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Infinity·creation.  作者: XYZ


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依頼。

その男は古参の神々の実子であり、人間(コマ)の成り上がりのジュウゴを見下していた。と、同時に彼を認めている存在でもあった。

ジュウゴが屋敷を訪れた時、一人の中華風の武具を纏った理知的な男とすれ違った。(………随分と年若い神だな。)この館に直接出向く存在はそうはいない。いない、のではなく、辿り着けない、が正しいだろう。Fの存在を知る神は限られているからだ。


何せ彼と知り合いだった存在は既に亡く、彼等に逆らう存在もまた須らく消滅した。遥か以前の語り草である。だからこそ警戒もする。Fと彼が育てるオウルダー·プラネット(惑星)たちは、古参の宇宙霊魂(そらみたま)たちからすれば畏怖以外の何物でもない。人間(コマ)からの成り上がりと同胞からも蔑まれる聖護使のジュウゴにとって、Fは崇拝の対象でもあるため時折過敏に神経を研ぎ澄ますことがある。


それを察知したのか振り返った若神は微笑した。「……そんなに警戒されるのも困りものですね。大丈夫、我が父ならばそういう画策もされるでしょうが、私は勝てぬ存在と相四つを組むつもりはありません。ところで貴男、今、お暇ですか?」飄々と尋ねられて思わず警戒が引き締まる。


「……暇ではあるが、私は聖命使ではない。この惑星をFの断りなしに動くことはできない。」男は薄目を開いてジュウゴの出方を伺う。「···ですか?実は先刻我が母が此処を訪ねたらしく、Fに相談をしたらしいのです。懇意になった息子の友人を何とか救ってやれぬか、と。あの御方の力を以てならば惑星の闇を掻い潜り、四凶蛟を討ち取れるのではないかと再度打診に来た次第ですが、後続の生命達が集う惑星の育成に手が離せぬと突っぱねられた次第です。···あの世界は少々特殊ゆえ、並の聖命使ではすぐに邪気に蝕まれてしまうかもしれません。•••困った、困った…」策謀的な笑みにジュウゴは暫し思考に耽る。


現在、Fの手足となって螺旋の海に潜れる聖命使は居ない。皆、今は重要機密案件で飛び回っている。数多存在する銀河系の異変だ。宇宙霊魂として昇華した聖護使達が前線となって運命の修復をしているが、それもまた、一筋縄ではいかない。知った顔した相手が探るように伺うという事実はFが全面的に拒絶を匂わせたからに違いない。


ーーー更に付け加えると、こういうバッドタイミングで戻ってきたユキのことをも彼は気付いている。ジュウゴは腹に覚悟を据えて答えた。「···目的の場所は?」「•••七世七冥・・・冥府の辺り・・・運命線の裏側にお越しください………では。」立ち去る男の背をジュウゴはただ、見送るしかなかった。ーーー


人間を捨てられぬ神の出来損ないのジュウゴ。どんなに後ろ指さされようとも、それでも、彼は拾ってくれたユキの両親の恩に報いる道を選んできた•••彼等の一人息子が一人前になるその日まで…。

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