第3話 話される真実(嘘)2
俺たちがクラスごと異世界に転移させられて1時間とちょっと、今俺たちはこの国の国王、ガルディア・ローランドとその王妃サラ・Q・ローランドの前にいた。
後に知ることになったのだがサラ王妃はミドルネーム持ちらしい。
この世界でのミドルネームとはかなり高い地位を表すもので世界に10人いるといわれている。
地位の高い順から、ソロ(S)➡デュオ(D)➡トライアングル(T)➡カルテット(Q)➡クインテット(Q)➡セクステット(S)➡セプテット(S)➡オクテット(O)➡ノネット(N)➡ディテェクトゥ(D)
そしてそれぞれの頭文字をとってSDQTONと言うこの異世界の政党国家協会が存在するらしい、サラ王妃はその中の実質No5なのだ。これら10人が人界の全てを取り仕切っている。
そして緊急時には同じ頭文字同士が協力し合い事に当たる。だが今はそれも権力とか私利私欲などでほとんど機能していない。まぁ~トライアングルとオクテットとノンテットこの3人は頭文字がみんなと違うっていうのもあるけど、元々変わり者だったこともあり、変わり者同士3人仲良く変人トリオで今でもうまくやってるらしい。
っと、話がそれてしまった。それで今俺たちは国王とその王妃の前にいるのだけどこの後とんでもないことを頼まれる羽目になる誰かさんのせいでっ!!
「さて勇者諸君早速だが我々から重大な話がある聞いてくれないだろうか?」
謁見早々そんなことを言ってきやがった国王、それに対し緋山が「わかりました聞きましょう」。即答かよっ!
そしてその重要な話の内容が、今このユグドラシル・マグナで起きている人界軍と魔族軍との戦争の話だった。
あっ、ユグドラシル・マグナっていうのはこの異世界の名前らしいよ。
とにかく今は休戦状態だがいつ戦争が始まっても起こしくない状況らしいまさに一触即発の事態、さらに追い打ちをかけるように魔族軍は急激にその数(戦力)を増やしている。
今まで数の利では人界軍の方が圧倒的に有利だった、いやそれだけが頼みの綱だった魔族一人に対して最低でも兵士(それもかなりベテランの)が3人は必要だった。そうでもしなければ人は魔族には勝てない。
人と魔族の決定的な違いはその魔力にある。人間が魔法を使うとき詠唱を必要とするのに対し、魔族は詠唱なしで魔法を行使できる。これは体の構造上の問題である。
人は何かを媒介とし世界の理に干渉するために詠唱が必要になるが、魔族はそんな一切の過程をすっ飛ばし直接世界の理に干渉できる、だから面倒な詠唱も必要がない。まさに戦力の差は歴然。
そんな不条理を今までの人間たちは数というものを武器に戦い抜いてきた。しかしそんな人間のアドバンテージも今崩れ去ろうとしている。
故に最後の希望として人界軍が頼ったのが勇者というわけである。
今から1000年前突然このユグドラシル・マグナに七人の勇者が現れた、セブンス・ブレイブそれがこのユグドラシルに長く言い伝えられてきた七人の勇者の物語である。
勇者アルベルト・ブレイブ、鬼神グレゴリオ・グン、大魔導士マーリン・ノクターン、大賢者グランマーレ・ホルン、大盗賊ジャックポット・エルフィン、神の使徒ゴット・ネメシス、そして最後に影の勇者シャドウリーパー、この最後に出てきた影の勇者シャドウリーパーは魔王討伐時に人界軍を裏切った勇者として死してなお非難の声を浴び続けている。
そして1000年前に魔王を倒した勇者なら現状を打破できると踏んで900年たったのち100年をかけて勇者召喚の儀式をしてきたと国王であるガルディア・ローランドは話した。
ガルディアは俺たちに悪しき種族である魔族を滅ぼしてほしいと、そしてこの国を救ってほしいと頼んできた。魔族は長きにわたり人界を汚し無意味な殺戮をしてきた。それに対し人族は抵抗するのがやっとだった、故に今回の勇者召喚の儀式が成功したときは国中が歓喜に包まれた。
そして俺たちはその歓喜の渦中にいる存在。
そんな俺たちにこの国王は自ら頭を下げて懇願した。
「この国いや、人界の全ての民にとっての希望なのだどうか頼む我々をこの世界を救ってくれっっ!」
まさか王自ら頭を下げるとは皆思っていなかったようで一瞬王の気迫に押されてしまう。
そして緋山が、「わかりましたこの世界、俺たちが救いますっっ!」
二つ返事で承諾しちゃったよ
っとまぁ~こんな感じで話は進み次に俺たちは魔力適性検査を受けることになった。
ここでもまた俺の無能ぷっりが発揮されるのだけど...
そして能力鑑定の時、見知らぬ女性が謁見の間に入ってきた。
その女性は俺たち勇者のど真ん中を突っ切って偉そうに俺たちに向き直った。
そして俺たちにこう告げた。「私はこの国の第一王女ララフィネア・ローランド勇者の皆様以後お見知りおきを」
この王女性格悪そう。
そう思ったのは俺だけ?