ぼっち
トイレに連れてこられた私。というか女子トイレ入ったの何気にやばくない?人生初……では無いけど!!
「ちょっとまってて」
心を落ち着かせるような仕草をする柳瀬。ヤンヤンは部屋に置いてきてしまった。
「何から話せばいいか……とりあえず、私には本当のことを言ってちょうだい」
「……?本当のこと?」
「あの元男だったってやつ……全部設定なんでしょ?」
「……?????」
どういう事だ?
「大丈夫。無理しないで。私も……私も同じなの」
「……何と?」
「だから……!私も、あなたと同じで……っ、設定に縛られてるのよ……」
……??
それは、どういう意味だろう。
まさか……
「じゃあ……元アイドルってのは?」
「…………全部ウソ」
「黒川藤子は?」
「そ!……それはほんと……」
…………まじかぁ。
「闇が深いな……強いられてるの?その設定」
「…………そんなには。でも、私、言われたの。……っ!この設定で……っ!お願いしますって……っ!!」
うわぁ……深い深い……ガチでやばいやつじゃん。
「あたし……バカだからさ、この業界はいるのが夢だったから……っ!必死だったから、それでも頑張りたいんだけど……っ!でも、同じ気持ちの人がいるってわかって、いてもたってもいられなくて……あなたと同じなの!!必死で設定通りにやんなきゃって……っ!」
なるほどな……それであんなに悪印象をもたらす態度をとっていたのか。
「でもどうしてわたしに?」
「だってあなたも同じでしょ!?設定でラノベ家ってことにされて、本を書いてるとか、本気で自分のことを元男だと思ってるんでしょ!!」
……
えぜんっぜん違うんだけど????
「信じられないよなぁ……こんな話。どこのラノベだよって思うよなぁ……当然だよ」
「……?」
「うーん……結局俺は自分が元男だっていう証拠をぱっとは出せないんだ、すまない。けどね、本気でほんとに魂は男なんだ。信じて貰えないと思うけど、まぁそれでいいよ」
「あぁ……!!そんなに無理しないで……っ!いいのよ!あたしの前なら!素の自分に戻って!!」
「え?いいの?後悔すんなよ?うひょうおっぱい!!!おっぱい腕に当たってるぜひゃっほい!!!あ、柳瀬さん。これから僕とホテル行かない?このあと暇?百合エッチ体験してみない?今からヤンヤンも呼んで3Pしよ?」
「…………は?」
「ななななな!!!えっちでふ!!!!」
「…………ん?」
今の声は…………
「「ヤン・チェンリー!?!?」」
「一体いつからそこにいたの!?」
「あの元男ってやつ…って所からです」
「最初じゃん!!!聞き、聞いてたの!?!?」
「全部聞いてました。柳瀬さん、私、全然嫌がってないです。全然ショック受けてないですよ、だから、あんな顔しないでください」
あんな顔……というのは、あのヤンヤンの本名を聞いた時の柳瀬の顔のことだろう。
「私……私の本名、黒我谷まこっていいます。私も設定に忠実にしなきゃって気持ちで本名隠してました……気持ち、わかります。でも、私の場合、キョンシーの設定は私が好きだからで、自分が望むからで……柳瀬さんみたいに、必死って訳じゃなくて……あの、ほんとに、ごめんなさい!!」
「な、なんであんたが謝るのよ!!あたしの方でしょ!?謝るのは!!だって……だって……あんな無神経な質問して……ほんとに、ごめんなさい!!」
「いや!!わたしです!!私が謝るべきなんです!!もっとおちゃらけて質問に返していれば!そんなことにはならなかった!!」
「いやあたしが悪いの!!」
「いいえわたしが!」
「あたしよ!!」
「わたしです!!!」
「あたし!!」
「わたし!!!」
「「…………ぷっ」」
「あははははははっ!!!なにやってんだろうね、あたしら!」
「ふっ、ふふふふふ!!ほ、ほんとですよ!!」
……俺を置いて2人は盛り上がる。
「あはははっ……あ、早乙女!あんたも本来の自分を出せるようになれたらいいね!」
「そうですね!!でも、私はほんとだと思うけどなぁ」
「よーし!!これから3人でガンバロー!!!」
「おーーー!!!!」
2人は私を真ん中に置き方を組み腕を上げる。
結束力が固まったのだろう。
俺以外の!!!!!!!!!




