零度優 #3〜呆気ない終わり〜
御影高等学校
零度姉弟が通う二学期制を採用している公立高等学校。第一から第五の五つの高校が連携している。
第五から第一の順に所属学生の学力が上がっていく。
大きな特徴として学年末の成績優秀者上位十名は任意で学力が上の学校(例としては第四から第三)に転校する事が可能。その逆はないが例外としてイジメ等をした生徒は生徒指導の後一つ下の学校に強制転校することになる。
「おい、何をやっている」
優の学年棟に来ていた俺は複数の教師に取り押さえられ元魔王の威厳をどこに捨ててしまったのかと思うほど惨めに冷たい床に押し付けられていた。
「相手は上級生だぞ。それに女だ。責任取れるのか‼︎」
知らない記憶でも心当たりのない声と鍛えられた筋肉だけの教師が上から目線で俺に言った。
数分前、優の学年棟に来た俺は見たくもないものを見てしまった。
「零度もそろそろ終わりかなぁ、次のおもちゃは誰にしようか?」
優を探していると、上級エルフの様な金髪にゴブリンに擬態する魔法を使っているのかと思うほど派手な化粧をした女がそう言って彼女ほどではないにしてもゴブリンの中で可愛い部類に入りそうな四人の取り巻きを連れて女子トイレを出てきた。
開きっぱなしの女子トイレには「もったいたい」と言って床に盛られた俺が作った弁当だった物を手づかみで食べている零度優、つまり俺の姉がいた。
そして次の瞬間にはエルフゴブリンは宙を舞っていた。
そして、序盤へと繋がる。
「真央、何してるの?」
地面に這いつくばる惨めな魔王を見てトイレの床に盛られた弁当を食べていた勇者が不思議そうな表情で聞いてきた。
「ゴブリンを殴った」
レベルアップはしなかったが、零度真央の悪人としての評価が上がった。
「零度、話は職員室で聞く。零度、お前もついて来い‼︎」
最初の零度は俺に、最後の零度は優に言い教師の威厳を身にまとっただけで筋肉だけが取り柄の教師は俺と優を問答無用で職員室に連行した。
「まさか、零度くんがこんな事をするなんてね」
俺の事情聴取を担当するのは保健室の先生だった。
「お姉ちゃんが馬鹿にされて頭にきちゃった?」
首を縦に振り肯定したが、子供扱いされる今の状況の方が頭にきちゃってる。
「でも、今回は先生方も悪いからなんとも言えないよね」
「どういう意味ですか?」
「見て見ぬ振りをしていたけど、先生方もイジメについては気づいていたから」
その先生は俺に優がイジメられるきっかけになった話をしてくれた。
「優は親友を……」
「これは教師としてじゃなくて一個人としての感想だけど真央くんがやったことは間違いじゃないと思う。でも、自分の行動に責任は取ってもらうからね」
その先生の優しい笑顔に俺は癒されそして、恐怖した。
「申し訳ありませんでした」
放課後、俺は不本意ながらもエルフゴブリンに頭を下げた。
しかし、彼女から優に対しての謝罪は無かったが、
「戻ってきたらまた、必ず」
すれ違いざまに俺と優はエルフゴブリンこと金葉未来に魔王を敵視する勇者のような眼差しでそんな言葉を吐かれた。
金葉未来の御影第四高等学校への転校という形で御影第三高等学校一大きなイジメは呆気なく終わりを告げた。
金葉未来を故意に殴った俺も金葉未来ほどではないが一週間の停学という俺ではない零度真央には本当に申し訳ない処分を受けた。
金葉未来と同じようなもしくはそれ以上の処分を受けてもおかしくはなかったのだがこのような処分になったのは俺ではない零度真央の日頃の行いからだろう。
考えていたよりも更新速度が遅く申し訳ありません。次回は零度姉弟の『仲間』がメインの話を予定しています。
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