表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切って何が悪い!  作者: Shota
第1章 修行しても意味ないじゃん編
18/19

第17話 誠の過去

「と、まぁ~こんな感じじゃの我の過去はその後は貴様の知っての通り邪神化した我は世界を滅ぼしかけ七人の神に封印されたというわけじゃ」


「ん?」


「なんじゃ知らんのか?」


「いや、なんか似たような話を王宮の図書館で読んだことあるなと・・・」

「確か七人の神と漆黒の邪神と言うタイトルの・・・確かそうだっ!この世界の童話だ!」

「ん、てことはまさかその童話に出てくる邪神って・・・」


チラッ


うむっ正真正銘、我のことじゃ!


「お前なんかいっ!」

ッと思わずツッコんでしまった。

しかしこの幼女にこんな過去があったとは・・・


「ん、なんじゃ気にせずともよいぞ別に同情や憐れみを誘おうなどとは微塵も思っておらんのでな」


目の前の幼女はそれが当たり前であるかのように淡々とした雰囲気でそう言った。

俺は自分の中の何かが締め付けられるような感覚に見舞われた。

なぜそのような感情に見舞われたのかはすぐに理解できた。

似ているのだ・・・


目の前の幼女は自分と同じ境遇にあったと、そう俺自身の感情が結論付ける。

少なからず目の前の幼女は何事もなかったかのように今も普通に俺に向かって微笑みかけている。

多分そうしないと彼女自身今にも壊れてしまうからなのだろう。

その証拠に少しだけだが、ほんの少し、ごくわずかに肩が震えている。

今すぐにでも泣き出して誰かに縋り付きたいだろうにこの幼女は必死にその感情を押し殺している。

俺にはそう感じられた。


そう感じたと同時に少し嫌な昔のことを思い出してしまった。

それは俺がまだ小さかったころちょうど俺の目の前にいる幼女くらいの年の頃。

俺はとある檻の中にいた・・・


———————————————————カシャン


そんな鉄同士がぶつかったような音が俺の耳に聞こえてきた。

その音で俺はまだ眠い意識の中から半ば無理やり覚醒させられた。

今俺がいる場所、それは四方を囲む檻の中。

檻と言っても動物園にあるようなあんな立派な檻じゃない。

人間からすればなんとも頼りない檻に見えることだろう。

大きさも6歳児が一人入れるくらいの大きさだ。

俺の目の前にはペット用の皿とその中に僅かに残った水だけだった。

そう俺が檻と表現したのは皆が比較的多くの機会にそれもペットを飼っている家になら必ずあるはずの物。

ペット入れおくための檻。

人間にとってあんなものは檻と言うより柵でしかない。

しかし今この状況において俺からすればまさに俺を閉じ込める檻と同じようにしか思えない。

実際俺はそのペット用の柵の中にいる。先程自分の手がこの柵にでも当たっんたんだろう。

その音で俺は目覚めたくもないこのクソみたいな現実に夢の世界から強制的に連れ戻された。

さて何故俺がこんなところにいるのかというと、それは・・・


ガチャ————————

ビクッ!!!

玄関の開く音。

ただそれだけのことで俺の心臓の鼓動は急加速する。

ほらこのクソみたいな現実を作り出した張本人様のお出ましだ。


「お、なんだ起きていたのか誠いい子にしていたか?」

とても優しそうなそれでいて声のトーンが低めの声でそう語りかけてくる30代前半の男性。


「あらあら誠起きてたの?」

対照的に優しそうな声と高めの声で語りかけてくる女性。


そう、この二人は俺の両親だ。

勿論、普通の親なら自分の子供がペット用の檻に入れられていたら何事かとなるはずだ。

()()()()ね・・・


そう俺の両親は普通じゃない完全にくるってやがる。

なったって自分の子供をこんな檻に入れるような親だくるっていないはずがない。

それでもなお俺にやさしく語りかけてくる二人。

本当に虫唾が走る。


そうこれは世間一般に言う児童虐待と言うやつだ。

俺の両親はそろって児童虐待という、とても重い罪に手を染めるクソ両親だったのだ。


俺はこの世に生まれて一度たりともこの両親から愛情と言うものを受けた覚えはない。

教育だとか言って木刀で俺を叩きまわす父、好き嫌いは子供のうちから直さないといけないとか言って外で拾ってきた雑草や虫なんかを食わせる母。

今少しばかりさらに残っている水の方が幾分かましだ。

ちなみに昨日の晩御飯はこの水だけ。

我が家では水道水が俺にとってのごちそうだ。

虫や雑草なんかよりも圧倒的にましだ。

こんな生活を俺は中学卒業まで続けていた。


そして中学卒業と同時に俺は一人暮らしを始める。

こんなクソみたいな親の元で生活なんかしていたらいつか死ぬてか殺される。

そう思っていた俺は中学の卒業と同時にその夜家から抜け出した。

勿論、金もなければ行く当てなんかもない。

普通はそうだろうだが俺は違う。

その夜、両親の貯金通帳を片手にその他色々なものを持って家から抜け出したのだ。

勿論、こんなにもうまくいくわけはない。

ならなぜこうもあっさりと成功したのかそれは最初から計画し入念にシュミレーションしていたからである。

この日のために俺はある計画を練っていた3年前から。

俺は中学入学の時に気づく。

自分の両親は虐待はするが勿論それは世間にばれないように。

なので俺には普通に小学校に行かせたし学校ではPTA会長として保護者の代表を務めていたこともある。

周りのみんなもまさかそんな人が児童虐待なんかに手を染めているなんて夢にも思っていないだろう。

実際俺の家族は仲睦まじい誰もが憧れるような三人家族だった。

そしてとある法則それは特別な日つまり誕生日や入学式などの俺にとっての特別な日その日に限り俺には少なからず自由が与えられる。


そう両親と食事を共にできるという普通の人からすればなんとも当たり前の自由。

俺はこの特別な日にだけ決して出ることの許されないあの檻から出してもらうことを許される。

そしてその日家族の料理は三人で作る決まりだ。

なので俺は今から三年後、中学卒業の日、俺にとって特別な日をさらに特別にしようとこうしてとても素敵な計画を考えたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