88.ぶっ殺す
俺たちは広場に出た。
凄惨な戦いの跡が広がっていた。
地面がめちゃくちゃに抉られている。
血だらけの騎士たちの死体が、折り重なるように倒れている。
いったいどれほどの熾烈な戦いがここで起こったのか。
想像もつかない。
「ねぇ、あれ見て!」
リリィが遠くの空を指差した。
「あれは……爆発?」
俺は目を細めた。
遠くの空で、ドォン……ドォンと轟音が鳴り響いている。
光が瞬く。煙が上がる。
「団長の魔法だ!!」
ジャックが叫んだ。
「そんな……なんで……」
その声が震えた。
「姐さんがいない……」
「待て、なんでわかる」
俺は尋ねた。
「あの魔法……周りを巻き込むからって、団長一人の時しか使わなくて……」
空で、金色の龍が舞い上がった。
俺たちの位置からでも見えるほど、高く。
そして、降っていく。
地面を抉る轟音が響いた。
「怪我して離脱してるかも、急ごう!」
リリィが走り出した。
俺たちは爆発の方向へ向かって駆けた。
ジャックが先行しようとする。
だがすぐに、立ち止まった。
肩が震えている。
拳を握りしめている。
泣いているのか。
辛いよな。
悔しいよな。
視線の先には、フィオラが倒れていた。
体を袈裟に斬られている。
剣が、手の届かない場所に転がっていた。
最後まで戦ったのだ。
琥珀色の瞳は、空を向いたまま、光を失っていた。
俺はジャックをぶん殴った。
「いけ!!!!」
ジャックは泣きながら走り出した。
高速で先行する。
俺も全力で走った。
すぐだ。
もっと。
もっと早く。
上空に天使のような姿が見えた。
弓を引いている。
天から光の槍が降っている。
早く。
早く。
着いた。
間に合ったのか。
ジャックが何か叫んでいる。
上空の爆煙の中。
いた。
レオンハルトだ。
ボロボロだった。
盾はない。剣は折れている。
こちらを見た。
笑ったような気がした。
ああわかってる。
任せろ。
落ちてくる。
上半身と、下半身が、別々に。
「団長おおおおおお!!!!」
ジャックの絶叫が響いた。
爆煙が晴れていく。
さっさと姿を見せろ
誰かが空に浮いていた
白い翼
剣を持っている。
血に濡れた剣。
見覚えのある顔。
神崎。
どうでもいい。
理由も。
経緯も。
何もかも。
ぶっ殺す。
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