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温度  作者: 啓。
7/7

眼を覚ますと、もう朝で、カレンダーを見ると土曜日だった。


気だるい体を起こして、リビングへ向かった。


「凛歩ちゃん、おはよ」


そう声をかけてきたのは、名前は知らないが、父さんと呼んでくれと言ってきた人だった。


「おはようございます」


私はそっけなく挨拶すると、相手はクスクス笑った。


「最初に会った時の君のお母さんそっくりだ」


そう言われて、いい気はしない。


が、似ていると言われてもおかしくないであろう。


理由は簡単、血が繋がっているから。


「まぁ、ちょっと話をしよう」


急に真面目な顔をして話し始めた。


「はい」


「君の母さんは、夜の女だった。


知り合ったのは、そこでね。


話をしたら娘がいると聞いた。僕は君の母さんに一目惚れをしてな。


もうずっと、一緒にいる。いたいと思ってる。


だから、君との約束。


君の母さんを働かせなくていいように、僕が一生懸命頑張る。


見守っていてくれるか?」


この人は、要するに、母さんを幸せにするから、結婚を了承してくれって言いたいだけなんだ。


「はい、母がそれで幸せなら別に結婚も反対しません」


私がそれを言い終わると、この人は、ため息をついた。


「僕口が下手だから、理解してくれないと思ったけど理解してくれてよかったよ」


さっきのため息は安堵のため息だったのだろう。


私は、居場所がなくなった気がして、胸が苦しくなったが、この人なら大丈夫かもしれないと思った。


なんでかはわからないけれど。

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