第91話 未知との遭遇
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ヴェルデ・アヴニール 人族 男性
HP196/196
MP115/115(貯蔵分:50/50)
STR:36 VIT:33 INT:24 AGI:18 DEX:22 LUK:13
ジョブ:戦士Ⅱ《1》 魔術士Ⅰ→Ⅱ《2》 なし《4》
アクティブスキル:鑑定 解体 地図 ステータス隠蔽 診察
パッシブスキル:魔力増加Ⅱ 魔力増強Ⅲ 体力増加Ⅱ 体力増強Ⅳ 生命力増強Ⅱ 知力増強Ⅲ 器用さ増強Ⅱ 運増強Ⅰ 筋力増強Ⅱ 素早さ増加Ⅰ 剣技向上Ⅰ 空間収納Ⅰ セカンドジョブⅠ フォースジョブⅠ 言語翻訳Ⅰ 罠解除Ⅱ 火属性魔法知識Ⅰ 氷属性魔法知識Ⅰ『光属性魔法知識Ⅰ』『鋼の肉体Ⅰ』『火耐性Ⅰ』『毒耐性Ⅰ』
戦技スキル:ソードスラッシュⅠ 連撃Ⅱ 連続斬りⅠ キックⅡ 居合Ⅰ『シールドバッシュⅠ』『チャージⅠ』
魔法:多重発動Ⅰ ファイアⅣ→Ⅴ ファイアボールⅠ アイスⅢ ヒーリングライトⅢ ウインドⅢ プロテクションシールドⅡ ストーンブラストⅡ エネルギ―ボルトⅠ アースウォールⅠ 『ダストウィンドⅠ』『ウォーターボールⅠ』
装備:打刀《50+25》 魔術師の短杖《20》 チェインメイル《20》 鉄のショルダーガード《10》 守護の小手《15》 幻影の指輪《5》 偽りの仮面《5》
基本攻撃値:121 基本防御値:103(物理シールド200/200) 基本魔法力:24(攻撃魔法のみ+15)
SSR確定メーター:0 金色コイン残数:0
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新たに取得したスキルで成長したステータスをアスターシアに見せ、話し合った結果。
同じくらいの経験を積んだはずのアスターシアは成長していない。
なので、偽装のステータスは弄らない方がいいという判断になった。
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ヴェルデ・アヴニール 人族 男性 LV20
特性:魔法使い 剣術使い
戦技スキル:ソードスラッシュ 連撃 連続斬り キック 居合 診療
魔法:ファイア ファイアボール アイス ヒーリングライト ウィンド プロテクションシールド ストーンブラスト エネルギーボルト アースウォール
装備:打刀 魔術師の短杖 チェインメイル 鉄のショルダーガード 守護の小手 幻影の指輪
賞罰:なし
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「よしっと。これで、成長終わり」
「では、街に戻りましょうか。今日の夕食はどうしましょうか? あたしとしてはとっても蟹の気分ですが――」
蟹の甲羅の中でまったりしていたガチャが、アスターシアの言葉に反応してレバーがギュイン、ギュインと回る。
ガチャは蟹の味が気になるらしい。
魔物化したやつは食べられないけど、市場では普通に海で獲れた蟹が売ってたから、加熱した蟹の身とかならいけるんだろうか?
