第90話 20連ガチャはやっぱりたのしい
ガチャのコイン投入口にダンジョン攻略褒賞の金色コインを投入し、次々にレバーを回す。
カプセルが排出されるたびに、ガチャの身体がビクンビクンと震える。
そうやって排出された20個の色とりどりなカプセルを開け、スキルを鑑定した。
被ったのが7個、新規が13個だ。
蟹の甲羅の中で満足そうな様子を見せるガチャの背中を撫でながら、まずは新規のスキルの選別に入ることにした。
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ランク:N
スキル名:光属性魔法知識Ⅰ
種別:パッシブスキル
効果:光属性魔法の魔法威力+10
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パッシブ系は優先取得スキルなので、考える暇もなく取得一択。
魔法知識系が威力があがるので、低ランク魔法のダメージ増加にもつながってくれる。
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ランク:N
スキル名:ダストウィンドⅠ
種別:攻撃魔法
効果:風属性魔法ダストウィンドを発動できるようになる。
魔法威力:15
属性効果:目潰し(命中率低下弱) 弱点属性への魔法威力2倍
クールタイム:15秒
消費MP:3
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ダストウィンドは被りでもう一つ出てるな。
先制で放って相手の目を潰せたら、こっちが有利に戦闘を進められるだろう。
MP消費も少ないので意外と有能魔法かもしれない。
こちらも迷わず二個とも取得する。
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ランク:N
スキル名:毒耐性Ⅰ
種別:パッシブスキル
効果:毒属性の攻撃によるダメージを軽減する。毒物や毒ブレスによるダメージも含む。
効果量:毒属性ダメージ10%軽減
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この毒耐性も被った。耐性スキルは初見だが、属性攻撃のダメージを軽減してくれるスキルらしい。
パッシブスキルなので、取得しておけば毒状態になった時、自動的に適応されるようだ。
極めると無効化できるんだろうか? あと、食あたりとかに効果はあるのかは不明。
だが、取得して損はないと思うので、取得しとく。
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ランク:N
スキル名:火耐性Ⅰ
種別:パッシブスキル
効果:火属性の攻撃によるダメージを軽減する。火属性のブレスダメージ含む。
効果量:火属性ダメージ10%軽減
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毒耐性と同じく、今度は火耐性だ。
ブレス系ダメージも軽減してもらえるので、取得して損はない。
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ランク:R
スキル名:ウォーターボールⅠ
種別:攻撃魔法
効果:敵単体に対し、水属性魔法ウォーターボールを発動できるようになる。
魔法威力:25
属性効果:対象移動力低下(弱)、弱点属性への魔法威力2倍
クールタイム:18秒
消費MP:6
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威力は高めだけど、効果が単体とMP高めなので、ボスとかへの属性攻撃用手段になるかな。
対象の移動力低下効果はわりとありがたい。
攻撃手段の充実として取得はしておく。
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ランク:N
スキル名:チャージⅠ
種別:戦技スキル
効果:力を溜めて次の物理攻撃の威力を高める。使用中は回避不可。
必要装備:近接武器
チャージ時間:3秒
物理ダメージ上昇量:+30
クールタイム:120秒
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物理ダメージが上がるけど、チャージ時間と使用中回避不可のデメリットはある。
育った時、高威力のチャンピオンソードと組み合わせたら、大ダメージを期待できそう。
取得しておくとしよう。
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ランク:N
スキル名:鍛冶屋Ⅰ
種別:ジョブ
効果:金属製の武器や防具の修理や強化が可能になる。
ステータス補正量:DEX+15
デメリット効果:魔法発動後、クールタイム50%増加
装備制限:なし
魔法発動:可能
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ジョブスキルは本当にサードジョブ解放が待たれるところ。
装備強化とかしてみたいが、今のところはジョブを入れ替えるメリットはあまりない。
取得せずにSSRメーターの肥やしにしておく。
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ランク:N
スキル名:料理人Ⅰ
種別:ジョブ
効果:調理によって、一時的に自身のステータスを向上させる料理を作成できる。
ステータス補正量:VIT+10 HP+20
デメリット効果:戦技スキルによる物理ダメージ50%減少
装備制限:武器は調理器具のみ
魔法発動:不可
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こっちもジョブスキル。
このジョブスキルを持ってる人が作る料理は、ステータス向上の効果が付くらしい。
アスターシアとかが取得できるといいな。
でも、一般の人でセカンドジョブ持ちは珍しい部類だって話だ。
しょうがないけど、SSRメーター行き。
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ランク:R
スキル名:シールドバッシュⅠ
種別:戦技スキル
効果:盾で敵を打ち付け、物理ダメージの衝撃を与える。
必要装備:盾
技威力:VIT能力値×1倍
追加効果:対象へ怯み効果
クールタイム:180秒
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シールドバッシュは戦技スキルらしい。守護の小手で発生するフィールドが盾判定されるかは微妙なライン。
現物の盾のみとなると、新たに装備しないといけないが……。
今後の装備の更新の選択肢を含め、あって困るスキルではなさそうだ。
固めの魔法剣士を目指す感じだしな。
取得するとするか。
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ランク:R
スキル名:鋼の肉体Ⅰ
種別:パッシブスキル
効果:物理防御力が向上する
効果量:物理防御力+15
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はい、大勝利。有能なスキルが来た。レアランクだけど、役立ちすぎるでしょ。
素っ裸でも物理防御が上がるスキルは有能でしかない。
何も考える必要もなく取得すればいい。
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ランク:N
スキル名:捕獲術Ⅰ
種別:アクティブスキル
効果:野生の動物や魔物を捕獲する確率が上昇する
捕獲成功率:基礎成功率(DEX、LUK能力値依存)+10%
クールタイム:180秒
消費アイテム:捕獲網
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最後、うーん。これどうするかな……。
捕獲依頼とかあるんだろうか? 今のところ見かけたことがないが……。
それに消費アイテムもいるスキルだし、取得するべきものだろうか?
