だと?」


「熱い!熱い!!」


この魔法を使っただけで焼け焦げていく多くの人間。


「だが…残念だったな…俺は光の盾を使える…」


鳳凰結界と並べると言われているほどの防御魔法光の盾…どんな攻撃ですら防ぐらしい。

それを証明するようにルークだけは確かにそれでダメージを0にしていた。

あれだけは出力を上げてどうにかなるものではない。

だが、指を振った。


「え?」


刹那消える盾。


「ぐぁぁぁ!!!!!」


そしてその身が焼けていく。


「何故だ!何故…俺の光の盾が…!」


萌えていくその体。それを見下ろす。


「冥土の土産に聞きたいか、灼熱地獄の解除どちらがいい?選ばせてやろう」


「解除してくれ…」


「…」


指を振り炎属性最強魔法の灼熱地獄を解除する。

こいつがあの魔法に触れていた時間はそう長くなかったがそれでも全身に火傷のあとがあった。


「そんなやつ殺していいよ」


「…」


ユリが隣に移動してそう言ってくる。

それを受けて右手に雷の剣を生み出した。


「…嘘だろ?命だけは…助けてくれるんじゃないのかよ…」


「何言ってんのよあんたは私たちを殺そうとしたじゃない」


ルークを睨むユリ。


「俺は灼熱地獄の解除をするか?と問いかけただけだ。その後の命の保証まではしていない」


バチバチと雷撃を放つ剣を奴の胸に向ける。


「安心しろ暴れなければ一瞬だ」


「辞めてくれ…俺はただ…ノイを助けたかっただけなんだよ…あんただって分かるんじゃないのか…?その子が大切で来たんだろ?…なら…」


「それとこれが関係あるのか?俺は今機嫌が悪い」


「…俺は…勇者パーティを追放された。ノイを失った無能なリーダーとして追放された。なぁ?!俺は何処まで不幸になればいい?!」


「俺の知ったことではない」


ゆっくり瞳を閉じて奴を蹴り飛ばす。

それから巻物を取り出してルークに投げつける。


「お前がまた俺の前に立ちたいと願うなら今すぐに失せろ。それを読んでからまた来い。その絶望を闘志に変えろ。いつでも待っている」


「…」


男はその巻物を確かに受け取ると俺を一瞥して走り去った。


「殺してよかったのに」


「なら1度くらい殺しておくか」


掌に雷の矢を生み出してそれを走り去った背中に向けて放つ。

刹那響き渡る奴の悲鳴。


「…本当にやっちゃうんだ…」


「どっちがいいんだよ」


悲鳴の聞こえた方向に歩き始める。

獣道に男の死体が転がっていた。

それに向かって蘇生魔法を使う。


「…ひ、ひぃ!」


やつの体が光を帯びて起き上がった。そして俺をその視界に映した瞬間怯え始める。


「希望があったのでお前を1度殺したが、俺は退屈だ。今度こそ攻撃しないから失せろ、そして力をつけて俺を楽しませるがいい」


「う、うわぁぁぁぁ!!!!」


悲鳴を上げながら駆け出した奴の背中を見送ってから瞳を閉じてこの森全体の状況を読み取る。


「何してるの?」


「最後の仕上げだ」


大地に俺の魔力を浸透させる。


「突き上げろ…」


刹那あちこちから土の針が生えそれが人々を突き刺していく。


「な、何だよ!これ!」


上空ではそれを見て悲鳴をあげる竜騎兵の姿があった。


「神の裁きを」


そいつらを今度は逆に天からの雷の槍で刺し貫く。

ぽかんとした顔で俺を見るユリ。


「9割の排除は終わった。残り1割だが」


次は適当な場所で爆発を起こした。

瞬間広がる爆発。それが森を破壊することなく人間だけを飲み込んでいく。


「これで3万の処理が終わった」


手を払ってユリの顔を見る。


「…嘘でしょ?」


「嘘をついてどうする。戻るぞ」


彼女の顔についていた汚れを取るとミーナ達の残った方向に歩き出す。




酒場まで戻ってきた俺たちを出迎えたのはあわただしい店内だった。


「何が起きたか分かりませんが…敵性勢力…確かに0を確認しました…」


机で作業をしていた男が店主にそう報告した。


「馬鹿な…3万を…この短時間で…?」


店主も信じられないような顔をしていた。


「クシナ様が救ってくださったとしか考えられん…復活の噂はやはり本当だったのか…」


そう言って俺を見る店主。


「全属性お前がいる場所にクシナ様が現れるらしいな」


「あぁ、そうだな。今度こそバッチリ見たぜクシナがいるところ」


どうせ俺が本人だと言ってもこいつは信じないだろうし話を合わせておくか。


「どんな感じなのだ?あのお方は」


「見た目は俺みたいな感じだな。圧倒的な絶望を振りまいて敵の戦意を削いだ後はもう好き勝手にやる理想の魔王だったな」


「全属性、お前の見た目が近いから目印としてクシナ様は降臨してくれているのかもしれないな。その事をギルドに報告しよう」


「そりゃ、ありがたい話だ」


「でも報酬は出せないし試験の取り付けもなしだぞ」


「は?」


「だってお前約束守らなかったよな。俺は俺の言うことを聞けといった。だが聞かなかったのはいお前だ」


「…はぁ…」


もういい、疲れてものを言う気にもならん。ハリバンなら何とかしてくれるだろうし戻ったらあいつに頼もう。




更新遅くなりすみません。ブクマありがとうございます。

励みになります。


今更ですがGE3やってました。面白かったです。


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