塩ゆでとかの塩分落とした身とかならいける気はする。
そんなことを考えていたら、蟹の味が口の中に広がってきた。
完全に蟹仕様の口になった。
「俺もガチャも蟹だな」
「みたいですね。では、ギルドに戻る前に市場で夕食の買い出しをしていきましょう。ヴィーさんたちにもお裾分けしたいですし」
「よし、そうと決まったら帰るとするか。ガチャ、甲羅はしまうぞ」
俺はガチャを抱き上げると、入っていた蟹の甲羅を空間収納にしまい込んだ。
そして、転移ゲートをくぐりダンジョンの外に出た。
外に出ると、夕日が海岸線に吸い込まれていく直前だった。
「もう、夜が近いな。急ぐとしよう」
「ですね。急ぎましょう」
海岸の砂浜を街に向かって走っていくと、夕日が沈んで黄金色に輝いている海面に異質な光が明滅しているのが垣間見えた。
光が気になった俺は、足を止めてそちらを凝視する。
「ヴェルデ様? どうかされました?」
「いや、あそこだけなんか変な色の光が明滅してないか?」
アスターシアに対し、気になったところを指差して教える。
「ああ、たしかに変な光ですね。なんでしょうか、あれ?」
明滅する光は強さを増し、徐々に海面に近づいてきている感じがした。
「動いてるよな?」
「ええ、動いてますね。生き物ですか?」
「もしかして魔物か?」
「でも、ここはダンジョンではありませんし。どこかのダンジョンから魔物が溢れ出したという報告はヴァン様からも聞いてませんよ」
「あふれ出したのが、未発見ダンジョンという可能性は? ホーカムの街の時みたいに」
考え込む仕草をしたアスターシアの目が泳ぐ。
そっちの可能性はあるってことだよな。
その間も光は明滅の頻度を上げ、海面すれすれまで上がってきていた。
「上がってくるぞ! アスターシア、ガチャを頼む! もし、魔物なら俺が戦う」
「は、はい」
ガチャを受け取ったアスターシアが、隠れる場所を探して、砂浜を駆け出していった。
海面が盛り上がったかと思うと、水面から大きな物体が飛び出してきた。
物体は強い光を放っているため、まぶしさのせいで全容は把握できずにいる。
何かが放出される音がしたかと思うと、光はすべて消え失せた。
「なんだこれ?」
光がおさまった先には、黒い色をした巨大な物体が浮かんでいるのが見えた。
船? というには形が……。
鯨か? にしては生物っぽさを感じないが……。
まさか、潜水艦とか言わないよな……。でも、魔導戦艦が空飛んでる世界だし、ワンチャン潜水艦が存在する可能性もあるか。
剣を構えたまま、海に浮かぶ物体がなんなのかを考えていた時、羽虫の飛ぶような音がしたかと思うと、俺の目の前にドローンのような機械が姿を現した。
「そこの者、ここはどこだ?」
女性っぽい声だな。
このドローンみたいなやつで俺の姿を見てるのか?
「えっと、リスタルポートの郊外ですが……」
「ちっ! 港を通り越したみたいだ! クッソがよ! 海図がイカレてるなんて聞いてない!」
「えっと、何者?」
「ん? ああぁ、気にしないで。世話になったな。恩に着る。ドローン回収後、潜るぞ! リスタルポートまではあと少しだ!」
誰と喋ってるんだ?
俺は飛んでいたドローンを掴んでカメラっぽい場所に顔を寄せる。
「おい、名を名乗れ」
「その手を放せ。国家機密に触れると、お前の命がなくなるぞ!」
「これってもしかして潜水艦か? 海に潜れる船の」
「はぁ? ち、ちがうし。何言ってんのあんた! う、海に潜れる船なんてあるわけない! あ、頭おかしいでしょ!」
明らかに動揺してる声色。
どうやら図星らしい。
「リ・エオー半島同盟国には潜水艦まであるのか?」
「だ、だから! 違うって! ほら! 早く手を放さないと国軍があんたを拘束するわよ!」
国とゴタゴタするのは、面倒なことになるから避けたい。
ただでさえ日本人だっていう面倒ごとを抱えてるのに、これ以上抱えるのはごめんこうむりたい。
俺はドローンを掴んでいた手を離した。
「いい、あんた! ここで見たことは見なかったことにしないよー!」
潜水艦に向かって戻るドローンから、捨て台詞みたいな言葉が吐き出されていく。
「はいはい、見てない。見てない」
きっと航行訓練とかしてて、座標でも見失った感じなんだろうな。
ドローンが潜水艦に収納されると、海面が泡立ちはじめ、再びまぶしい光を放つと、水泡とともに海面に沈んでいった。
でもなんで、潜水艦なのにあんなに煌々と光を放って潜るんだろうか……。
技術継承はできたけど、運用思想までは継承されなかった感じなんだろうか。
上空からだと、ド派手すぎていい的になると思うんだが。
謎の発光潜水艦が去ると、隠れていたアスターシアたちが戻ってきた。
「ヴェルデ様、あれは何だったんです?」
「どうやら海に潜る船らしい。見なかったことにしろと言われたので、見なかったことにする。面倒には巻き込まれたくないしな」
「海に潜る船ですか……。チラッと聞いたことはありますね。魔導艦隊とは別に運用されてるとか。あれが、ソレだったんですね」
「おっと、余計な時間を食ってしまった。市場が閉まる前に戻るとしよう」
「あ、はい。急ぎましょう」
俺たちは潜水艦と出会ったことを綺麗さっぱりと忘れ、街に戻ると、市場で本日のメインディッシュの蟹をゲットし、精算を終えて寝床に帰るとヴィーたち家族と一緒に舌鼓を打つことになった。
もちろん、ガチャも蟹の身の味に満足したようで、お代わりをねだってきたが、アスターシアによって却下され、おもちゃとなった蟹の甲羅の中でいじけることになってしまった。