しばらく迷っていたが、あまり有用性のないスキルと判断し、今回は取得を断念することにした。
新規スキル13個のうち取得しなかった3つが光の玉に戻ってガチャの身体に吸収された。
ガチャの背中に浮き上がっているSSR確定メーターは12→15/20に変化する。
「15個まで貯まったな。取得してて、被ってるのが7個あるが……。あと5個でSSR確定排出なのか……」
被ったスキルは『ファイア』、『アイス』、『魔術士』、『言語翻訳』、『運増強』、『エネルギーボルト』、『氷属性魔法知識』だ。
5個取得せずにSSRを狙いたい気持ちが沸き上がってきた俺は、今回取得するべき2つを厳選する作業に入る。
『言語翻訳』、『運増強』は現状取得しなくても影響が大きくないので、まずこの2つは取得先送りっと。
2つの光の玉がガチャに吸収される。
あと3つか……。『エネルギーボルト』もスキルレベルが低いから優先って感じでもないな。
1つの光の玉がガチャにまた吸収された。
『ファイア』、『アイス』、『魔術士』、『氷属性魔法知識』が残ったが……。一個は決まってる。
『魔術士』のジョブスキルのランクを上げたい。となると、魔法のランクを上げるため、もう1つは『ファイア』になるか。
『アイス』と『氷属性魔法知識』を取得せずに光の玉に戻してガチャの身体に吸収された。
背中のSSRメーターの数字が20となり、急に電飾のようにまばゆい光を放ち始めると、ガチャが甲羅から立ち上がりこちらに顔を向ける。
取り出し口から金色のカプセルが飛び出してきた。
ガチャは一仕事したみたいに、レバーをクルクル回すと、クタリと倒れた甲羅の中で丸まった。
「おおぉ! ガチャ、大丈夫か!?」
ガチャは『大丈夫、疲れただけです。そのカプセル開けて』と言いたげにレバーを回して応えた。
「ふー、びっくりしたぜ。とりあえず確認させてもらうな」
金色のカプセルを開け、スキルを鑑定する。
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ランク:SSR
スキル名:フォースジョブⅠ
種別:パッシブスキル
効果:フォースジョブ解放
デメリット効果:フォースジョブ時、ジョブによるステータス向上率50%ダウン
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きた――――――! ジョブ解放だ! って!? フォースジョブ!?
サードじゃなくてフォースジョブが解放されるの!? サードどこいった!?
ま、まぁ、とりあえず取得するのは間違いないので、取得しておく。
フォースジョブⅠを取得すると、ステータスのジョブ欄《4》の数字が浮かんでいた。
やっぱり《3》がない……。
たぶん、サードジョブⅠはSRランクなのか。
まだ、サードジョブは取得できてないけど、先にSSRランクのフォースジョブが解放された状態になっているようだ。
まぁ、でも次から新たなジョブが選べるな。
ノーマルランクでもわりとバリエーションがあったから、レアとかSRとかだと、勇者とか、賢者とか、剣聖とか、錬金術士とかあるのかな。
フォースジョブの確認を終えると、『ファイア』と『魔術士』も取得することにした。
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ランク:N
スキル名:ファイアⅣ→Ⅴ
種別:攻撃魔法
効果:火属性魔法ファイアを発動できるようになる
魔法威力:60→65
属性効果:火傷(累積ダメージ弱) 弱点属性への魔法威力3倍
クールタイム:10秒
消費MP:5
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スキルレベルが上がってくると威力の伸びも低くなるみたいだが、低ランクなのが影響してるのかもな。
でも、威力が上がるのはうれしい。
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ランク:N
スキル名:魔術士Ⅰ→Ⅱ
種別:ジョブ
効果:MPの自然回復量の増大
ステータス補正量:INT+10→20 DEX+10→15 MP+50→100
デメリット効果:VIT-2→-3
装備制限:重鎧不可
魔法発動:可能
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INTとMPがかなり伸びるのは嬉しいが、セカンドジョブスキルが育ってないので、伸び率は半分になる。
でも、魔法の威力は上がるし、魔法もかなり使えるようになるはずだ。
「ヴェルデ様、取得は終わりになりましたか? お茶が入ったのですが?」
湯を沸かしていたアスターシアが、そっと飲み物の入ったコップを差し出してくる。
「ああ、終わった。偽装の部分はアスターシアに意見をもらえると助かるから、一服したら一緒に考えてくれ」
「承知しました。また、たくさん成長されたのでしょうね」
「まぁ、そうだな。低ランクダンジョン回るだけでも、俺はガチャのおかげでどんどん強くなっていくわけだし」
「あたしも頑張って成長しないといけませんね」
「無理する必要はないさ。まったり低ランクダンジョン回ってるだけだしさ。無茶すれば、この前のBランクダンジョンの時みたいなことになる。ゆっくりでいいと俺は思ってる」
安全第一なお気楽旅をしたい。
下手に活躍しすぎると、この前みたいに会いたくないやつが、近寄ってきて、場所を変えることになるしな。
ほとほどに稼ぎながら、徐々に有名になって、探索者ギルドやダンジョン協会からも一目置かれる存在になり、日本人バレしないようにしたい。
そんなことを考えながら、アスターシアがわかしてくれたアツアツのお茶をグイっと飲み干した。








